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毎日【イラク派遣後も部隊監視 サマワでの安全策で、政府を追及−−オランダ議会 】
「日本にとっても参考になりそうだ」など、このところ、毎日が、わが評価では、高得点である。
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/afterwar/art/031230M041_0706001D10DT.html
イラク派遣後も部隊監視 サマワでの安全策で、政府を追及−−オランダ議会
イラク南部サマワで8月から展開中のオランダ軍(約1200人)の安全確保をめぐり、オランダ議会は派遣以降もさまざまな議論を続け、政府も対応策をとってきた。サマワでは27日も群衆がオランダ軍に発砲する騒ぎが起きるなど、治安情勢は必ずしも平穏ではない。「議会が監視しないと最大限の安全が保証できない」(与党議員)というオランダの議論は、同じ地域に自衛隊を派遣する日本にとっても参考になりそうだ。【ハーグ(オランダ)福原直樹】
■劣化ウラン弾
派遣当初に問題になったのは、米軍がイラク戦争中、劣化ウラン弾を使用したかどうかだ。同弾は、天然ウランから核兵器などの原料(濃縮ウラン)を抽出した残りを使ったもの。湾岸戦争(91年)やコソボ紛争(99年)で使われ、白血病との因果関係が問題になった。イラク戦争中、米兵が「サマワで劣化ウラン弾を使用した」と故郷に書き送った手紙が公開されたことで、議論に火がついた。
「政府は当初、米軍が現地で劣化ウラン弾を使用したのは湾岸戦争の時だけだと説明していた」
オランダ軍派遣に賛成した野党・労働党はこう反発。英政府がイラク戦争中の使用を認めたため議会でも追及された。結局、政府が米に確認、約1カ月後に米から「懸念すべき量は使っていないという報告」(与党議員)があった。議論は落ち着いたが、「米は初めから情報を提供すべきだった」(同)との批判が残った。
◇必要なら航空機増派
■英から機密情報
「米英軍が(イラク南部)サウジアラビア国境の情報を提供しないなら、自分たちの偵察機で監視するしかない」。11月下旬、国防委員会でビルダース議員(与党・自民党)が主張した。現地に派遣した議会調査団の調査でオランダ軍に「国境付近の動きがおかしい」と出動を要請した米英軍が詳細な情報の提供を拒んだことが問題となった。
「情報不在は軍の死活問題だ」。最大与党・キリスト教民主勢力と、野党・労働党も同調。現地のオランダ軍が「我々は偵察能力に欠けている」とオライオン偵察機の派遣を政府に要請していたこともわかった。
政府は今月、国境監視のため現地に特殊部隊約80人を増派。英側と折衝、機密情報の提供も確約させた。議会の執拗(しつよう)な追及に、カンプ国防相が「南方の国境監視より、北方からのテロリスト侵入を防ぐほうが重要だ」と反論する一幕もあった。
■過去の経験
「我々にはボスニア紛争の教訓がある。議会の追及も理解できる」。オランダ軍派遣前の6月、国防相は語った。
「教訓」とは95年、ボスニア東部スレブレニツァで起きたイスラム教徒惨殺事件だ。当時、現地に駐屯中のオランダ軍は、保護を求めるイスラム教徒を敵対するセルビア軍側に引き渡し、数千人規模とされる惨殺を招いた。原因としてオランダ軍の装備・訓練不足が指摘された。この反省から、議会は軍の装備なども討議。ビルダース議員は「政府は必要な場合、航空機の増派も約束した。犠牲者が出た場合、政府は責任を取らねばならない」と話した。
(毎日新聞2003年12月30日東京朝刊から)