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ドイツ銀行ホームページ
http://www.db.com/
【チューリヒ=磯山友幸】独銀行最大手のドイツ銀行は前期に一三%だった税引き前利益段階のROE(株主資本利益率)を二年後をメドに二五%に引き上げる方針だ。合理化や資本圧縮など縮小均衡ではなく、二十億ユーロの利益増をテコにROE向上を狙う。
このほど発表した二〇〇三年十二月期の年間決算は純利益が十三億六千五百万ユーロ(約千八百億円)と前の年に比べて三・四倍に拡大した。税引き前利益も三十六億ユーロとなり、同利益ベースのROEは一三%と前の年の四%から大幅改善した。
前期の利益改善は合理化と不良債権処理の一巡が要因。営業費用を二年間で六十億ユーロ圧縮し、前期は百七十三億ユーロまで減らした。貸倒引当費用も前期は十一億ユーロと二〇〇二年に比べて半減。二〇〇一年に百二十七億ユーロあった問題債権は六十六億ユーロに減少った。
合理化で利益改善を進めてきたここ二年間の方針を転換し、積極的な収益拡大策に打って出る。投資銀行部門ではシティ・グループやJPモルガン・チェースなどと対抗できる態勢づくりを急ぐ。富裕層を対象とした資産運用業務などではUBSやメリルリンチをライバルとして位置づけ、事業拡大を急ぐ。
前期に三十六億ユーロだった税引き前利益を二年後に六十五億ユーロに引き上げる考え。八億ユーロの経費削減を検討しているほか、貸倒引当費用も四億ユーロ減るとみている。二十億ユーロ近い利益を事業拡大で稼ぎ出す方針だ。
ヘッジファンド事業やデリバティブ、クレジット・トレーディングなどの新分野での収益が大幅に伸びており、こうした分野をさらに拡大する。また、米国での企業の合併・買収(M&A)事業など投資銀行分野での収益拡大を急ぐ。
ヨゼフ・アッカーマン頭取は会見で、構造改革の進展やコスト削減効果などを挙げ、「ドイツ銀行に対する市場の信頼性が急速に高まった」と述べた。また、わずか二年間での「再生」を強調、再び攻めの段階に入ったとの認識を示した。
市場ではシティ・グループなど大手金融機関との合併説も流れている。アッカーマン頭取は否定しているものの、アナリストの間では投資銀行や資産運用分野など中核事業の強化へM&Aを積極化するとの見方が多い。ROEを一気に二五%に引き上げるには再編による事業拡大が不可欠との指摘があがっている。