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日本の生命保険、損害保険会社がアジア進出を加速している。特に損保は現地の生保会社へ出資するなど生命保険事業にも乗り出す。ミレアホールディングスが05年度にアジアの正味収入保険料をほぼ倍増の500億円にする中期計画をまとめ、三井住友海上火災も04年度のアジア市場の当期利益30億円を目指している。相次ぐ進出の背景には、日本市場の伸び悩みを、成長著しいアジア市場で補う狙いがあり、海を越えた競争は熱を帯びる一方だ。【後藤逸郎】
損保各社の中でもミレアと三井住友海上は、アジア主要10カ国・地域への進出やM&A(企業の合併・買収)を急ピッチで進める。特にミレアはインド、タイ、マレーシアなど保険市場の成長率が毎年2ケタの国を重点地域として、この5年間に4カ国・地域で損保、2カ国で生保の現地法人設立や資本提携を行い、正味保険料収入増の土台を築いている。三井住友海上も今年、タイの現地生損保へ出資するなど、成長市場への投資を怠らない。
また、世界貿易機関(WTO)加盟で保険分野の開放が進む中国へも布石を打つ。ミレアと三井住友海上は上海市で損害保険の現地法人の設立を申請中。現地法人が認可されれば、支店を順次設け、現地企業や個人への保険販売を行う。将来的には自動車保険の販売を期待している。
一方、損害保険ジャパン、あいおい損害保険、日本興亜損害保険は現地進出した日本企業向けの営業を展開している。
相次ぐアジア進出の背景には、日本の生損保市場の低成長がある。生保主要10社の03年度上半期(4〜9月)業績は、最大手の日本生命など7社が新規契約で前年同期実績を割り込み、マイナス成長になっている。損保でも主力の自動車保険が伸び悩み、主要10社の03年4〜12月業績(単体)は、ミレアなど6社の正味収入保険料が前年同期実績を割り込んだ。
一方、アジア各国は経済成長と共に、生損保の市場も急成長している。ミレアによると、アジア主要10カ国・地域の98〜01年の保険市場は、損保が平均8%、生保が平均9%、合算で平均9%伸びた。同時期の日本がマイナス成長で、欧米が3〜7%成長だったのと比べ、アジアの成長性が際立つ。
アジア進出では、損保の生保分野への展開も目立つ。ミレアは昨年、中国の生保会社「生命人寿保険」に出資し、団体保険の販売を始めた。タイでも現地企業に出資している。三井住友海上も日本生命保険と共同でタイの大手生保へ出資した。
大きな理由は、アジア各国で経済成長に伴う年収の増加から、貯蓄性の保険商品が人気を集めているためだ。損保先進地である欧州で、市場の成熟化に伴う値引き競争が激化しており、日本の損保にとって、アジアの生保は成長性と利益が期待できる分野だ。
一方、生保のアジア進出は限定的だ。日本生命が中国とタイ、フィリピン、明治安田生命が中国と、それぞれの現地企業に出資している程度。損保業界ほどの積極性はない。
[毎日新聞2月21日] ( 2004-02-21-23:42 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20040222k0000m020082000c.html