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2004.2.23
世界に広がる政治権力のマスコミ支配――テレビが政治権力の手先になると独裁権力が成立する
【ロシアにおけるプーチン独裁体制の成立】
「人の振り見て和が振り直せ」(日本の諺)
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2月23日付け東京新聞7面(国際面)を読まれた方は多いと思う。読まれていない方には是非読んでいただきたい。とくにテレビ関係者に読んでいただきたい。
見出しは「骨抜きテレビ〃賛美〃一色」「プーチン帝国の作り方(上)・大統領選の裏側で」「全土に威光」「政府系企業が買収・支配」。
囲み記事の部分を全文紹介する。
「ロシアのテレビ局 地方局も含めた約240局中、ロシア国営テレビ、第1チャンネルの国営2局と民放NTVが3大ネットと呼ばれる。かつての反政府系NTVは2001年に政府系企業が経営権を掌握。反政府系のTV6も02年、債務超過を理由に解散、政府系財閥グループが放送権を獲得した。その後TVSの局名でスタッフが辛口報道を続けたが、昨年6月に経営難を放送停止となり、国営テレビ系スポーツ局に変わった」。
次に記事の一部を引用する――「ロシアのテレビニュースには、毎日のようにプーチン大統領が登場する。政権の意のままに伝えられる翼賛報道」(中島健二記者)。
わが国はどうか?
日本の小泉政権とテレビ局の関係がロシアの状況に近づきつつある。自民党によるテレビ朝日への執拗ないじめを受けて、テレビ朝日は番組の不手際を認めて責任者を処分した。テレビ朝日がこの事件によって自由な報道精神を放棄しないことを望みたい。それ以上に精神において政府自民党に屈服していないと信じたい。
最近、報道関係者の話としてよく耳にすることだが、小泉内閣になってから、政府与党側の放送に関するチェックがきびしくなったとのことである。「政治報道は徹底的に監視されていて、小泉批判報道はやりにくくなった」と語るディレクターもいる。「森田さんにも出演を頼みにくくなりました」と語るテレビ局内の友人もいる。
私自身、この数年間、政府与党のマスコミ監視がきびしくなったことを日常的に感じていた。やんわりとだが、「小泉批判派あまりきびしくやらないよう注意してくれませんか。穏やかにお願いします。あとがうるさいものですから……」「森田さんはあちら(自民党執行部のこと?)のブラックリストに載っているようですから、注意してください」などと、「友情ある説得」を受けたことがある。プロデューサー的立場の幹部から「うちの社の方針は小泉さん批判はしないことです」と告げられて、一度は出演を断らざるを得なくなったこともあった。
再び、東京新聞の記事を引用する――「三月十四日投票のロシア大統領選は、プーチン大統領の独走状態だ。それを生み出す大統領の強力な支配力。それを許した民主勢力の退潮」。
わが日本国と比べてみると、共通点がある。テレビ、ラジオの内側から見ると、明らかに日本のロシア化が進んでいる。小泉政権のプーチン化が進行中である。それも急激に進んでいる。時々、“小泉ファシズム”という言葉さえ耳にするようになった。
民主主義の先進国であるはずの米国、英国でも政府のマスコミ支配が強まっている。戦争が始まると政府は報道の自由を制限する。政治権力というものは戦時体制を利用して政府批判者を抑圧し、独裁体制を固めようとする。これは歴史法則のように繰り返されてきた。戦争が独裁を生み、独裁が戦争を促進する。プーチン大統領はチェチェン紛争を利用して独裁体制を固めた。独裁体制を固めるためテレビ局を掌握した。
わが国は、第二次世界大戦と軍国主義への反省に立って、戦後、民主主義の政治システムを導入するとともに言論の自由を大切にしてきた。マスコミにおいて政府の施策を論じ、必要な批判を行うことは民主政治において最も大切なことであり、言論人の責任であるとわれわれは考えて生きてきた。
しかし、小泉政権が発足して3年。この民主政治の基盤が崩れつつある。テレビ、ラジオ、大新聞が、小泉政権と自民党・公明党そして創価学会の顔色を窺いながら、さらに彼らを恐れながら報道を行う傾向が強まった。最近、小泉政権を擁護するような応援団的報道がさらに増えている。この傾向は自衛隊のイラク派遣を機に強まる方向にある。
「言論の従を殺すのは、真理を殺すことである」(ミルトン)。日本のマスコミ界のロシア化はどんなことがあっても防がなければならない。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0691.HTML