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From : ビル・トッテン
Subject : 「新春の集い」(大阪・博多)でいただいたご質問とトッテンの回答
Number : OW616
Date : 2004年2月17日
「新春の集い」(大阪・博多)でいただいたご質問とトッテンの回答
Q:現在の円高に対する政府の介入により大量のドル資産=>アメリカ国債の購入という図式がアメリカ経済を支えているといってもよいと思う。現在のアメリカの景気も年末の大統領選以降大きく落ち込むと予測しているが、日本国内の国債残高と上記アメリカ国債の買い支えが、いずれ深刻な恐慌につながっていく可能性もあり、そのとき日本人としてどのような考えをもち、対応していけばよいとお考えでしょうか。今はデフレも悪いなりにバランスをぎりぎりとっていますが、急にお金の流れをよくすると国債の暴落(金利の急上昇=>ハイパーインフレ)の可能性が高いと思いますが。(今の日銀券はバブル以上にジャブジャブ発行されていくときいております。)
トッテン:政府・日銀が行なったドル買い介入で日本政府が保有するアメリカ国債が79兆円にもなった2003年12月、1ドルは107円でした。2月17日現在1ドル105円で、単純計算すると政府の保有するアメリカ国債はすでに1兆円目減りしています。日本政府はこれからも積極介入すると公言していますが、いくらドルを買っても長期的にはドル安は止まらず、日本政府の外国為替特別会計の為替評価損は日に日に増えていくでしょう。政府の財源は税金しかありませんから、いずれそれは社会保障の削減か増税か、またはその両方か、いずれにしても国民が負担することになります。
日本がドル安を止めるためにアメリカの国債を買い、貿易黒字でドル収入が増えてもドル安が進むと過去に蓄積された米ドル準備高が目減りし、毎年アメリカ国債を買い足しても大半が相殺され、したがってさらにアメリカ国債を買いつづけるというジレンマにあることを、私は1997年に上梓した「日本はアメリカの属国ではない」(ごま書房)で述べてきました。1971年8月のニクソンショックにより変動相場制が採用されてから円に対してドルは大きく下落し、同時に、アメリカ政府は毎年巨額の財政赤字と貿易赤字を出し続けています。特に現ブッシュ政権になってから富裕層への減税を行なう一方、軍事費を急増させ、アメリカの一般消費者はますます貧しくなり、また国内の産業はさらに空洞化させる政策をとりつづけ、アメリカの教育や科学、技術がこれからも弱体化するということを考えるとドルが強くなることは考えられず、したがって、これからもドルの価値は下がり続けるでしょう。
深刻な恐慌が来ることは避けられないと思います。ドルがこれからも下落することで日本の損失が増大すること、そして今のように巨額の資金が株式や国際通貨、デリバティブといったギャンブルに流入し続ければ、大暴落することがないと思うほうがおかしいのではないでしょうか。
1929年10月24日の株の大暴落による損害はニューヨーク取引所だけで100億ドル、当時全米に流通していた通貨総額の2倍にあたる額だったといいます。29日に再び暴落し、世界大恐慌につながりました。当時の日本の様子を知る人はもう少なくとも、それを記した本は多数あると思います。
大恐慌になれば個人がどのような考えを持ったとしても対応をすることは難しく、ですから恐慌が起きる前に、日本ができることをすべきだと思います。私は次のことを提案します。
1.アメリカ政府に貸すお金を調達するために短期国債を発行してお金を借りるのをすぐに止めること。
2.貿易黒字をアメリカ政府に貸す(アメリカ国債を買う)のをすぐに止めること。代わりに、その貿易黒字で日本の産業や国民のためになるもの、石油など重要かつ日本国内で調達できない資源を購入する。
3.そして平成時代になってから行なわれた税制改革(改悪)をすべて元に戻す。つまりその所得のほとんどを消費に回す勤労者にとって消費罰税ともいえる消費税をやめ、徐々に下げられてきた高額所得者への累進税率や相続税の税率を昭和の時代に戻すこと。
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Q:トッテンさん個人は何か投資されているものはありますか?
本日の講演テーマに関して、アシスト社内では普通の会社と何か違う仕組みを持たれていますか?
トッテン:最初のご質問ですが、私が唯一投資しているものはアシストです。家庭の貯蓄(私の所得)はすべて妻が管理しており、私の小遣いはすべて私の秘書が管理していますが、妻も秘書も、そのお金を普通に銀行(定期か普通預金)に預けている以外の投資をしているとは思いません。
次にアシスト社内で本日の講演テーマに関して、何か違う仕組みを持っているか、という点についてですが、私がこのテーマに興味を持ち始めたのは昨年秋からです。これを「新春の集い」のテーマとしてお話しすると決めて、書き物を始めたのは昨年暮れ、そして今もさらに情報を集めている段階ですが、調べれば調べるほど、現在日本政府がとっている政策が、貧富の差を拡大させるためのものであって、大部分の労働によって所得を得ている人々からさらなる搾取をし、富む者をさらに富ませるものだということを確信しています。
もちろんわたしの本業はアシストを経営することです。しかし私の家族や社員の住むこの国が明らかに悪い方向へ向かっていることを黙って見ているということはしたくありません。幸いなことに私がアメリカ人経営者であるということから、今回のような集まりにも多くの方がお越しくださり、話を聞いていただきました。このような小さな集まりから、私の問題提起を真剣に受け止めてくださって国のあり方を考え、来る選挙には現政権ではなく、それに代わる政権に一票を投じようという方が増えてくれるかもしれません。一人一人の力を侮ってはならないと思っていますし、そのために自分ができることを私はやりたいと思っています。
アシストは普通の会社です。平成には少なくなったかもしれませんが、昭和時代にはたくさんあった日本の会社だと思います。リストラをせず社員が家族のように協力しあってチームプレーを大切にして仕事ができるような、そんな雰囲気の会社にしたいと日々思っています。それについてはアシストの社員に聞いてみていただければ一番わかると思います。
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著作:株式会社 アシスト 代表取締役 ビル・トッテン
発行/翻訳/編集:株式会社 アシスト
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