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デフレ期には、借金返済を実施するべきではない --- 借金返済の形は、増税と物価上昇とがある
2004年1月26日 月曜日
◆デフレ期には、借金返済を実施するべきではない。(返済開始の時期を早めるべきではなく、返済完了の時期を早めるべきだ。)
◆デフレ期には、消費の拡大が必要であり、そのためには、増税よりも減税が必要だ。
◆借金返済の原資は、金ではなく、労働であるべきだ。そのためには、生産量の拡大が、最優先だ。
◆やがて景気が回復するにつれて、借金返済をすることになる。
◆借金返済の形は、増税と物価上昇とがある。原理的には、どちらも等価である。(借金返済の意味で。)
◆景気回復の途上では、生産量の拡大が優先するので、借金返済の形は、増税よりも、物価上昇にするべきだ。(「アメとムチ」効果の有無による。)
◆借金返済の効果は、「帳簿をきれいにすること」だけでなく、「投資拡大・消費縮小」である。借金返済の方法が、増税であれ、物価上昇であれ、そうなのだ。……ここに本質がある。ここを見失ってはならない。(なのに政府はここを見失っている。)
◆だから、借金返済をするべき時期とは、投資の拡大をするべき時期である。そうでない時期には、借金返済をしてはならない。
◆いつ借金返済をするべきか? 景気回復の途上では、借金返済の開始の時期を決めるのは、物価上昇率や経済成長率ではなくて、市場金利の上昇だ。
◆市場金利の上昇したときに、買いオペを実施すれば、物価上昇と国債償還を通じて、借金の返済がなされる。同時に、投資の拡大がなされる。
◆いつかは増税が必要となる時期が来るが、それは、景気が回復しつつある時期ではなくて、景気が過熱した時期である。そのときまでは、増税ではなく、物価上昇の方を選ぶべきなのだ。(国民負担をかける方法の違い。)
◆景気が過熱したあとでは、増税をするべきだ。ただし、増税には2種類ある。一方は、「単なる物価下落」だけをもたらし、他方は、「借金返済と投資拡大」をもたらす。どちらが好ましいかは、状況しだいである。
◆過剰な量的緩和の弊害
◆(1) デフレ期
まず、デフレのときには、タンク法による「減税」を実施するべきだ。すると、生産量を拡大して、労働の量を拡大することになる。これが、過去の財政赤字についての借金返済の原資となる。ただし、その量が不十分であるうちは、借金返済の余裕がない。(わかりやすく言えば、ゼロ金利のうちは、「増税」も「買いオペ」も実施するべきではない。まだ「借金返済」をするべきではない。ゼロ金利の状態では、「買いオペ」は無効だが、そもそも、投資意欲がない。その理由は、設備の拡大が不要であるからだ。ゼロ金利の状況では、無理に「投資」を拡大しようとする必要はなくて、いまだ「消費」を拡大する路線を取っていればよい。)
◆(2) 回復期
その後、景気が回復して、消費が十分に拡大したら、消費拡大だけでは、生産量の拡大はなされなくなる。遊休設備を稼働させるだけでは不足であり、新規の設備が必要となる。この段階で、「消費だけを拡大する」という路線から、「消費と投資の双方を拡大する」という路線に転じる。すなわち、「投資拡大」のために、「買いオペ」による「金利低下」を実施する。(こういうことが可能になるのは、ゼロ金利を脱したあとである。)
ゼロ金利を脱した時点で「買いオペ」を実施すると、「買いオペ」にともなって「借金の返済」もなされる。これはどういうことかというと、ゼロ金利を脱した時点では、借金返済の余裕が生じるということだ。この時点では、「消費拡大」が十分になされている。だから、「借金の返済」および「返済された金を投資に向ける」ということをなすわけだ。「借金の返済」と「投資の拡大」は、一つのことの裏表であるのだ。(というわけで、投資の拡大が不要である時期には、「借金の返済」は不要なのである。)なお、このとき、消費のための金が奪われるが、その形は、「増税」ではなくて「物価上昇」である。
