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IP電話、個人向け市場さらに拡大 2003/1/15日経MJ
従来の固定電話に比べて格安の通話料金で利用できるIP(インターネット・プロトコル)電話の個人向け市場が拡大し続けている。民間シンクタンクの矢野経済研究所(東京都中野区)は2003年末にIP電話の回線数が最大で532万回線に達し、2007年末には2788万回線に達する見通しを示す。グラハム・ベルが電話を発明してから100年以上たつなか、個人向け音声通話サービスは大きな転換期にあるといえそうだ。
2002年末の個人向けIP電話回線数は前年比約2倍の約308万回線だった。原動力となっているのが、高速インターネット接続である非対称デジタル加入者線(ADSL)などの利用者だ。主要接続業者各社が昨年夏以降、相次ぎIP電話をADSLの標準サービスとし、低価格化が進んでいることも追い風となっている。
中でも、ソフトバンクグループの「ヤフーBB」は街頭勧誘などの積極的な実施で、2003年12月末現在でIP電話回線数が、345万回線を突破するなど、IP電話のシェア拡大に寄与している。加入者同士の通話料は無料で、国内の固定電話にかけた場合でも全国一律7・5円という格安料金が消費者の心を掴んでいるようだ。ただ、固定電話に比べた品質面での不安定性などを指摘する声もある。