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2003年12月13日
クラスター爆弾:イラク戦争中の死傷者推計1000人以上に
【ワシントン和田浩明】イラク戦争中に米英軍が使用したクラスター(集束)爆弾による死傷者は、推定で1000人を超えることが国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部・ニューヨーク)の現地調査報告で明らかになった。両軍が使用したクラスター爆弾は計約1万3000発で、その子爆弾数は約190万発に上った。また大量の子爆弾が不発弾となって放置され、不発弾で遊んでいるうちに爆発するなどして子供たちを中心に多数が死傷した。イラクでのクラスター爆弾による被害の詳細な実態が明らかになったのは初めて。
調査報告書は12日に公表された。調査は大規模戦闘がほぼ終結した4月29日から6月1日まで実施した。軍事紛争後の被害調査の経験を持つ専門家ら3人が、バグダッドなど10都市を訪問。住民や兵士からの聞き取り調査のほか、クラスター爆弾の使用場所や、民間人死傷者の病院での治療状況などのデータも集め、死傷者数などを算出した。
報告書によると、米軍が使用したクラスター爆弾は1万782発で子爆弾が約180万発。英軍は約2100発使用し子爆弾は11万3190発に上った。イラク軍側が軍事施設を市街地に設置していたこともあって人口密集地でもクラスター爆弾が使用され、民間人が多数死傷した。
特に被害の大きかったバグダッド南方約90キロのヒッラでは、3月31日の1日だけで15人が死亡、171人が負傷した。民間病院の一つに運び込まれた負傷者の9割がクラスター爆弾によるものだった。4月24日には米軍が投下したクラスター爆弾が市内の女子小学校を直撃。深夜だったため児童に直接の被害はなかったが、職員と近くの住民計2人が死亡、13人がけがをしたという。
被害は戦闘中だけにとどまらなかった。報告によると、不発弾として地上に残った子爆弾は推定で約9万発に上る。事実上の地雷となり、少なくともこれまでに数百人の市民が死傷し、報告書は現在も「被害が続いている」と指摘している。
同団体は報告書で「不発弾の率が下がるまで使用を中止するか、人口密集地の使用を避けるべきだ」と勧告。米英軍に対し、イラク戦争での民間人被害の徹底的な調査を行い、軍事作戦による非戦闘員死傷者の減少を目指すよう呼びかけている。
[毎日新聞12月13日] ( 2003-12-13-21:41 )