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［東京 ３０日 ロイター］ 福井日銀総裁は、物価情勢は少しずつ良い方向に向かっている、との認識を示した上で、「デフレ脱却の展望は、なお容易にはつかみにくい」と語った。
衆院財務金融委員会で津村啓介委員（民主）の質問に答えた。
同総裁は、日銀の政策姿勢について、昨夏以降よい方向に向かうなど経済情勢は変化しているが、「消費者物価指数（ＣＰＩ）の前年比変化率が安定的にゼロ％以上になるまで現在の量的緩和の枠組みを維持する。情勢の推移に応じて必要な補強措置を講じる。これが一貫した政策姿勢だ」と語った。
また、物価情勢については、「下落傾向が、少しずつよい方向に改善しつつある。ＣＰＩの動きをみると、基調的にはなおしばらく下落基調をたどる。つまり、デフレ脱却の展望はなお容易につかみにくい」と語った。
同総裁は、こうした状況の下では、「我々の持てるフレームワークの下で、景気の回復をより確かなものにするための必要な措置は、タイムリーにやっていかなければならない」としたほか、「長期金利や為替の動きが不規則な動きをする。そうしたことが企業経営者の心理状況をどういうふうに巻き込むかについても注意深くみながら、政策対応をしたい」と述べた。
同総裁は、消費者物価指数はゼロコンマ以下のマイナス物価に過ぎず、景気が少し上向いてきたので、もう少し気楽に見てよいのではないかという雰囲気が経済界に出ているかもしれないと指摘。そのうえで、「我々の認識は、残りゼロコンマいくつのデフレを克服していく道、最後の１マイルはなお非常に厳しい道だ」と語った。
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