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週刊誌 (2004.2.19)
週刊誌の役割で代表的なものに、大きな新聞や放送が手をつけない、いわゆるタブーへの挑戦がある。そのためにかつて週刊誌はマスコミ界のゲリラなどと呼ばれたこともあったが、近年はそうした名誉ある実績はほとんどない。
そうした中で、年明けからサンデー毎日(1・18から)が連載している「石原慎太郎研究」は、価値が高い。
手元にあるのは2回目までだが、中身は「『知事交際費』の闇」「公文書が示す知事の勤務実態全公開」と、いずれも情報公開法に基づいて毎日誌が都側から入手した資料の分析である。裏付け困難な私生活の噂といった類ではなく、都民の税金の費消とか知事としての任務の勤怠に関わる情報である。
交際費についてみると、「冬柴鐡三・約20万円」「徳田虎雄・約21万円」「麻生太郎・約17万円」など、政治家の接待に高額な支出があり、今や影を潜めたはずの“官官接待”の疑いが濃い。
また、「棚橋参与」という名がしばしば出てくるが、元運輸省官僚で99年から都参与でいわば職員だ。この棚橋氏に関して4年間に約236万円も交際費が出ている。今村有策という人は知事四男の友人で、知事肝いりで開設された美術館「トーキョーワンダーサイト」の館長だそうだが、非常に頻繁な交際費支出があり(約33万円)、いわばヤミ給与の疑いさえ感じられる。
知事の外国出張ともなると、これはもう大名行列である。2001年にワシントンとボストンに行くが、随行者は典子夫人や特別秘書など6人。1週間で旅費1132万円+現地経費(車、通訳など)1026万円も使っている。ホテルの代金は1泊26万円だという。同じ年の「ガラパゴス諸島11日」はお供7人で1600万円近い。しかもその視察目的たるや不明で、「クルーズ船」など道楽ともとれる。
もっとも問題なのは、石原知事は日常的に働いていないという事実だろう。毎日誌が入手した知事の出勤簿などによると、彼が都庁に出勤するのは平均週に3日、動静不明の時間が異常に多く、知事は銀座に自衛隊を入れて防災訓練をやったりしているが、「これで危機管理ができるのか」という声が上がっている。
公用車の使用も仲間の政治家の選挙応援に使ったり、公私混同が疑われている。
近年は交際費や出張費、また出勤などについては各県とも公開が進んでおり、地方首長は相当気を遣うようになってきた。石原知事の場合はずば抜けて不明朗であると、自治体の有り様を研究する専門家は一様に驚き、あきれる。
石原知事のこの横暴は、高い支持率に支えられているという思い上がりもあろうが、都政を監視する役割を持つメディアの怠慢がそれを許しているというべきである。知事は気に入らない質問をした記者をいじめ上げることで有名だが、いつまでそんなことをさせておくのか。
サンデー毎日のキャンペーンは、誰にでも入手できる資料によるもので、これまで新聞・放送がやらなかったことに手をつけたまでだ。しかし、今後ほかのメディアのフォローがあるかどうかはわからない。(亀井 淳)
http://www.jcj.gr.jp/masscom.html#20040219