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<劣化ウラン弾>テーマの少年漫画に反響 単行本化決まる
米軍がアフガニスタンやイラクで使用したとされる劣化ウラン弾をテーマとし、週刊少年マガジン(11月12日発売)に掲載された読み切り漫画「汚れた弾丸—劣化ウラン弾に苦しむイラクの人々—」に読者からの反響が相次ぎ、出版元の講談社は来月中旬に単行本化して発売することを決めた。「劣化ウラン弾の恐ろしさを初めて知った」など電子メールなどで600件を超える感想が編集部に届いたという。漫画が、アフガンやイラク問題への関心を呼び起こした。
同誌は5月、アフガンで医療支援に取り組む医師のルポを掲載。「次はイラクを取り上げよう」との声が編集部で上がり、医師のルポも担当した漫画家の三枝義浩さんの執筆による60ページの読み切り漫画が実現した。
主人公は、同弾問題を追っているフォトジャーナリストの森住卓さん。森住さんが出会ったイラクの戦争被害者のことや、人体に影響を与える同弾の恐怖などを描いた。
編集部には、幅広い年代から反響が寄せられた。同誌の読者層は、主に男子中・高・大学生などだが、主婦や女子高校生からのものもあった。「親に漫画を見せてもらった。これから隣県である写真展に行こうと思う」(13歳の女子)▽「親なら誰でも子どもが健やかに育つことを願うのに、イラクではその願いもかなわないなんて……」(主婦)▽「劣化ウラン弾を使う米国こそ悪の枢軸国家だ」(19歳男性)▽「授業で取り上げたい」(大学教授など)など、内容を評価する意見が約8割を占めた。
「平和を訴えるデモをしても仕方がないと思っていたが、漫画を読んで、そうも言っていられないと思った」「薬の援助の必要性を感じた。何かできることをやりたい」など、意欲を感じさせる感想もあった。
一方、「米国を一方的に悪いと決めつけている」「フセインも悪かったのだから、戦争に至る経緯をちゃんと書いてほしかった」といった批判的な意見も約2割あったという。
編集部は「新聞やテレビ報道の『すき間』で、これまで劣化ウラン弾を知らなかった人の心を、漫画がうまくとらえたのではないか」と話している。【小山内恵美子】
◇ことば劣化ウラン弾
放射性廃棄物の劣化ウランで作られる弾丸。標的に当たって燃焼する際、劣化ウランが微粒子となって飛び散り、土壌や地下水なども汚染。過去の使用例から、兵士や周辺住民に、がんや白血病を含むさまざまな健康被害が生じていることが報告されている。(毎日新聞)