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RE:ヘルツルの夢はユダヤの悪夢 No.15【2003年12月28日】ブッシュを操るTV伝道師
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/545.html
投稿者 木村愛二 日時 2003 年 12 月 28 日 15:33:34:CjMHiEP28ibKM
 

(回答先: ブッシュを操るTV伝道師たち [韋駄天-35872] 投稿者 乃依 日時 2003 年 12 月 28 日 14:52:07)

RE:ヘルツルの夢はユダヤの悪夢 No.15【2003年12月28日】

この上の投稿からのリンクの記事、ヘルツルの夢はユダヤの悪夢 No.15【2003年12月28日】に関しては、以下の拙訳の抜粋を参照されたい。

---------- 引用ここから ----------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise-6.html
『偽イスラエル政治神話』
(その6)著者はしがき2.
総説[以下は初版と同じ]

 本書は、一つの邪教の物語である。

 この邪教は、神の啓示に逐語いじりの手前勝手な解釈をほどこし、宗教を政治の道具に祭り上げている。

 この邪教は、今世紀の終末に当たっての、致命的な病弊の一つであり、そのこと関して私はすでに拙著『統一主義』において定義を加えた。

 私は、拙著『イスラムの栄華と退廃』によってイスラム教の病弊と戦い、私が《イスラム主義はイスラム教の病弊だ》と語るのを好まない人々に嫌われる危険を犯した。

 私は、拙著『宗教の戦いのために』によってキリスト教の病弊と戦い、私が《パウロのキリストはイエスではない》と語るのを好まない人々に嫌われる危険を犯した。

 私は現在、本書『偽イスラエル政治神話』によってユダヤ教の病弊と戦い、イスラエル=シオニストの激怒を買う危険を犯している。彼らはすでに、ヒルシュ法師が彼らについて、《シオニズムはユダヤ教徒を国民として定義することを望んでいる。……それは邪教だ》(『ワシントン・ポスト』78・10・3)と指摘したことで機嫌を損ねている。

 本書で告発する(ユダヤ教徒の信仰ではない)シオニズムとは一体何なのだろうか?

 シオニズムはしばしば自らをつぎのように定義している。

1、一つの政治的教義である。

《シオニズムは、テオドール・ヘルツルによって創始された一八九六年以後の政治運動に由来する》(『シオニズム・イスラエル百科事典』)

2、ユダヤ教からではなくて、一九世紀のヨーロッパの国家主義から生まれた「国家主義者」の教義である。

 政治的シオニズムの創始者、ヘルツル[訳注]は、いかなる宗派に属すると主張したこともなく、『回想録』には、《私は宗教的衝動に従うことはない》《私は不可知論者である》(同前)と記している。

[訳注]:ヘルツルには、彼に先行するシオニスト運動が格好の看板指揮者として途中で迎え入れたタレントの要素がある。彼は、オーストリア=ハンガリー二重帝国のハンガリー側首都、ブタペストで、裕福なユダヤ人の子として生れ育ち、ユダヤ教の信者にはならず、ウィーンのドイツ語新聞のパリ特派員となった。一八九四年に発生したドレフュス事件(フランス軍ユダヤ人大尉のスパイ容疑・冤罪による流刑判決事件)の衝撃を受ける以前には、ヨーロッパ社会への融和を考えていた。『ユダヤ人国家』の初版は一八九六年。第一回シオニスト会議(のち世界シオニスト機構)の開催が一八九七年。だが、すでにそれ以前の一八七八年に締結のベルリン条約で、パレスチナ地方がフランスの支配下に入って以後、本訳書二四二頁以下にも記されているように、フランスのロスチャイルド家(ロートシルト)による土地買収とユダヤ教徒の移住勧誘が始まっていた。本訳書巻末の訳者解説三五六頁で紹介した資料によれば、さらにそれ以前の一八六七年、つまりは、第一回シオニスト会議が開催されるより三〇年も前に、「開発資金を集めた創世期のシオニスト運動組織は、パレスチナの天然資源を調査」を行い、「数百万の人口を移住させる可能性」を確かめていたのである。

 彼は聖地に特別な関心を抱かなかった。彼は、国家主義を実現する目的地として、ウガンダ、トリポリ、キプロス、アルゼンチン、モザンビーク、コンゴの、どこでも同じく受入れようとしていた(同前)。しかし、ユダヤ教徒の友人の反対に直面し、彼が「力強い伝説」(mighty legend)(同前)と呼んだものが、《逆らい難い力を持つ同志糾合の号令となっている》(『ユダヤ人国家』)ことを認めた。

 この動員力のあるスローガンは、すぐれて現実主義的な政治家である彼にとって、見逃せないものだった。彼は、この「復古的」な「力強い伝説」を歴史の現実に置き換えようと宣言し、こうも語った。