生産量を急速に拡大するためには、物価上昇率が高めである方がいい。だから、景気回復の途中では、国民に何らかの負担能力が生じたなら、「物価上昇」をもたらす低金利政策が好ましく、増税は好ましくない。この間、増税をしていなくとも、物価上昇と買いオペによって、国債はどんどん償還されていくから、借金の返済はなされていく。
◆(3) 景気回復後
生産量が十分に拡大したあとは、どうか? こうなると、いくら投資を拡大しても、生産量の増加が見込めなくなる。その理由は、労働力が不足するからだ。この時点で、路線を切り替える。すなわち、「物価上昇による生産量の拡大」という路線から、「物価上昇を抑制して、安定成長をする」という路線へ。そのためには、買いオペによる低金利政策をやめて、増税を実施する。
増税によって、消費は縮小する。増税で得た金を、どうするか? その金で民間の国債を買う(国債償還をする)ならば、借金返済がなされるが、その金は、国債所有者から金融市場に向かうので、物価上昇は抑制されない。単に、借金返済がなされて、投資拡大が起こるだけだ。一方、その金を、日銀の国債を買う(タンク法の増税をする)ならば、借金返済はなされないが、貨幣量が減るので、物価上昇は抑制される。「借金返済」と「物価上昇の抑制」のどちらが優先するかは、状況による。
状況が供給能力不足であれば、「借金の返済」をすればいいだろう。そのことで、低金利を通じて、「投資の拡大」がなされるので、「供給能力不足」という問題が解決されて、需給逼迫による物価上昇が抑制される。逆に、状況が供給能力不足でなければ、「物価上昇の抑制」をすればいいだろう。そのことで、「貨幣量の過剰」という問題が解決されて、物価上昇が抑制される。
逆に言えば、同じく「物価上昇」が起こるとしても、「需給逼迫による物価上昇」と、「貨幣量の増加による物価上昇」とでは、対処の仕方が異なるのだ。
◆結語。
「借金の返済」をするときには、まず、「借金の返済」の必要性の有無を考慮するべきだ。
次に、「借金の返済」の方法としては、「物価上昇」か「増税」か、そのどちらを取るべきかを、よく考慮するべきなのだ。どちらが好ましいかは、景気回復期か景気過熱期かで異なる。
さらに景気過熱時には、増税をするとしても、「国債償還」の対象者を、民間にするか日銀にするかを、考慮するべきだ。(前者ならば借金返済、後者ならばタンク法[借金返済なし]。)どちらが好ましいかは、「需給逼迫による物価上昇」か、「貨幣量の増加による物価上昇」かで、異なる。
◆[ 付記1 ]
最後の結論を見ればわかるとおり、本項では、場合分けの処方を示している。これは、従来の経済学の処方とは異なる。従来の経済学では、次のようになる。
第1に、「借金返済」は常に必要である。状況に応じて是非を論じることなく、ちょっとでも景気が回復すれば、直ちに「借金返済をするべし」となる。
第2に、「借金返済」の方法として、「物価上昇」と「増税」を等価とは見なさない。両者から好ましい方を選択するのではなく、常に「増税」だけを取る。
第3に、「増税」をしたら常に「借金返済」をするべしとされる。つまり、得た金を渡す先(国債の償還先)は、民間と日銀から選択されることはなく、常に民間だけに限られる。(なお、景気過熱時には「売りオペ」という金融政策を別個に実施すればよい、とされる。「国債償還」と「売りオペ」との連携によるタンク法の効果を無視する。)
要するに、本項で示したような場合分けの処方に比べると、従来の経済学の処方は、ごくごく単純なものでしかない。「あらゆる病気に解熱剤を処方すればよい」というような単純な処方である。
( ※ だから、従来の経済学の処方は、しばしば失敗する。物価上昇が起こると、やみくもに「金利引き上げ」によって、貨幣量を縮小しようとする。IMFはしばしば、こういう失敗をする。この件は、1月29日ごろに再論する。)
小泉の波立ち ニュースと感想 1月26日 南堂久史
(私のコメント)
政府・日銀の金融政策は非常に難しく、財務省の官僚も日本銀行の総裁も適切な政策の運用に失敗している。私から見てアメリカのグリーンスパンFRB議長は理解しているように思える。日本の政府・日銀の高級官僚たちは日本経済の現状がどのような状態であるかも正確に把握していなかった。そもそもバブルの時も一般諸物価にばかり注目をして資産バブルを見逃してしまった。
