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郵送でなく持ち込み?国内犯の犯行?…リシン巡る謎 (読売新聞)
【ワシントン=笹沢教一】米連邦議会のフリスト共和党上院院内総務の郵便室で猛毒物質リシンが見つかった事件は、犯人像や動機などが謎だらけだ。ひとつまみの量で社会的パニックを引き起こす生物テロの手ごわさも見せつけた。
◆白昼の侵入者?◆
2日昼下がりの郵便室。自動封筒開封機の受け皿部分に白い粉が、まぶしたように付着していたのが見つかった。リシンは当初、開封時に郵便物からこぼれ出たと考えられた。だが、議会警察のゲイナー署長は4日、「粉末が入っていたと疑われる郵便物は見つかっていない」と述べた。何者かが郵便室に侵入してまいた可能性も浮上している。
◆連続事件◆
捜査当局は、昨年秋に発生した2つの事件に注目している。1つは10月、サウスカロライナ州の郵便集配施設で金属容器入りのリシンが脅迫状と見つかった事件。脅迫状は「堕天使」と名乗り、トラック運転手に勤務時間制限を導入しないよう要求、応じなければ、大量のリシンを作り、ばらまくという内容だった。もう1つは、11月にリシンの入ったホワイトハウスあての郵便物が見つかった事件。捜査当局は3日、唐突に発表した。
だが両事件と今回の事件を直接結ぶ材料は見つかっていないという。
◆未熟な精製◆
一方で、国際的なテロより、国内犯による犯行の線が濃くなっている。今回のリシンは、大量殺人に適した微粉末に精製されていなかったと見られ、外国政府など組織的関与の線は薄い。化学兵器の専門家、アンソニー・トウ・コロラド州立大名誉教授は「微粉末にするか、液体にして噴霧することで生物兵器として使えるが、被害が出ていないことから、吸引できるように兵器化処理されていない」と指摘する。
◆捜査は難航中◆
米国では、同時テロ直後の2001年秋に5人の犠牲者を出した炭疽(たんそ)菌事件が起きている。炭疽菌は、メリーランド州の陸軍感染症医学研究所の保有株だったことが判明し、同研究所の元研究員が重要参考人とされた。しかし、家宅捜査では何も発見できず、捜査は難航している。今回の事件の解明も一筋縄で行かないことを予感させている。
◆リシンと炭疽(たんそ)菌=リシンはひまし油の原料トウゴマの種子に含まれる猛毒物質で、約0・02ミリ・グラムで成人致死量。トウゴマは世界中に広く植生し、抽出も容易。生物兵器として噴霧された場合、発熱、せきなどを起こし、呼吸困難などで死亡する。
1978年に英国で、傘の先に込めて亡命ブルガリア人反体制作家暗殺に使われた。米国では90年代に右翼過激派による所持が相次いで発覚した。
炭疽菌は土壌中に存在。牛などの草食動物が感染しやすく、家畜伝染病に指定されている。皮膚への付着や吸入でヒトにも感染し、敗血症や呼吸困難を引き起こす。
[ 2004年2月6日0時35分 ]
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/world/us_domestic.html?d=06yomiuri20040205id28&cat=35