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「小欲知足」に“異論反論”
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投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 02 日 20:37:16:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: Re: 小欲知足 投稿者 うぃる 日時 2004 年 4 月 02 日 17:43:09)


うぃるさん、どうもです。

「小欲知足」は、現実的には好きな言葉ですし、そうならざるを得ない(そうしないと苦悩が大きくなる)現実にますます向かっていると思っています。

「小欲知足」は、禁欲ではないとしても、欲の大小を考慮したものです。
欲はもっとあるんだけど、このへんで欲の充足の追求は控えておくかとか、欲はほどほどがいいと納得することです。


近代の欲は、お金で充足できる可能性がけっこう高いと思っています。
「お金で幸せは買えない」という表現こそが、幸せ(欲の充足)はお金で買えるかもしれないという“直観”を反語的に現していると思っています。

幸せは欲の充足ではないとなると、一気に滅私報国的な抽象的な価値(理念)への帰依につながっていきます。これこそが、この間書いてきた“危険”の象徴とも言えるものですから、幸せは欲の充足であるにしたいと思っています。

お金で欲が充足できるという現実は、欲の充足にある他者の道具化・手段化を感じさせなくなるものです。
お金で欲が充足できると思うのは歴史的現実がもたらす錯誤です。
何度も書いてきたので簡略に言いますが、お金は他者との活動力の交換です。貨幣経済が普遍化した「近代」は、そのようなリアルティを見えにくくしたり考えさせないようにしています。
(このようなことはうぃるさんは熟知されていると思っていますが読者のために書いております)

そして、お金は活動力と違って保存できるものですから、お金さえ持っていれば、活動力を提供しないでも欲を充足できる現実にもなります。
相互ではなく、一方的に他者の活動力(活動成果)を自分のものとして欲を充足できるひとがごくわずかですが生まれます。

さらに、そのようなかたちで欲を充足できる人たちの“ライフスタイル”とやらがファッション(流行)となり、そういうかたちでは欲を充足できない人たちの欲を大きくします。
しかし、自分の活動力を他人に売って得るお金で欲を充足させなければならないひとは、膨らんだ欲を充足することがまずできない存在です。

充足できない欲を抱えることで、苦悩と喘ぎが生じます。
これは、「小欲知足」で解消できると思っています。物欲を肥大化させるバカバカしさを理屈ではなく実感することで消滅します。

しかし、自己のわずかばかりの欲を充足させるために、他者の欲を充足させるための活動に“身売り”することからは脱却しにくいのが現実です。

「自己愛」の観点から見てみます。「自己愛」も欲の充足です。
欲の充足はお金(今風の)ではできない状況を考えてみます。そのときに欲を充足させる方法は、自己と他者の活動力ということになります。

活動力を発揮し続けることに「自己愛」を感じるひともいるでしょうが、ほとんどのひとは、あるレベルを超えた活動力の発揮に苦痛や飽きを感じます。(セックスも度を超えると苦痛になります(笑))

そうです。欲を充足させるためには、苦痛が伴う可能性がある活動が伴っているのです。
「小欲知足」ということをことさら観念しなくとも、欲の充足が、お金ではなく、自分を含む人々の活動によって達成される現実になれば、欲は自ずとバランスがとれたレベルになります。
その欲を充足させるために自分がどれほどの苦痛を味わわなければならないかがわかれば、欲自体が縮小したり消滅することになります。

貨幣蓄蔵や資産創造を含む活動力を提供なしでの貨幣取得が不能になれば、「自己愛」のまっとうにより近づくようになると確信しています。


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