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【記者: John M. Berry 】 2月3日(ブルームバーグ):1月28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明からは低金利維持の期間を示す「相当の期間」の1節が消えた。新たな疑問は、この1節に代わって付け加えられた「緩和策の解除まで辛抱強くなれる」が何を意味するかだ。
確かなのは、当局が今すぐ利上げをする気はないことだ。さらに、利上げはどちらかと言えば遅めというのが可能性の高いシナリオと思われる。米労働市場には確かに余剰感がある。米国にも世界にも、予備の生産能力は十分にある。加えて、インフレの脅威は全くない。
28日の声明以後の金利先物市場の動向は、投資家が初回の引き締めを6月、早ければ5月とみていることを示している。しかし、この予想は早過ぎるように思われる。FOMCは明白なインフレ圧力を認識しない限り、動かないだろう。
何と言っても、FOMCの一部メンバーは、米国本土へのテロ攻撃などの不測の事態に際し、悪影響の大きいデフレに陥ることを回避する緩衝帯として、インフレ率が1%超に戻ることを望んでいる。
実際には、当局が最も注視しているインフレ指標のコアPCE価格指数は低下している。2日の米商務省の発表によると、12月の同指数は前年同期比 0.7%上昇と、同指数算出開始以来44年間で最も低い前年比の伸びにとどまった。
たるみ
29日に公表された2003年12月9日のFOMCの議事録は、連邦準備制度の当局者やFOMCメンバーの多くが、景気回復の力強さに驚いていたことを示している。恐らく、生産余力や人的資源の余剰感など「たるみ」が、予想以上に素早く解消されると考えるに至っていたのではないか。議事録には、FOMCメンバーが、場合によっては「ある時点で、緩和的姿勢からより中立的な姿勢への転換が必要となる公算大」と感じていたことが示されている。
つまり、不安があれば引き締めを開始するということだ。しかし現実には、不安はあまりない。セントルイスの経済予測会社、マクロエコノミック・アドバイザーズによると、2003年第4四半期(10−12月)の労働生産性は年率2.4%のペースで上昇した。一方、賃金の伸びは年率1.9%にとどまったため、単位労働コスト(単位当たりの生産に要する労働コスト)は3四半期連続で低下したことになる。事業費の3分の2に相当する労働コストが低下しているときに、インフレ圧力が高まることは考えにくい。
いつものことだが、連邦準備制度の当局者が何を考えているか、どんな政策を取ろうとしているのかを推測するのは難しい。金融政策の影響が景気に表れるのは半年から1年以上先となることが、問題を複雑にする。さらに、12月の議事録には「より中立的な政策姿勢」との文言があることも忘れてはならない。
中立の定義
当局者でさえも、「中立的な」フェデラルファンド(FF)金利が何%なのか知っているわけではない。ただ、景気を刺激することもなく成長を抑制することもない水準というだけだ。だが現行の1%より高いことは確かで、中立に戻るまでには長期にわたって何回もの利上げが必要となるだろう。
このプロセスはいつ始まるのだろう。もちろんこれは、現在の予想が当たって4−5%の成長が実現し、これが雇用者数と失業率、コアPCE価格指数にどう影響するかにかかっている。
多分、アラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が来週の議会証言で、何らかのヒントを与えてくれるのではないだろうか。(ジョン・ベリー)
(ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Fed Is Likely to Raise Rate Later, Not Sooner: John M. Berry(抜粋)
Last Updated: February 3, 2004 02:46 EST
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=aozF7lyL7Cck&refer=top_kaigai