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物質を構成する原子や分子一個一個にバーコードのように情報を書き込む−。そんな夢の技術を、高精度で制御したレーザーを使って実現することに、岡崎国立共同研究機構分子科学研究所(愛知県岡崎市)の大森賢治教授(量子光学)らが17日までに成功した。量子力学を利用した未来の超高速計算機や、医療などに役立つナノテクノロジーへの応用も期待できるという。
原子や分子は細かく振動しており、レーザーパルスが当たると、そのエネルギーで振動のパターンが変わる。大森教授は東北大、イスラエル工科大、米シカゴ大と共同で、この振動をレーザーで制御する技術の開発を目指してきた。
まず紫外線レーザーのパルス2つを1兆分の1秒程度の間隔で発射でき、さらにその間隔を100万分の1の精度で制御できる装置を開発。水銀とアルゴンの原子各1個からなる分子のガスをセ氏零下269度に冷やし、パルスを当てて振動の変化を観察した。
すると、2つのパルスで発生した2つの振動パターンが共存。さらにパルス間隔を調節することで、このパターンの状態を自由に変えられた。
この状態は長時間保持され、別のパルスを当てることで読み取れる。今のところ気体でしか実現していないが、固体への応用にも挑戦中。白黒のパターンを組み合わせてさまざまな情報を記録するバーコードの“分子版”として使えるという。
半導体素子の代わりに、原子や分子の状態を情報として利用することができるようになり、現在の計算機では事実上計算不可能な問題を超高速処理できる「量子計算機」に応用できる可能性があるという。
大森教授は「分子を構成する原子の結合を切ることも原理的に可能。温めたり、触媒を使ったりせずに化学反応を高精度で操作することもできそうだ」と話している。
(02/17 15:38)
http://www.sankei.co.jp/news/040217/sha086.htm