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【コラムニスト:Willie Pesek】 2月25日(ブルームバーグ):米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は昨年、23.3%という素晴らしい投資収益率を達成したが、アジアに関心を高めていれば、はるかに良い運用成績を上げていたかもしれない。
2002年2月、カルパースは企業統治懸念や政情不安などを理由にインドネシアとマレーシア、タイの株式投資を中止し、運用モラルの高さを明確にした。ところが、こうしたアジア市場がその後2年間、世界の株式市場で最も好調な値動きを演じたのだ。
これで最も大きな痛手を負ったのは、カルパースが資金を引き揚げたアジア諸国ではなく、同基金の受益者たちだ。タイ株は2002年に17%、2003年に 117%上昇したし、インドネシア株も2002年に8%、2003年に63%値上がりした。マレーシア株も昨年は約23%上昇した。こうした株高から恩恵を受ける機会を逸したのだ。
アジアでは、カルパースが世界で最も活気のある市場の一部から資金を引き揚げたのをやゆして、カルパースを偉大な「逆張り指標」と言う投資家もいる。つまり、カルパースが投資しない国は「買い」で、カルパースの投資対象リストにある国には投資を避けるのが一番だという意味だ。
こんな冗談はさておき、カルパースの動きに追随していた投資家は不運だ。熟練した投資のプロに便乗するやり方は古くからある投資手法の一つで、米資産家ウォーレン・バフェット氏が2003年に中国の石油会社最大手ペトロチャイナに投資した際にも多くの投資家が追随して同社株に投資した。
再検討
カルパースがある国を投資先から外せば、市場は耳を傾けるし、時には追随する。カルパースが見直しを行っていることは朗報だ。同基金は先週、政情や透明性、労働者の水準、市場の流動性の改善を理由に、マレーシアを投資対象市場に復帰させた。
世界の金融市場で物議を醸したマハティール前首相は3カ月前に引退しており、後任のアブドラ・バダウィ首相は世界の投資家に対し、腐敗の防止やマハティール時代に決まった大型建設計画の見送りを言明した。
カルパースがエマージングマーケット(新興市場)に関する決定で参考にするコンサルティング会社ウィルシャー・アソシエーツのリポートによると、タイとインドも高得点を挙げている。両国がカルパースの新興市場向け投資資金の一部を獲得する日も近いのかもしれない。
見識
カルパースはかねて投資対象リストについて、掲載されていない新興国の「改善のための動機付け」になればいいとしていた。ただ、カルパースのこんな期待に反して、新興市場への影響力は低下しているようだ。カルパースがタイを引き続き投資対象外としていることについて、同国のスチャート・チャオウィシット財務相は、「何ら問題はない」と述べている。
投資家がアジアに注目するのは、単なる付和雷同ではなく、アジアへの見識が高まったことが一つの理由だろう。1997−1998年のアジア危機の直後までは、アジア地域はひとまとめにして分類されたが、最近では各国の事例に応じて個別に金融システムや財政政策、透明性の改善について検証されている。
カルパースなどの投資のプロがここにきて、アジア株ブームに乗るために努力し始めたことは、受益者にはうれしい話だろう。彼らがどう行動するにせよ、アジアは正当な理由から、投資家のレーダー網に再浮上してきたことは確かだ。(ウィリアム・ペセック・ジュニア)
(ウィリアム・ペセック・ジュニア氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Calpers Finally Gets Hip to Asian Stock Boom: William Pesek Jr (抜粋)
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=ahtrdxqTjcfI&refer=top_kaigai