《パレスチナは我々の忘れ難い歴史の一部である。……この地名のみが我々の仲間にとっての力強い同志糾合の号令になり得る》(同前)

《ユダヤ人問題は、私にとって社会的問題でもなければ、宗教的問題でもない。……それは国家の問題だ》

3、一つの植民地主義の教義である。

 この点でも開けっ広げなテオドール・ヘルツルは、彼の目的を隠そうとはしない。第一段階として“地図上の国家”を、イギリスまたはすべての他の列強の保護の下に実現し、きたるべきユダヤ人国家の建設に備える。

 そのために彼は、この分野の作戦の教師、セシル・ローズ[訳注]に協力を訴えた。植民地商売の先輩、ローズは、彼の地図上の国家を南アフリカから切り取るに当たって、その部分に自分の名前を付けた。それがローデシアである。

[訳注]:セシル・ローズ(一八五三〜一九〇二)。イギリス生れ。南アフリカの金鉱山支配の経済力を背景に一八九〇年、当時のイギリス領ケープ植民地首相となり、イギリス政府特許会社、イギリス南アフリカ会社によりローデシア(現ザンビア、ジンバブウェ)へと侵略を拡大。一八九五年にはトランスヴァール侵略計画に失敗し、責任を問われて翌年、首相を辞したが、以後もアフリカ支配の黒幕を演じ続けた。

 テオドール・ヘルツルは一九〇二年一月一一日、ローズ宛てに、つぎのように書いている。

《お願いです。私の計画を吟味して、それに賛成するという主旨の手紙を下さい。ローズさん、貴方は、なぜ私が貴方に訴えるのかを不思議に思われるでしょうが、それは私の計画が植民地計画だからなのです》(『日記』)

 政治的で、国家主義的で、植民地主義的な教義、これらが、一八九七年秋のバーゼル会議で採択された政治的シオニズムを定義する三つの特徴である。天才的でマキャヴェリ的な創設者としてのテオドール・ヘルツルは、この会議の終了に当たり、十分な根拠を持って、《私はユダヤ人国家を創設した》(前出『回想録』)と語ることができた。

 半世紀を経て、第二次世界大戦の直後、実際に彼の弟子たちが彼の政策を忠実に実行し、彼の方法と彼の政策の路線に従って、イスラエル国家を創建した。

 しかし、この国家主義的かつ植民地主義的な政治的計画は、いかなる意味でもユダヤ人の信仰や精神の延長線上にはなかった。

 シオニストの会議がバーゼルで開かれたのは、(ヘルツルが予定した)ミュンヘンでの開催にドイツのユダヤ人団体が反対したためだったし、同時期(一八九七年)に別のユダヤ人団体がカナダでモントリオール協議会を開いていた。そちらでは、当時のアメリカ大陸におけるユダヤ人の中で最も代表的な人物、アイザック・メイヤー・ワイズ法師の提案によって、シオニズムによる旧約聖書の政治的かつ部族的な解釈に根本的に反対し、精神的かつ普遍救済的な予言者の解釈を擁護する動議が可決されていた。

 それにはこうある。

《われわれは、ユダヤ人国家の創設を企むいかなる提案にもすべて同意しない。この種の試みは明らかに、イスラエルの使命についての間違った考え方に起因している。……ユダヤの予言者は第一に、こう説いている。……ユダヤ教の目的は政治的なものでも国家的なものでもなくて、精神的なものであることを確認する。……ユダヤ教が目指しているのは、地上に神の王国を築くために、すべての人々が、まったく一体の偉大な共同体への参加を承認する救世主の時代の実現である》(『アメリカ法師中央協議会年度報告』)

 このような最初の反応の声が、“ドイツ法師協会”にはじまり、“フランス普遍救済イスラエル同盟”、オーストリアの“イスラエル同盟”、同じくユダヤ人ロンドン協会に至るまでのユダヤ人組織から、一斉に挙がった。

 このような政治的シオニズムへの反対の声は、ユダヤ教の精神への愛着から発しており、第二次世界大戦以後もその発言が止むことはなかったが、イスラエル・シオニズムは、国連において様々な局面での各国間の敵対関係を利用し、なかんずくアメリカの無条件な支持を得て、支配的な勢力として他を威圧することに成功し、ロビーの力によって局面を逆転させ、世論においても予言者の立派な伝統に対抗して、イスラエル・シオニストの優勢を勝ち取った。しかし、それでもなお、偉大な精神に満ちた人々の批判の封殺は達成できなかった。

 マーティン・ブーバーは、今世紀のユダヤ思想界を代表する偉大な人物の一人だが、その生涯を通じ、イスラエルで迎えた死に至るまで、信仰としてのシオニズムから政治的シオニズムへの退化と転倒を告発して止むことなかった。
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

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