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政府は24日、韓国の半導体メーカーのハイニックス半導体(本社・利川)が、国の補助金を受けて不当に安い価格で日本に輸出しているとして、同社製のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)に対し、初の相殺関税を課す方向で検討に入った。
国内半導体メーカーなどが近く提出する課税申請を受けて、政府は具体的な調査を開始し、早ければ夏にも発動する見通し。アジア企業の急成長でハイテク製品の輸入が増大しているため、不公正な輸出による国内企業の損害を食い止める。
相殺関税は、外国政府の輸出補助金などで低価格を実現した輸入品によって国内企業が被害を受けた場合に、補助金分を相殺する目的でかける関税だ。
NECと日立製作所が折半出資して設立したエルピーダメモリなどの国内の半導体メーカーは、韓国の政府系金融機関によるハイニックスへの融資が不当な補助金にあたり、安値輸出で被害を受けたとして、早ければ月内にも相殺関税の課税申請をする。
これを受けて、政府は、ハイニックスに融資内容などに関する質問状を送付し、回答内容を検証して不当な補助金に当たるかどうかを調査する。上乗せする関税率は20―40%となる見込みだ。
調査期間は1年程度かかる見通しだが、政府は、正式決定前でも「仮決定」による暫定措置を発動しやすくするため、年度内に政令を改正する方針で、今夏にもハイニックス製DRAMに暫定措置を初発動する可能性が高い。
ハイニックス製DRAMをめぐっては、米国と欧州連合(EU)が業界団体の申請を受け、昨夏に30―45%程度の相殺関税を暫定発動している。
相殺関税の発動は95年から2003年6月末の間で、米国が41件、EUは19件に上るのに対し、日本の発動はゼロとなっている。
◆ハイニックス社、DRAM世界3位◆
ハイニックスは、世界のDRAM市場の売上高で、サムスン電子(韓国)、マイクロンテクノロジー(米国)に次いで3位(2002年)。世界市場のシェア(占有率)は約13%。1997年のアジア通貨危機の際に経営危機に陥り、韓国政府などの支援を受けている。
◆相殺関税…WTO協定で認められた措置◆
輸出国の補助金や奨励金を受けた製品が不当な安値で輸入された場合に、国内産業保護のために補助金額の範囲内で課すことができる割り増し関税。世界貿易機関(WTO)の協定で報復措置の1つとして認められている。
措置の発動には、業界が損害について十分な証拠を集めたうえで、課税申請を行う必要がある。政府は申請を受けて2か月以内に調査を始め、原則1年以内に最終決定を行い、課税するかしないかを決める。
これまで、日本では相殺関税の課税申請は2件あったが、課税措置をとったことはない。欧米諸国に比べ、輸入制限的な相殺関税や反ダンピング措置に消極的だった。
(2004/1/25/03:00 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20040125it01.htm