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【コラムニスト:David DeRosa】
2月22日(ブルームバーグ):日本の当局者らは、20日の2円余のドル上昇に、夢ではないかと自分の頬(ほお)をつねっていることだろう。市場介入ばかりが能ではないことに気づいてほしいものだが、円高阻止への日本当局の頑迷な姿勢を見る限り、それは無理かもしれない。
円の下落は19日に始まった。1ドル=105円50銭のところで、ドルが上昇に転じた。19日遅くには、1ドル=107円付近に達し、20日には109円余りへと急伸した。
このドラマの背景には、日本の財務省が円売りを続ける意向を示したことと小泉純一郎首相がテロ警戒水準を3月以来最高に引き上げたことがある。「日本がテロの標的なら円売り」という条件反射的な反応だった。
20日のドル急伸のもう1つの理由は、この日が金曜日だったことだ。金曜日は外為市場で「ショートスクイ−ズ」が発生しやすい。ショートスクイーズとは、売り持ち高を積み上げているトレーダーが価格上昇でパニック的な買いを迫られる状況。いったんスクイ−ズが始まると、市場は買い一色となり、価格は1本調子に上昇する。
円の上昇を抑える日本の決意の固さは、日本の外貨準備、つまり円売り介入の規模が、過去最高となっていることに表れている。これはひとえに、日本は輸出主導の経済だとの深い信念に基づくものだ。日本は、自国通貨が上昇すれば、海外、特に米市場での製品価格が割高になると懸念し、円の上昇を力ずくで抑えなければならないと信じている。
しかし、円高を抑えようとする日本の超人的努力はこのところ、さしたる成果を挙げていなかった。そういうわけだから、政府が若干の役割を演じただけで直接手を下すこともなく、かくも急激に円が下落したことは、皮肉と言うしかない。
円は買いどき?
市場は、景気拡大を示唆するこのところの日本の経済指標に感銘を受けている。なかでも注目を浴びたのは、2003年10−12月期の国内総生産(GDP)だ。18日発表された同四半期のGDP成長率は前期比で年率7%と13年ぶりの高成長となり、米国や欧州を上回った。円の買い時というものではないか。
ところが、財務省の溝口善兵衛財務官はこれに「待った」をかける。溝口財務官は基本的に、「良いニュースが出ても円買いは許さない」という姿勢を示し、景気が拡大しても円高を容認することはないでしょうと語った。
これは行き過ぎであると同時に奇妙だ。経済が好調なのに、なぜ市場介入までして円相場を固定しようとするのか。景気回復のさなかで円の対ドル相場を押さえ込むことの結果を考えてみよう。
円安は海外投資家が日本市場に算入するコストを人工的に低く抑える。しかし遅かれ早かれ、円は上昇し始める。日銀が真に為替市場を制御することなどできないことを、皆知っているからだ。従って、円をめぐる日本の政策は結局、海外投資家に日本株買いの好機を与えるだけということになる。
1980年代の繰り返し?
もしかしたら、日本は1980年代の失敗を繰り返すリスクを冒しているのではないか。もし、景気が本当に回復しつつあるならば、日銀が円相場を不当に低く抑え続けた場合、海外資金が雪崩を打って日本に流れ込んでくる危険性がある。
(デービッド・デローザ氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Japan Gets Wish With Dollar Short Squeeze: David DeRosa(抜粋)
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=aCC4OGd536TE&refer=top_kaigai