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【ワシントン=永田和男】米政府がイラク復興事業の元請け受注から仏独露などの企業の排除方針を決めたことについて、ブッシュ政権に影響力を持つとされる新保守主義の代表的論客2氏が11日、「愚かである」と酷評した上、「ブッシュ大統領は、恐らく方針を撤回することになろう」との見解を発表した。
この見解は政策研究所「新アメリカの世紀プロジェクト」(PNAC)のウィリアム・クリストル代表と評論家ロバート・ケーガン氏の連名によるもの。
両氏は、イラク復興事業で英国やスペインなどこれまで協力的な国々の企業を優先すること自体は支持できると述べた上で、「真に賢明な政権なら、戦争に反対した国の企業の入札も受け付けることでその国の協力をも取り付けることだろう」と指摘した。
両氏は、ブッシュ政権は仏独露などの企業排除を公に表明してしまったことで欧州にかねて根強い「米国は友好国の意見も顧みない」との批判を蒸し返した上、ベーカー元国務長官による対イラク債務削減交渉も困難にしたと糾弾。「大統領は被害を最小限にとどめるため、すみやかに方針を撤回すべきだ」と主張している。
PNACは6年前に発足し、新保守主義の論客が集う拠点と目されている政策研究所。今回の仏独露の受注排除を決めた通達を発表したウォルフォウィッツ国防副長官も設立メンバーの1人で、副長官は欧州や民主党に加えて古巣の批判にもさらされた形だ。
(2003/12/12/10:42 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031212i203.htm