またバブルの崩壊後も、株や土地が五分の一、十分の一に暴落する事態に到っても、これまた一般諸物価ばかり見つめて、デフレ経済を認めるのに遅れてしまった。グリーンスパンは経済や株式の事がわかっているから、バブルも早めに警告したし、またバブルの崩壊を全力で食い止めようとしている。成功するかどうかは分からないが日本よりかはソフトランディングするだろう。
最近になってようやく政府もデフレ経済であることを認め始めましたが、竹中金融大臣や速水前日銀総裁は逆噴射的金融政策で病気を拗らせてしまった。現在はデフレ期なのだから大減税を行って消費を刺激すべき時期である。だからこそアメリカのブッシュは大減税を行って景気を何とか回復させている。ところが日本の財務省はあらゆるところで増税を行おうとしている。
速水前日銀総裁がバカなら財務省官僚はそれに劣らぬバカぞろいだ。デフレ期は政府が財政で需要を維持しながら大減税で消費が回復するまで見守る時期なのだ。もちろん銀行の経営体質の強化も大切だが景気を回復させないことには、構造改革のしようがないのだ。むしろ政府の無駄遣いをなくして有効な分野への公共投資を推進すべきだ。ところが小泉内閣の構造改革は道路公団を見ても骨抜きになってしまった。むしろ高速道路料金を廃止して道路公団をなくすのが本筋なのだ。
小泉首相の構造改革というのは官僚たちの陰謀であり、ますます民営化された独占的特殊法人が増えて行き、官僚たちはその特権の上に乗って天下ってゆくのだ。だから小泉内閣になってから天下りポストは増え続けている。民営化とは天下りポストを好きなだけ増やせる制度なのだ。高速道路もますます値上げされ道路公団は肥大化して行く。
もし景気回復の兆しが見えて、金利や物価が上がり始めたら、政府・日銀は買いオペを行って市中にだぶついた国債を買い取って資金供給をして上がり始めた金利を低く保ちながら、物価に上昇による累進課税による税金の増収で借金を返し始めれば良いのだ。この時点では増税はしてはならない。橋元内閣は消費税の引き上げを行って失敗している。
デフレ期には政府のみならず企業や個人も、借金返済よりも物価が安いのだから預金を取り崩して消費に回すのが懸命なやり方であり、サラリーマンは無理をしてまで消費を切り詰めて住宅ローンの返済に回すべきではない。もし返済の支障がなければ自己資金で新たなる投資を始める時期でもある。デフレ期は有利な投資物件がごろごろしている。株や土地で儲けるのならこの時期に買うしか無いだろう。私も投資したいのだが金がない。
財務省のバカ官僚が消費税の増税をしようとしている。それに対する国民の反対運動が起きていないのはなぜだろう。橋本内閣の失敗に懲りずに同じ間違いを何度でも繰り返すようだ。バカは死ななきゃ治らないのだろうか。経済コラムマガジンでは次のように書いている。
◆消費税の免税点の引下げ
先週号で消費税の免税点の引下げを取上げた。しかし消費税の改定については、「内税表示」に関しては割りと知られているが、免税点の引下げについてはほとんどの人々は知らないようである。たしかに大きな組織に属している人にとって、これは自分達に関係がなく興味がない話である。したがってマスコミもほとんど取上げていない。
しかし免税点の、3,000万円から1,000万円への引下げは、驚くほど多数の人々に影響する。平均して一日3万円以上の売上の事業者が納税義務者になる。かなりの割合の個人事業者が対象になる。そして消費税は、商売が赤字でも納税することになる。これに対して反対運動が起っても不思議でもないのに、無気味なほどに声が上がらない。一つの理由は、この規模の事業者は、政治的な団体との結びつきが弱いことである。
経済コラムマガジン 消費税免税点の引き下げ
確かに売り上げが3000万以下のはずなのに消費税を取っている小規模業者や個人事業者がいる。このような業者には税務署がしっかりと査察すれば良いのだし、免税点を1000万円に引き下げれば私のところも消費税を納税しなければならなくなるが、テナントに新たに消費税を負担してもらうには現状ではとても出来ない。実際には家主が負担して払う結果にもなるかもしれない。もし免税点の引き下げがあればかなりのダメージがあるだろう。政治家達はなぜ動かないのか。