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破綻1年ハウステンボス、なるか「再生成功モデル」
長崎県佐世保市の大型テーマパーク、ハウステンボスは26日、経営破たんから丸1年を迎える。支援先の野村証券系投資会社、野村プリンシパル・ファイナンス(野村PF、川端芳文社長)は、若手社員を積極登用し新たな船出の準備を進めている。各地でテーマパークの苦戦が続く中「後世に残る再生の成功モデルを目指す」(川端社長)取り組みに地元関係者らは熱い視線を向けている。
【現場の声を反映】
「(破たん前は)経営が厳しいと言われながら『どこかが何とかしてくれるだろう』という意識があった」。荒木達也事業開発部ゼネラルマネジャー(44)が自戒を込めて当時を振り返る。
荒木氏は野村PFが1月に設置した社内プロジェクトチームの一つ「ゾーニングチーム」のリーダー。「さまざまな施設がごった煮」の園内を、客のニーズに合わせて区分けするのが役目だ。各部署から選んだメンバー12人は荒木氏以外は20−30代。「これまでは経営と現場に距離感があった。今はダイレクトに声が伝わる」という。
チームは区分けのビジョンとして、家族連れなど滞在型の客に「ゆったりリゾート感」、カップルなどの日帰り客に「楽しさ」を提供できるようにする方針を決定。具体的な方法は今後検討するが「議論を重ねる中、自分たちの手で新しいハウステンボスをつくるという気概が強く表に出てきた」と、荒木氏は確かな手応えを感じている。
【見えない“目玉”】
巨額の借入金を抱えてスタートし、新たな投資ができないまま入場客が減る「マイナスのスパイラル」(関係者)から、自主再建を断念することで脱出したハウステンボス。だが、野村PFが打ち出した温浴施設の新設や宴会棟の拡充が、懸案のリピーター獲得につながるかは不透明だ。
「新施設チーム」は観覧車などの新設も検討している。しかし「街並みや景観を評価されているのが強み。ガラリと変わるのではなく、ゆっくりとかじを取っていくイメージ」(経営戦略部)としており、再生の象徴となる“目玉”が見つからないのが現状だ。
野村PFが支援企業に内定した昨年九月以降も、入場客は前年比約85%で推移。県幹部は「野村の名前だけで客は呼べない。今後、どう新しい魅力をつくるかにかかっている」と経営手腕に期待を込める。
【「最後のチャンス」】
桃尾重明管財人は3月中に東京地裁に更生計画を提出。ハウステンボスは裁判所の認可後、6月に新会社として生まれ変わる予定だ。ゴールデンウイークには新イベントも企画。地元銀行が出資を検討するなど地域を巻き込んだ再生への歯車も回り始めた。
「これが最後のチャンス。失敗はできない」。30代の男性社員の声に力がこもった。
ZAKZAK 2004/02/28