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イランのハタミ大統領とエジプトのムバラク大統領が10日、「世界情報社会サミット」出席のために訪れているジュネーブで会談した。両国首脳の会談は79年の断交以来初めて。両首脳は米国のイラク占領政策への批判で一致した。アラブの親米国エジプトとイランの関係修復は、イラン封じ込めを軸とする米の中東政策にも影響しそうだ。
国営イラン通信によると、会談はホテルで1時間以上続いた。ハタミ大統領は「両国の関係強化は、イスラム世界にとても前向きな影響をもたらす」と復交に強い意欲を示した。ムバラク大統領も「イランと適切なレベルの関係を樹立することを望む」と応じた。
イラク問題をめぐって、両大統領は「占領状態が続いていることがテロの拡大を促し、地域の安定に対する脅威となっている」との見方で一致し、米英軍の長期にわたる駐留を批判。
ムバラク大統領は「現在の世界情勢が、エジプトとイランという二つの重要な国に協力を要請している」と述べ、イラクの戦後処理に中東諸国の意向を反映させるためにも、両国の関係修復が必要だと訴えた。
イランは79年、エジプトがイスラエルと単独和平条約を締結したことに反発し、国交を断絶した。同年のイスラム革命でイランを追われた故パーレビ国王をエジプトが受け入れたことで、関係はさらに悪化した。ただし利益代表部はお互いに残している。
イランは「革命の輸出」を警戒する湾岸アラブ諸国と緊張関係にあったが、90年の湾岸危機をきっかけにアラブ諸国との関係見直しを図った。91年にはサウジアラビアと国交を回復した。エジプトとの復交は、アラブ諸国との関係改善の総仕上げとなる。
このため、97年に誕生したハタミ政権はエジプトとの関係改善を模索してきた。00年、両大統領が初めて電話で会談。翌年にはハラジ外相がカイロを訪問し、ムバラク大統領と会談した。
復交が進むかどうかは、「パレスチナの解放」を革命以来の大義にかかげるイラン指導部が今後、どれだけ柔軟性を示せるかにかかっている。また、親米国エジプトとのパイプが確立すれば、米大使館占拠事件後から断交が続く米国との関係に影響が出ることも考えられる。
(12/11 20:08)
http://www.asahi.com/international/update/1211/015.html