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ワクチン、薬の十分な準備必要
昨年流行、約450人感染の疑い
オランダの教訓
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昨年二月末から約四カ月間、高病原性鳥インフルエンザが猛威を振るった世界有数の鶏肉・卵輸出国オランダでは、鶏から人への感染が疑われる例が約四百五十人に上りました。
死者は一人にとどまりましたが、同国の国立公衆衛生環境研究所(RIVM)はワクチンや抗ウイルス薬を十分準備し、対策計画を練っておく必要性を訴えています。
RIVMなどが六日までに英医学誌ランセットに発表した論文によると、オランダでは昨年二月末、中西部の六カ所の養鶏場で鳥インフルエンザが発生。感染は最終的に二百五十五カ所に拡大し、国全体の鶏の28%に当たる約三千万羽が処分されました。
ウイルスは日本や香港のH5N1型とは違うH7N7型。
養鶏場を訪れた獣医の感染をきっかけに、RIVMは三月十日から、養鶏場の従業員や鶏の処分に当たる作業員などを対象に大規模調査を開始。目やのどに付着しているウイルスを脱脂綿でふき取る検査を行うとともに、症状を聞き取りました。
調査の結果、RIVMなどは約四千五百人が感染した鶏と接触したと推定。このうち四百五十三人が自覚症状を訴え、感染が疑われましたが、ウイルスを検出できたのは八十九人にとどまりました。
症状は八割が結膜炎で、H5N1型の場合に多い発熱やせきなどは二割。死者は獣医一人だけでした。
ただし、人から人への感染も、養鶏場従業員から妻(37)と娘(13)、別の従業員から父(44)に感染したケースがあったとみています。
RIVMなどは「予防措置を講じるまでに千人以上が感染した鶏と接触した。もっと感染力が強い変異ウイルスが出現した場合、封じ込めは非常に困難だ」としています。
2004年3月8日(月)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-03-08/15_02.html