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養老孟司さんの「いちばん大事なこと」という本の中に、花見酒という落語の話が出ています。八と熊が樽酒をかついで花見に行く途中、のどが渇いた八が十文を熊に渡して酒を一杯飲みます。今度は熊が十文を八に渡して一杯飲みます。このように交互に十文を渡して酒を飲み、二人はすっかりいい気分になるわけですが、酒が確実に減っていくのにたいし、お金はただ動いているだけです。これを養老さんは虚の経済と名づけています。ただそのお金が実(例えば金)によって裏付けされていれば問題ないのですが、世界中にあふれるドルは詐欺なのかも知れないと養老さんは言います。何の裏付けもないのですから。かつて竹内好が「ニセ札論」のなかで、「たとえホンモノであっても、必要流通以上に放出される通貨はすべてニセではないか」と喝破しました。お金は今や現代人の神として君臨しています。たとえば老人たちは寄るといかに年金を多くもらうかという話でもちきりです。しかしそのお金がどこか不安でしょうがないというのも事実です。アセットマネジメントの本間氏によると、デリバテイブの金融派生商品は1京7000兆円という天文学的数字に達するそうです。また日本政府、日銀は70兆円ものドルという紙切れを購入しています。(せめてその一割でも金を購入して、メイプルリーフのような金貨を発行すれば、国富は増え、内需拡大にもなると思うんですが)またこの欄を読まれる諸兄は、財政破綻とその結果起こる事態に危惧の念をいだいていると推察します。いざその時になれば、それでも人は生きていくものでしょうが。むしろ昔のようにお金をあまり必要としない生き方を心がけるべきかもしれません。