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Ddogレポート22thFeb'04
http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/rtr/040221/040221_mbiz2038678.html
NY外為市場=ドル全面高1ドル109円台をつけております。
つい先日までG7後ドル大暴落と、大騒ぎしていた多数の無能なアナリストたちはいったい何と説明するのだろうか?とりあえず目先の危機が去ったので、私は胸をなで下ろしています。
私のレポートの元ネタは、外資系や、国内各社総研の証券経済レポート、クイック掲載のレポートを熟読して、自分の相場観を構築してこうやってレポートを書いています。その名かでも、特に為替に関してはhttp://www.forexwatcher.com/elliojpn.htm 元為替ディーラーだった小池さんのForexwatcherを信奉しています。最近会員制を止め無料サイトに戻りました。
どうも私は捻くれた性格で、反ブッシュとネット多数派世論が騒ぐと、それを疑うのと同じく、大多数が円高と合唱すると、それを疑います。Ddogの投稿をチェックみれば解かります。今度は来週あたりから、無能なアナリストたちが、ドルは売られ過ぎていたので当然反発すると、さも円安を予想していたかの発言をするでしょう。しかし私は今、この円安になってしまったおかげで、次に円ドルが105円を突破して何時100円の攻防戦をするかという円高の可能性が高まったと感じ、円高の心配しております。
為替市場というものは、実際の輸出入に伴う実需の為替の需給はほんの微々たる数字でしかなく、圧倒的に投機的なディーラーによる売買が取り引きのマーケットであること。主要国通貨が変動相場制採用後も、日常の相場も純粋に経済的要因だけで変化するのでなく、政治的思惑も色濃く反映する市場でもあると認識しています。為替相場の変化は、国際政治の変化や思惑の変化を表わし、為替市場は国際政治の鏡であると、私も思っています。
今日、サミットやG7が、経済や為替の各国の足並みを調整するうえで、非常に重要な役割を担い、重要な転換点になることが多い。先のフロリダG7も、前回のドバイG7と同様例外ではない。共同声明発表直後は、期待していたほどの大した成果がないと思ってしまった。そして、G7の共同声明をどう理解していいのかまったく解からずにいた。
しかし時が経つにつれ、だんだん読めてきた。あくまでもDdogの個人的見解だが、G7において、人民元切り上げと、米国金利引上げの準備もしくは合意が成されたとのではないだろうか?
ブッシュ政権にとって、大統領選挙勝利は、何よりも優先されるべき課題としているようだ。もしかしたらイラク問題など二の次、北朝鮮など眼中にないかもしれない。雇用情勢の改善が再選を確実とする為には是非とも必要だろう。そして景気の方も、もちろん持続させなくてはならない。米国はドルを防衛する重要性に気付きだしたのではないかと思う。
別に私がしつこく主張しなくとも、米ドルをこのまま暴落させるわけにいかないのも、自明の理である。
米国は、雇用情勢の悪化の理由として、中国とインドにその責任を負わせたいと考えている。選挙前には例え実効性に欠けていたとしても、深刻な雇用情勢を改善するポーズを是非取りたい。そこで、この夏辺りに人民元を切り上げさせるのは、絶好の雇用改善幻想であり、是非提供したい幻想である。(プラザ合意後の円高ドル安は、米雇用情勢を劇的に改善させなかった。)おまけに人民元高は、将来のドル資産価値維持につながる可能性まで有る。
今のところ、5%から10%人民元を切り上げる説が出回っているが、それでは、実際に切りあがった場合はいったいどうなるか?
