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TUP速報238号 イラク政治難民の声【サダム逮捕で、抵抗運動はむしろ激化するとの指摘】
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/236.html
投稿者 転載バカボン 日時 2003 年 12 月 23 日 06:31:06:kkVgFyCLlyr/.
 

http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/248
[TUP-Bulletin] TUP速報238号 イラク政治難民の声 03年12月20日

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圧政者サダム・フセインが名実ともに地に墜ちて、イラク武装レジスタンスはやがて収束に向かうだろうという希望的観測をよそに、イラク国民は新たな圧政者を見据えているようです。ここで、サダムの圧政からの政治難民の、イラク国民を代表して語る声に耳を傾けてみましょう。

TUP 井上 利男
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イラク政治難民の声――
『占領地イラクのレジスタンスは拡大する』

――サミ・ラマダニ
2003年12月15日 英紙ガーディアン
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喜びは深かった。だが、サダムの圧政に抗し、あるいはサダムの戦争に巻き込まれ、命を落とした私の身内と友人たちを追憶すれば、痛みもまた圧倒的だった。

私は、消息を絶った最愛の学友ハジムを思い出す。1969年にバグダッドの医科大学の食堂で別れの抱擁を交わした後、ふたたび彼に会うことはかなわなかった。CIAに後押しされて、バース党員たちが権力を握った1963年のクーデターからの月日、15才にしかなっていなかったハジムは、勇敢にも、反バース党ビラをバグダッドの私たちの学校でばらまいていた。私は親しい友人ガサンも思い出す。長年の流浪の果て、カナダの病院で亡くなった彼に、あまりにも長く待ち望んでいた瞬間を見ることはかなわなかった。

だが、とうとう現実になった。サダムが醜い姿で降伏した。サダム捕獲のニュースが報じられていると私が知らせると、イラク人の誰も彼もが喜んだ。それにしても、この愉快な瞬間なのに、イラクの新任専制君主ポール・ブレマーが、「皆さん…彼を捕まえました」と得意満面で宣言したので、台無しになってしまった。

アメリカ人たちは彼らの手の内の囚われ人をどうしようというのだろうか?
サダムは裁判にかけられるのだろうか? 裁判によって、米国がサダムを支援し、化学兵器を与えた経緯が解き明かされるのだろうか? 裁判によって、米国がサダムを炊きつけて、対イラン戦争に走らせ、百万人ものイラン国民とイラク国民を死なせた歴史的事実が浮き彫りになるのだろうか? 裁判によって、今、米国が指名したイラク統治評議会に所属している議員と政党の数多くが、かつてはサダムと提携し、彼を支持していたという実態に踏み込むことができるのだろうか? イラクを覆う暗雲はまだ晴れやまない。

不法で道義に反する米国主導の戦争で、今までに数千のイラク民間人が殺害された。無辜の民が、米軍の侵略、爆撃、シャロン流の集団処罰によって殺され、米国主導同盟軍の劣化ウラン砲弾に被曝して、死者数は拡大する一方だ。だから、この喜びの瞬間にさまざまな疑問が水を差す……ブレマー、ブッシュ、ラムズフェルド、それにブレアを、だれが裁くのだろうか? いつの日か、イラクは自由になるのだろうか?

これだけは、私は知っている――サダムはみすぼらしく狭い穴蔵からレジスタンスを指揮などしていなかった。これは、たった昨日、およそ考えられない情報源――最後のイラク王ファイサル2世の縁者であり、米国主導の侵略戦争の強硬な支持者、シェリフ・ビンアリが認めたことなのだ。「真実は直言しなければならない」とビンアリは言った。「サダムはレジスタンスとはなんの関わりもない。彼の惨めたらしい降伏は、最初から分かりきっていたことを、改めてはっきりさせた…… 今こそ、レジスタンスと交渉すべき時である。レジスタンスに停戦を宣言するように呼びかける時だ」

米国にとって、サダムの存在は、占領へのレジスタンスの黒幕として、長引く占領の口実として都合よかった。だが、ビンアリは、15に余る組織がレジスタンスに関わっていて、イラク国民の幅広い支持を得ているとする、CIAと米国連邦議会筋が最近確認した情報を追認しているに過ぎない。CIA報告は、「レジスタンスには無数の系列がある。バース党だけが中核ではない」と認め、「レジスタンス勢力は幅広く、強大であり、さらに強大になりつつある」と結論している。

占領の即時終結を要求する声はサダムの政権復帰を助けるだろうと、今まで怖れていた政治勢力にとっては、サダムの降伏は励ましになりそうだ。

バグダッドと、いわゆるイラク国内シーア派地域の、おおむね穏和なレジスタンスも注目を集めるだろう。この2週間のうちに、バグダッドとイラク南部の労働組合幹部たちが逮捕された。占領当局は、恥知らずにも、政府機関内での労働組合活動を禁じる1987年のサダムの法律を適用したのだ。だが、この類の抵抗は抑圧が難しい。今週、いわゆるシーア派の街ヒーラで、攻撃的だが平和的手段による大衆蜂起が、米当局指名の知事イスカンデール・ジャワド・ウィットウイットを首尾よく退陣に追い込んだ。知事公館を包囲した数千の群集は、任命知事に替わって、自由選挙を要求した。

サダムが人びとを怖がらせる化物でなくなった今となっては、労働組合運動と大衆抗議行動が頻発するようになり、武装抵抗運動を補完し、それに合流するだろう。

武装レジスタンスから労働組合員まで、さらには最高位アヤトラ(宗教指導者)アリ・シスタニが加わって、今や、ひとつの要求がほとんどすべてのイラク国民を結び付けている。選挙だ! そして、選挙こそは、米国が固く拒んでいる要求なのだ。米国は、(国民の団結という)結果がありうると正確に予測しているからだ。だから、米国は市長選挙の停止を急いだのであり、2週間前には、バグダッドの大学の選挙で選ばれた学部長を、占領当局を無遠慮にも批判したとして更迭したのだ。

サダムの屈辱的な末路は、宗派と民族の分断を図る、米国主導の試みを弱体化するだろう。サダムの圧政に抵抗し、命を落としたすべての人びとへの追悼を胸に、非暴力抵抗運動と武装レジスタンスは激化するであろうし、アメリカ国民を含む世界の人びとからの支持をこれまで以上に集めるだろう。

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サミ・ラマダニ――サダム・フセイン政権時代の政治難民であり、現在はロン
ドン・メトロポリタン大学の社会学上級講師。
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[原文]
Resistance to occupation will grow
Sami Ramadani
Monday December 15, 2003
The Guardian
http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,3604,1107178,00.html
Guardian Unlimited (c) Guardian Newspapers Limited 2003
サミ・ラマダニよりTUP配信許諾済み

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