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腎臓病抑制遺伝子を発見 米科学誌に発表 東北大研究グループ
東北大大学院医学研究科の阿部高明講師(腎高血圧内分泌学)と東北大病院薬剤部の共同研究グループは、腎臓病進行の原因となる血中の薬物、尿毒症物質などを体外に放出させる遺伝子(タンパク質)の発見に世界で初めて成功し、2日付の米科学誌「米国科学アカデミー紀要」電子版で発表した。人工透析でも排除し切れない物質の除去に道が開け、腎臓病の進行抑制に大きな効果が期待される。
腎機能が低下すると、投与された薬物が蓄積されて腎内で障害を併発、さらに機能低下するという悪循環に陥りやすい。また、透析で血液を浄化しても、消えずに血中に残る尿毒症物質が、疾患の進行を早めることから、排せつシステムの構築が課題とされてきた。
阿部講師は抗がん剤開発の過程で、腎臓に特有の遺伝子「OATP―R」を発見。蓄積された薬物や尿毒症物質を、血液から尿細管細胞を通過して尿管に運び出し、排せつさせる輸送体の役割があることを突き止めた。
個々の患者の「OATP―R」の状態を分析すれば、最適な薬剤選択や治療法が可能になる。
この遺伝子は腎不全の悪化とともに数が減少し、働きが鈍るため、今後、発生量の低下を防ぐ新薬を開発することで進行を抑制できるという。
全国の腎臓病患者は約21万人で毎年2万人ずつ増加している。透析などの医療費は年1兆円を費やしている。
阿部講師は「糖尿や高血圧に悩む人は増えるばかりで、根本的な解決法が求められていた。新遺伝子の発見は新治療システムなどに生かされ、将来的には医療費抑制につながる可能性がある」と話している。
この研究は、独立行政法人「科学技術振興機構」の事業の一環として行われた。
(河北新報)