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スペイン首位のサンタンデール・セントラル・イスパノ銀行(SCH)
http://www.gruposantander.com/
スペイン第二位のビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)
http://ws1.grupobbva.com/TLBS/tlbs/jsp/esp/home/index.jsp
【パリ=奥村茂三郎】スペインマネーが中南米経済と好循環を始めた。主要行は二〇〇三年にブラジルやメキシコへの融資を現地通貨建てで一〇%程度拡大。中南米での高収益を背景に三大銀の純利益合計は前年比二〇・七%増えた。欧州の相対的に低い金利で調達した主要行の資金が中南米の成長の源泉となっている。
スペイン首位のサンタンデール・セントラル・イスパノ銀行(SCH)は昨年、英ザ・バンカー誌などで「中南米のベストバンク」に選ばれた。中南米十カ国で四千店舗を展開。千二百万人の個人顧客を持ち、市場占有率は約一割。現地通貨でみると、昨年のブラジルでの融資は前年比九・五%増、メキシコでは一六%増と中南米への傾斜が明確だ。
小口金融(リテール)部門の中南米への融資総額は七百六十六億ユーロ(約十兆三千五百億円)で欧州向けの四割強に当たる。
スペイン第二位のビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)の中南米向け融資も一〇・七%伸びた。メキシコ最大手銀バンコメールの買収も発表。買収規模は三十三億ユーロで「メキシコ経済と金融システムの将来性を考えて先手を打った」と説明する。
三位のバンコ・ポプラルは国内と隣国ポルトガルを重視、純利益は一二・八%増えた。ブラジルはポルトガル語圏だが、規模に勝るスペインの銀行はポルトガルとブラジルでもポルトガルの銀行を圧倒している。
スペイン経済は昨年、実質二%台の成長を達成。経済協力開発機構(OECD)の予測によると今年と来年の成長率は三%前後に加速する。ユーロ圏経済の優等生といえる。
スペイン銀の好決算の一因は欧州中央銀行の金融政策だ。同じ二%の政策金利でもユーロ圏では各国のインフレ率の違いによって重みが異なる。スペインのインフレ率は三%前後で実質的に短期金利はマイナスで、資金調達には有利な状況にある。バブルを指摘されながらも空前の不動産ブームが続き本国での融資も好調だ。
中南米は欧州よりも金利が高い。インフレ率も高いため通貨が弱く為替リスクは大きいものの、スペイン銀は欧州の低金利で調達した余剰資金を中南米へ投融資し高利で運用できる。
SCHのボティン会長は「中南米は遺伝子の一部。中南米抜きのSCHは考えられない」という。「中南米の政情と与信の大きさはスペイン銀のリスク」(UBSの銀行アナリスト)との指摘もあるが、同会長は「中南米の最悪期は去り、最良期がこれから来る」と期待している。
ブラジル、メキシコなど中南米主要国の経済は二〇〇三年に一%前後の低成長にとどまった。ただ昨年は米国の超低金利政策などを背景に株式市場へ資金が流入。ブラジルの株価指数ボベスパ、アルゼンチンのメルバルとも昨年は二倍を超す上昇となった。ブラジル新政権が国際通貨基金(IMF)と協調して緊縮財政政策を進め、地域全体の信用も回復した。
今年はメキシコ、ブラジル、アルゼンチンともに三%強の経済成長を見込んでいる。けん引役は外国企業による直接投資。なかでも歴史的に密接な関係にあるスペイン勢は一九九〇年代以降、通信のテレフォニカや石油のレプソルが民営化に絡む大型案件を相次いで発表、中南米への投資ブームをあおってきた。
ブラジルも直接投資の受け入れ額が史上最高の三百六億ドルを記録した二〇〇〇年はスペインが最大の投資国となった。
デフォルト(債務不履行)に陥ったまま、民間への債務の再編交渉が進まず、投資誘致の障害となりつつあるアルゼンチンはスペイン勢が頼みの綱。キルチネル大統領は先月末にスペインを訪問し、企業家らに新規投資を働きかけた。