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(回答先: 高校学力テスト、理数が想定を大幅に下回る(日本経済新聞) −”41.0%の高校生が学校外での1日の勉強時間はゼロと回答” 投稿者 シジミ 日時 2004 年 1 月 23 日 21:31:21)
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200401/26-1.html
高校3年生、約10万5000人を対象にした文部科学省の教育課程実施状況調査(学力テスト)で、数学1と理科の成績が、事前に想定した正答率を大きく下回った。国語1は上回り、英語は同水準だった。
高校生の学力テストは、40年ぶりになる。比較する材料がないから、学力が「低下」しているかどうかは何ともいえないが、学習指導要領の期待値には達しない低い水準にあることは確かだろう。文科省は、今後とも調査を継続的に行い、データを蓄積して分析を進め、次に生かしてほしい。
今回の結果についてはさまざまな視点からの解釈が可能だが、最も心配なのは、学力よりも、勉強の意欲が乏しいことだ。
アンケートによると授業が「よく分かる」は、4%しかいない。「だいたい分かる」を含めても40%弱である。それでいて分からないことを「そのままにしておく」人が36%もおり、41%は授業以外に「まったく、またはほとんど勉強しない」と答えている。勉強が嫌いな人は、74%に達する。
一方「勉強は大切だ」と思う人は、「どちらかといえば」を含めると79%に達する。「勉強すればよい成績をとれる」と思う人も73%だ。勉強は大切だと思うし勉強すればそこそこの成績をとれる自信はあるが、どうも勉強する意欲が起こらないというのが、平均的高校生の自画像なのだろう。
かつて多くの場合、勉強の意欲の源泉は、受験だった。「よい高校、大学、会社」に入ることが幸せにつながるという通念が、学校や家庭や社会のすみずみにまで浸透し、それが勉強時間の確保や学力水準の維持に寄与していた。
今もその風潮は残る。今回の調査を見ると、比較的成績の良かった国語、英語は、生徒の進路先の入試や就職試験の対象になっている。これに対し数学や理科を課すのは、理系か国立文系の大学などに限られる。当面の受験に関係がなければ、単位をとっても忘れてしまうことはありうるだろう。
ただ、受験は、勉強する動機としては次第に威力を失いつつあることも、今回のアンケートは示している。大学全入に近い状態になったこともさることながら、その時点での「いい会社」が、必ずしも幸せにつながらないと分かってしまったことが大きい。
若者が勉強の意欲を失い、無気力化するような社会は、衰退につながる。何のために勉強するのかは、成熟社会においてはとりわけ難問であり、答えは一つではないが、それぞれの子供が持つ個性、そして意欲を引き出す大人の側の働きかけは必要だ。
魅力ある授業にする努力が第一だ。分からないままにせず丁寧に反復して教えることや、実験、体験学習の充実などが力になる。
今回の調査では、新聞やインターネットに親しみ、朝食をきちんと食べる生徒ほど、テストの得点が高い傾向が出た。案外、意欲を引き出す取り組みのヒントになるのではないか。意欲が伴わなければ、「学力」は身に付かない。
(毎日新聞 01-26-01:16)