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(回答先: 緊急連絡:本日、フォトジャーナリスト・豊田直巳イラク最新報告・新聞・放送に登場! 投稿者 木村愛二 日時 2003 年 12 月 09 日 07:46:30)
豊田直巳さん 1983年からパレスチナ問題を取材。
92年より中東、アジア、旧ユーゴ、アフリカなどの紛争地をめぐる。
著書に「『イラク戦争』の30日」など。
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「オランダ兵ですか。彼らは何もしてないから」。
自衛隊が派兵されようとしているイラク南部の都市サマワ。
この街の「治安を守る」はずの多国籍軍に参加するオランダ軍に対いする住民の目は冷ややかだ。
もともとサマワを州都とするムサンナ州の治安はいい。
「ここは氏族社会。誰が住んでいるか、みんな知っているから安全ですよ」と
住民の誰もが語るように、夜間でも人通りが絶えない。
だが、街中には首都バクダッドと南部の大都市バスラを結ぶ幹線道路が通り、毎日何十台と米軍の物質を
運ぶトラックが、戦闘車両に前後を挟まれて走り抜ける。
護衛の米兵は極度に緊張を強いられているようで私のカメラにすら反応し、自動小銃の銃口をを向けてきた。
現実にはこのトラックに子どもがひかれるなど、地元の人たちの方が犠牲を強いられているにもかかわらずだ。
私は11月20日から今月4日まで、今も続くイラク戦争の下に暮らす人々を取材するため、イラク各地を訪ねた。
23日から28日まで6日間滞在したサマワでは、日本人が来るという話は広く知られ、期待もされている。
「壊れたままの病院の医療機器を直してほしい」
「下水道を設備してほしい」。
サダム政権時代には開発から取り残され、湾岸戦争の経済制裁がそれに追い打ちをかけた。
イラク戦争では700名が働いていたセメント袋製造工場も米国の爆撃で破壊され、失業者があふれている。
しかし、「お金や技術が欲しいわけではない」と水道局の技官は言う。
「技術はあります。でも機材が足りないことは事実です」と古くなった水道管を示した。
日本の企業や技術者が来ると思っている人が多いのだ。
自衛隊の話をすると、がっかりした様子で
「自分のことは自分で守ります。どこの軍隊も要りません」とはっきりと言う人も少なくない。
ここに自衛隊が武器を持って駐屯すれば、日本の援助への期待が裏切られていくことになりかねない。
米国に追随する日本の「軍隊」だけが目立ち、細々と続けられてきた日本の市民によるイラク支援すら、
ままならなくなってしまうだろう。
(フォトジャーナリスト・豊田直巳)
東京新聞朝刊 2003/12/09