見落としがちだが、人民元が切りあがったとしても、依然人民元はドルとのぺッグ制が維持されたままであると思う。 人民元は依然自由な通貨でなく、国際市場で自由に取り引きが出来ない、資本規制されたローカル通貨のままである確率が高いわけである。
例えば中国に進出した日本企業にとっては、人民元の切り上げは、米ドルの切り下げである。米ドルと人民元が共に自由な通貨であったら、人民元買いの米ドル売りをすればよかのだが、それが自由にできない。そこで調整は人民元でなく、米ドル売りで実施されるはずだ。ドル売りの対象として買われる通貨は流通性高い円かユーロである。現時点では、通貨介入を実施していないユーロは対米ドルに対して大幅に上昇しており、結局、通貨介入で上昇余地がある円が再び狙われる。円買いドル売りを投機筋に仕掛ける口実を設けられてします。そうです、このドル高円安は、次の、ドル売りの為の助走としてとらえなけらばなりません。
米国にとって海外勢、特にアジア諸国の中央銀行がドル防衛の最後の頼みの綱として重要な貸し手になっているのは明らかだ。米財務省証券発行残高のうち海外の投資家や中央銀行が保有シェアは、36%。そして、海外勢の中で最大の購入者は日本と中国で、増加ペースが衰える兆しも今のところ全く見られない。海外勢による購入のうち約半分を占めた。
米ドルの暴落は、株債券通貨のトリプル安を招くことは米通貨当局も充分承知していると思うが、依然、米通貨当局のドル防衛認識はまだ低い。理由は、例えが悪いのだが、アジア諸国中央銀行による米ドル買い付けは、麻薬常習者と薬の売人の関係に等しい。一度手を出してしまったドル買い介入は、止めれば暴落し、自分の保有する資産を減価させてしまうからだ。米通貨当局はその点を充分認識して、日本中国アジア諸国の中央銀行を手玉に取っているのだ。外貨準備が際限無くの積み上りつづけている。
1990年代中盤に起きたアジア通貨・金融危機への対応が先週までの日銀の大幅介入による、ドル買い支えの発端だった。当時、アジア諸国は、投資家の信頼感を取り戻し、債務返済能力を強化し、対外的な流動性ポジションの改善を試みた。それ以来、アジア地域では外貨準備が積極的に積み増され、僅か6年の間に外貨準備は倍増した。中国が保有している外貨準備のうち40%程度が米財務省証券へ再還流しているらしい。中国の外貨準備の大半が米ドル建てで保有されている。
日本の機関投資家や一般投資家アジア諸国の民間も、過去数年の間に米財務省証券への投資を高めており、現在海外の中央銀行とほぼ変わらない額を保有している。民間投資家の投資行動は安定しておらず、その行動は収益動向に左右されがちである。
そんな中で、米選挙対策―雇用改善の幻想を国民へ供与―人民元切り上げードル下落―米トリプル安―景気経済悪化―雇用減―落選の構図を、変えるには、米政権は神様仏様キリスト様グリーンスパン様の絶妙な金融政策の舵取りに懸けるしかない。
ずばり、人民元の切り上げと同時に米政策金利の引上げが行われるのではないか?もう一つ加えるならば、日本円売り要因の発生ではないか?円売り要因としては、UFJの二重帳簿問題で因縁をつけて金融不安を再燃させる。イラクで自衛隊に多数の戦死者を出し、小泉政権が退陣などがあげられる。
昨年12月9日の温家宝中国首相の訪米で、ブッシュ政権が「台湾の現状変更を望まない」との意外な発表したあたりから、私は怪しいと睨んでいる。
次に、かたくなに人民元切り上げを拒んできた中国がなぜ、この時期人民元切り上げに踏み切る可能性がでてきたかというと、中国側にも人民元を引上げる理由も多数存在する。
過熱した、経済を冷却しつつ、同時進行する中国国内デフレを克服する処方箋として、政策金利上げより、通貨切り上げの方が魅力的選択肢と判断したことであろう。これは、中国経済が世界経済に組み込まれ、中国共産党が、国際協調路線の現実を取り始めてきたことが大きい。
米国が国際協調路線より外れ、その軍事力的実力を国際政治により強く活用し、中国に対し正当なイラク侵攻で見せ付けた軍事的圧力を中国に示威行為事することも可能であることも大きい。
