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小泉首相の靖国参拝は正月早々、いらぬ騒動を引き起こしている。「国際社会」を盛んに連発しながら、外交関係を悪化させるなどは愚の骨頂だ。中国や韓国から非難が巻き起こる度に、国内では中国や韓国へ対する嫌悪感情が剥き出しになるのも、これからの国際社会の中で良い結果を生まないだろう。
それにしても、中国がなぜこれほどにA級戦犯への拘りがあるのか、理解出来ない人達がこの国に大勢いるのも困ったものだ。敗戦時に中国に190万余の皇軍(天皇の軍隊)がいたことも知らない者もいるのだろう。日本の中国侵略の逆を考えれば、どんな感情に至るか分かる筈だ。
中国が国内事情から日本を侵略したとしたら、どうだったろうか。満州の例に倣えば、九州を占領して傀儡国家を造り上げ、本州・四国・北海道を8年に渡り、食料を持たない大軍が荒らし廻ったとしたらどうだったろうか。それから60年経ったら、日本人は忘れてしまうだろうか。
とても忘れられるものではないだろう。日本侵略をさせた中国の指導者を許す訳にいかないだろう。そのような指導者をA級戦犯同様に処刑したとしても、それらの者の慰霊祭に現国家指導者が参列すれば、日本政府の抗議だけでなく、国民の反発感情も凄まじいものがあるのではないだろうか。
被害者側の感情が理解出来ないなら、彼我を逆転させて考えてみることだ。そんな仮定のことは考えられないとして、自分達の行為を正当化するなら、将来逆な事が起きた時、それを甘んじて受け入れなければならなくなるだろう。
それにしても日本人が一番気づかずにいるのが、戦争の「オトシマエ」の着け方だ。これには西欧流と東洋流がある。西欧諸国は近世から第二次世界大戦迄、絶え間なく戦争を繰り返して来た。あのように頻繁に戦争をやるとなると、その戦争の度にきっちりと「オトシマエ」を着けておかなければ、(変な言い方だが)次ぎの戦争が出来なくなる。
それはそうだろう2国間で始まる戦争も、直ぐ他の諸国を巻き込んでしまう。その組み合わせも、その時々で変わる。となれば戦勝国は敗戦国から獲るものはきっちりと取り上げ、厳重に処罰して置かなければ、自国が敗者となった時、大損害が残るだけだから。
それに比べ、すくなくとも日本・朝鮮・中国は江戸時代の260余年間も戦争を起してない。だから戦争をしても、「オトシマエ」の着け方のルールなどはない。そんなものは不用なのだ。一度、戦争が起きたなら、二度と戦争など起きて欲しくない。これが東アジアのホンネだろう。
だから、戦争責任も西欧流に処理しなかった。現に中共(現中国政府)は戦犯として一人も処刑していない(現台湾政府の蒋介石の国民党政府は戦犯を処刑しているが、それでもオランダやイギリスなどと戦争の規模・年月を加味して比べれば、格段少ない)。
しかし、現代の日本人はイギリスやオランダやアメリカなどは戦争責任を蒸し返すことがないのに、なんで中国や韓国が何時までも引きずっているのかと、不快感を露わにする。戦争の「オトシマエ」の着け方が違う事に気づかなければいけない。
欧米諸国は戦犯を厳しく処断した。十二分に報復したのである。手元に処刑された戦犯のデータがないので数字を上げられないがうろ覚えながら、多い順からいえば、イギリス、オランダ、アメリカ、中国(国民党)、オーストリア、フイリッピンの順だったかと想う。
意外だと想うのはオランダだろう。オランダとの交戦は三ヶ月ほどではなかっただろうか。しかし、オランダ人を拘留した時の扱いで多数が戦犯として処刑された。これも西欧流の「オトシマエ」の付け方だろう。
フイリッピンも60万余の皇軍の内、48万余が戦死した所だが、戦犯として死刑の判決を受けた者でも後に恩赦が与えられ帰国した者もいる。やはり、東洋流の「オトシマエ」の着け方は、(何時起きてもよい)次ぎの戦争に備えるようなものではないのだ。
戦争の「オトシマエ」のつけ方で、欧米諸国と中国や韓国の戦争責任追及の引きずり方が違うということを胆に銘じて置くべきだろう。そして、東洋流の方が人倫に適っている。
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