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http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20031230k0000m030108000c.html
イラク:
フセイン拘束の村 米軍は発見場所の周辺を封鎖
【アッドール村(イラク・ティクリート郊外)小倉孝保】フセイン元イラク大統領が拘束されて半月余り。潜んでいたティクリート郊外のアッドール村を訪ねた。元大統領がいた小屋の周辺は米軍が厳重に警戒し、小さな村はものものしいムードが漂っていた。村人には「サダム(元大統領)こそアラブの誇りだ」と元大統領を英雄視する人が多かったが、元大統領の復活を信じる人はほとんどいなかった。
アッドールはティクリートのすぐ南、チグリス川に面し農業を中心とした村。親フセイン感情が強い。バグダッドからの途中、米軍の車列が何ものかの攻撃に遭い道路が封鎖されていた。
幹線道路を避けてアッドール村に入った。元大統領はチグリス川沿いにある林に囲まれた農家小屋に隠れていたとされるが、周辺は米軍が封鎖。上空をヘリコプターが旋回し、米兵は「治安上の理由で誰も現場には入れない」と言った。
すぐ近くでマルワン・カーセムさん(42)が十数頭の羊を追っていた。「毎日こうして羊と歩いているが、サダムのことはまったく気づかなかった」と語り、元大統領について聞くと「今でも、偉大な指導者だと思っている」と話した。
農家小屋の周辺に小さい丘がある。その下に林があり、農家小屋は見えないが、地元のカセム・ムハンマド・サアドさん(63)が「あの林のすぐ向こうにサダムは隠れていた」と語った。
サアドさんの自宅にも米兵が調査に来たことがあった。拘束(13日)の3日ほど前から大量の米兵が周辺を調査、拘束の日はヘリコプターが旋回するなど、緊迫した空気が漂ったという。
小屋の近くに住むブルハン・イスマイル・ラジュキさん(35)は「元大統領が拘束されたと聞きさびしかった。時代が終わったと痛切に感じた」としみじみと語る。ティクリート大生で、同大の反米デモにも参加したアハマド・カセム・ムハンマドさん(19)は「サダムはアラブの指導者だった。拘束で彼は英雄になった」と語った。
だが、アブドルカリーム・フセインさん(74)は「これでフセイン時代は終わり、イラクは新しい時代に入った。みんなが協力して平和な時代を作っていく必要がある」と割り切ったように言った。元大統領支持者の多いこの村でも、元大統領が再び実権を握ると考えている人はほとんどおらず、フセイン時代の終えんを感じさせた。
[毎日新聞12月30日] ( 2003-12-30-01:09 )