そして、3月20日の台湾総選挙、中国共産党大会も、人民元切り上げへ軟化の理由として挙げられる。
今回の台湾総選挙は陳水扁と連戦では、中国にとって、独立派の陳水扁より、反独立派の連戦候補に是非とも勝たせたいはずだ。
過去、96年の選挙において、軍事的ブラッフとしてIRBMを発射してしまい、李登輝候補の勝利に貢献してしまった。2000年も言葉で威嚇恫喝して、失敗を重ねてしまっている。
多少は学習効果があるらしく、対台湾政策としてもだいぶ改善された。人民元切り上げは中国政府にとって雇用が悪化する台湾にとってもメリットがある理由である。
為替操作では、世界的な労働裁定・富の格差の問題解決には不十分だということにならない。長期に亘り維持されている経済成長率格差を無視できない。中国やインドは、世界経済に比べて2〜3倍速いペースで成長を遂げている。富める国に対して調整、つまり貿易可能な活動からの雇用のシフトが行われている。
中国の賃金が低いのは、中国人は貧しいが、他国の中流階級と同じように消費できるようになる前に、世界経済で労働力を売ってある程度の富を手に入れる必要があることを学んだからである。中国がかなりの人口を抱えている点を考えると、中国人が廉価な労働力を売って中流の消費者になろうとしている。
米国は、金融バブルをもたらして消費を過熱させ、グローバリゼーション=富の再配分に伴う圧力を和らげようとしている。だが、こうしたやり方は2つの厄介な問題を引き起こす。まず、米国の過剰消費は貿易収支赤字の拡大を招いている。また、バブルが萎んだ場合、バブルがもたらした問題を取り繕うものなら、さらに大きなバブルが必要になる。この類のダイナミクスは、米国経済に大規模な景気変動サイクルを歩ませることになる。
第2次世界大戦以降、長期間にわたって米国の景気循環の矢面に立ったのはブルーカラー労働者であった。不況期にはレイオフ、好況期には再雇用の繰り返しを経て、米国の工場労働者は経済の痛みと苦難に慣れてきた。対照的に、ホワイトカラー労働者はほとんどこのような辛酸を舐めておらず、雇用安定がほぼ確保された状態にあった。現在、こうした夢想的な状況は崩れ始めている。高い教育を受け、高い賃金を受け取る中年のホワイトカラー労働者が、初めて失業に直面している。
米国の政治家が、雇用不安の底流にあるものに気付いていることは確かである。政党の枠を超えた議会の労働者寄りの空気は、極端であり異例である。また、大統領選挙の有力候補たちは雇用論争で「優位」に立つべく策を講じている。ブッシュ大統領はペンシルバニアで「雇用が海外に移動したために職を探す人々がいる。我々は行動を起こす必要がある。」と述べた。ケリー上院議員も同様の見解を表明している。無論、政治家が間違いを犯す可能性があることは本当の意味でのリスクである。すでに上下両院では、米国で販売されるすべての中国製品に高率関税を課す法案が提出された。インドに矛先を向ける議論もあり、海外に雇用を移転する米国の多国籍企業に対して罰則課税を導入することを主張する向きもある。
未曾有の雇用なき米景気回復において生じた著しい不安感を和らげるものは、理論でも現実でもないと考えられる。米国が記録的な経常赤字とドル安に直面し中国の資金に対する依存を著しく強めたのと同時に、保護主義が勢いを増し始めた。
富の配分は最終的に、生産性の配分を反映する。300年前の産業革命により、西洋は社会的、経済的そして技術的な変革を通じて生産性革命を体験した。貿易が生産性格差を反映するような世界的なシステムがなくとも、当時、西洋の「起業家」は植民地支配等などから、事実上、他の地域から富を手にすることが可能だった。
我々が現在目にしているのは、この幾世紀に亘って起きてきたことの逆である。中国とインドが西洋との間の生産性格差を縮めるに伴い、富の配分は必然的に生産性格差を反映することになる。こうしたプロセスは現在、多国籍企業の支援の下で行われている。300年前産業革命に生じたものとよく似た、生産性の逆流=富の逆流に対し、世界が穏やかに順応しようとしているのではなかろうか?