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国民年金保険料の未収金を処理するため、政府の国民年金特別会計が計上する償却引当金が、04年度末に過去最大の2兆3200億円に膨らむ見通しが27日までに、政府の国会提出資料で明らかになった。未収保険料の急増に対応するためで、引当金は03年度末より約5000億円増える見込み。本来なら、保険金支払いに充てるはずの巨額のお金が、徴収漏れの引き当てに使われることは、きちんと納付している加入者の不公平感につながり、国民皆年金制度が崩壊に直面していることを改めて浮き彫りにしている。
引当金は主に、保険料未収金のうち、納付の時効(2年)を過ぎても徴収できない見通しになった分の穴埋の原資として計上される。社会保険庁によると、保険料未収金の約7割を引き当てることにしている。
保険料の未納率は、雇用情勢悪化や若年層を中心とした年金不信によって年金離れが進むなかで急上昇している。02年度の未納率は前年度より8.1ポイント高い37.2%で、02年度末の未収金は初めて2兆円を上回り、2兆1200億円になった。04年度末にはさらに増え、3兆3200億円になる見通し。この結果、引当金も急増し、年間の保険料2兆9400億円に近づく高い水準になってきた。
社会保険庁は3月以降、預貯金差し押さえなど、滞納分の強制徴収に踏み切る方針を明らかにしている。督促すれば時効が中断するが、社会保険事務所の事務能力から督促対象は全国で約500人にとどまり、未収金の水準を押し下げられるかは不透明だ。
引当金に計上されるお金は、本来なら、積立金として将来の給付に備えるべきお金。引当金として処理される分、積立額は圧縮され、将来世代にも負担はしわ寄せされる。
引当金が2兆円を超えることについて社会保険庁は「被保険者数や未納率の増加を反映した。保険料免除対象の把握をより適切にしていくことや、強制徴収の拡大などで未収保険料を減らしていけば、引当金も自動的に減ることになる」と話している。【塚田健太】
◇ことば 国民年金特別会計
国民年金保険料や国庫負担金の受け入れと年金給付を行うため、1961年4月に設置された。86年に国民年金は、全国民共通の「基礎年金」に改められたが、保険料は同特別会計の国民年金勘定で受け入れ、基礎年金勘定に拠出する形をとっている。国民年金勘定の04年度の保険料収入は2兆2300億円。
[毎日新聞1月28日] ( 2004-01-28-03:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20040128k0000m010109001c.html