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昨夜(22日)の「ニュース23」で、丸山真男が語られました。
丸山真男といえば、学生時代の数々の想い出とともに浮かぶ、
遠く、懐かしく、そして崇高な理想を描かせてくれた人物です。
その丸山真男のありし日の姿と言葉が、「ニュース23」を通して、
「いま」という時代に新鮮なメッセージを投げかけてくれました。
そのなかで、丸山真男は
日本という社会の「現状追随主義」を嘆いていました。
つまり、なんとなくある種の空気=雰囲気が社会を包んで、
そのなかで重要なことが、明快な理由も動機もなく、
いつのまにか決められてしまい、空気に流されて動いて行く…。
そう、「ずるずると引き込まれていく危険」を指摘しているのです。
「丸山真男氏が遺したもの」という新聞の論説では、
以下のように記述されています。
………………………
「日本を破滅的な戦争に駆り立てた内的な要因は何だったのか」。
これが丸山氏の問題意識であり、その分析は「脳外科医の手術に似ている」と評された。
そこで浮かび上がったのは、
政治的な意思決定への責任意識が極めて希薄な軍人や政治家の存在であり、
天皇制国家それ自体が「無責任の体系」に支えられていたこと、
そして日本人における「主体性意識の欠如」だった。
これに対しては「一面的な見方」との批判もあることは確かだ。
しかし、近年の重要政治課題に対する政治家や官僚の対応ひとつ見ても、
戦前と違う形とはいえ、今なお「無責任の体系」が支配していると言わざるを得ないだろう。
一連の論文が発表されてからすでに半世紀が経過したが、
丸山氏が指摘した構造的病弊は克服できていないのである。
………………………
この「無責任の体系」がかつて日本を戦争に誘い出し、
そしていま、憲法も法律も、国際法も無視した「イラク派兵」へと動いています。
このことの恐ろしさは「空気の研究」でも警告されています。
「もし日本が、再び破滅へと突入していくなら、
それを突入させていくものは戦艦大和の場合のごとく「空気」であり、
破滅の後にもし名目的責任者がその理由を問われたら、
同じように「あのときは、ああせざるを得なかった」と答えるであろう」
と…。
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=189
「ニュース23」では、最後に丸山真男の次の一文が朗読されました。
「何もしなかったということが、あなたの罪なのだ。」
「ニュース23」は、丸山真男を通して「現状追随主義」の怖さを訴えましたが、
これで問題が解決するわけではありません。
「異常な空気」の暴走を食い止めるには、
「水を差す」ことがなによりも大切と、山本七平は言います。
だとしたら、マスメディアがやるべきことは、数々の疑惑や疑問をうやむやにせず、
事実を事実のまま報道して、事件の真相を追求すべきではないでしょうか。
イラク問題に関しては、山ほどの疑惑と疑問が噴出しているのですから。
ちなみに、日本人外交官殺害事件、フセイン拘束報道などは、
数々の疑惑が出てきているにもかかわらず、マスメディアは無視しています。
その結果「怪しい空気」が社会全体を覆ってしまっているのです。
「ニュース23」が丸山真男の警告を取り上げたのは素晴らしいことですが、
同時に「空気」に流されず、支配されず、事実報道に取り組むべきだと思います。
とんでもない事態が招来されたときに、
「何もしなかったということが、あなたの罪なのだ。」
と言われないためにも…。
★参考↓
「不気味な空気」が濃厚になるなかで…
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=189
天皇制は典型的な「空気支配」の体制
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=196
天皇制=典型的「空気支配」へのレスに対して
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=199
不気味な「空気」に「水を差す」ことの意味
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=206
王様は裸だぁ!…戦争呪文から解放されよう!
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=223
「憲法」は「権力」への「命令」である
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=227