銃を捨てた日本人　　近代世界システムの限界を400年前に見破った日本人てんさい（い）

銃を捨てた日本人　　近代世界システムの限界を400年前に見破った日本人
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/414.html
投稿者てんさい（い）日時 2004 年 1 月 27 日 07:56:41:KqrEdYmDwf7cM

(回答先: 鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮投稿者れれれ日時 2004 年 1 月 27 日 01:32:09)

阿修羅には何度もでてきていますが、気に入っている話題なので再度。

銃を捨てた日本人　　近代世界システムの限界を400年前に見破った日本人
http://www.asyura.com/2002/hasan12/msg/319.html

保科正之～清冽なる名君
http://www.asyura.us/2003/bd23/msg/102.html

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銃を捨てた日本人　　近代世界システムの限界を400年前に見破った
http://asyura.com/2002/hasan12/msg/319.html

花のお江戸の市場経済システム
http://asyura.com/2002/hasan12/msg/318.html

Re: 江戸期（時代劇）について（あっしら）
http://asyura.com/sora/dispute1/msg/670.html

Re: 江戸期を取り上げた意味（あっしら）
http://asyura.com/sora/dispute1/msg/680.html
http://asyura.com/sora/bd16/msg/602.html

札差と棄捐令
http://asyura.com/2002/bd17/msg/302.html
http://asyura.com/2002/bd17/msg/298.html

チューリップ球根暴落事件 1 (あぼーん３世 )連続投稿の最初
http://asyura.com/2002/bd17/msg/298.html

花のお江戸はボランティアで持つ
http://asyura.com/2002/bd19/msg/165.html

南蛮貿易が日本人の大量の奴隷化を齎している事実を目のあたりにして、
秀吉は晴天の霹靂に見舞われたかのように怖れと怒りを抱いた
http://asyura.com/sora/dispute1/msg/421.html

近代世界システムの限界を400年前に見破った日本人
http://asyura.com/sora/bd19991/msg/15.html

江戸社会
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jog/JOG_Guide1.htm#江戸時代以前
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jog/jogix2.htm#210.5　江戸時代

何度読んでも感動が多い江戸ですが、その中でも「銃を捨てた日本人」
が、日本の先見性といいますか、なんといいますか、統治者の叡智を
かいま見ることができるところです。

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■３．ヨーロッパより進んでいた技術革新■

　近代世界システムとの最初の遭遇の時から、日本人は驚くべき適
応能力を示した。1543年に種子島に最初の鉄砲が伝えられてから一
年とたたぬうちに、日本人はその製造技術を修得し、十年もすると
日本中の鉄砲鍛冶が大量に生産を始めた。

　銃の改良自体もヨーロッパ以上のスピードで進み、螺旋状の主導
バネと引き金調整装置を発達させ、銃身の破壊を防ぐ鉄鋼の製造に
も成功している。鉄砲を使った戦法も世界一で、1573年、織田信長
が武田の騎馬武者を駆逐した長篠の戦いで見せた3000人の鉄砲隊を
三分隊に分けて、一斉射撃を繰り返す戦法は、基本的には第一次大
戦まで通用するものだったという。[2,p52]

　その１２年後、フランスのアンリ４世が勝利を収めたクトラの戦
いで２５名の鉄砲隊を各槍隊の間に配置した程度に過ぎなかった事
も見ても、鉄砲使用の規模と質において、当時の日本がいかに進ん
でいたかが分かる。ポルトガル、スペインも、日本の軍事力を見て
侵略を諦めざるをえなかった。

■４．銃を捨てた日本人■

　しかし興味深いのは、軍事先進国となった日本が、ヨーロッパ勢
力を追い出し、朝鮮の役に失敗すると、突如鎖国し、近代世界シス
テムから「降りて」しまった事だ。そしてその象徴たる銃を捨て、
刀剣の世界に戻ってしまう。

　1607年、徳川幕府は鉄砲鍛冶の統制を開始した。鉄砲や火薬の産
地を集中させ、鉄砲代官を置き、製造は幕府の許可制としたのであ
る。生産量が抑えられ、世界最先端の技術も次第に衰退していく。

　1855年にはアメリカの軍艦が、種子島の測量を行った。300年近
く前に、ポルトガル人が銃を伝えた、まさにその場所である。艦長
は次のように報告している。

　まったく驚くほかなかったのは、武器についての住民の無知
ぶりが例のないものであったことです。それは未開人特有の天
真爛漫さと理想郷に住む人々の無邪気ぶりとを示すものでした。
[2,p28]

　アメリカ人の見せた銃が、かつてこの島から日本全国に伝えられ、
世界最大最先端の銃の生産国となっていったとは、この艦長も、ま
た種子島の住民自身も、知らなかったのである。

　銃の統制だけではない。幕府は様々な戦争予防の仕組みを作り上
げ、２５０年間も戦争のない、人類史上希有な幸福な時代を実現し
た。その間、近代世界システムに参加した欧米諸国、そしてその餌
食となったアジア・アフリカ地域のたどった、戦争、飢饉、疫病、
革命、収奪といった悲惨な歴史と比較すれば、近代世界システムの
限界を見破った当時の日本人の叡智が窺われるのである。

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