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イツハク・ハレルヤ顧問:
今回はご苦労だった。君のおかげでSDF(自衛隊)の派遣もほぼ間違いなく実現の運びとなったようだ。SDFってのは、実力はまず期待できないけど、世界第二の経済大国からイラク出兵ってことになりゃ、こりゃ名実共に本格的多国籍軍だよ。特に日本は戦後長いこと平和大国のイメージで売り込んできたから、こんな平和志向の国まで参加したっていうことになると、アジアの他の国に対してもインパクトが強い。今回のオペレーションは非常には大きな政治的期待が込められていたんだよ。これで来年は君も准将に昇進は間違いなしだ。
ベニヤミン・カバコフ非合法工作部長:
ありがとうございます。身に余る光栄です。いや〜、今回の作戦は苦労しました。何しろYanks(米軍)に一切情報を漏さないことが前提でしたからね。ウチの実行部隊は全員アラブ系の人間を選抜して、共和国親衛隊の残党がやったように見せかける破壊工作専門部隊ですからね。米軍に本物と間違われて攻撃されるのが一番怖いんです。かといって奴らに情報を洩らすとどこからリークするか分かりませんしね。あの非能率なCIAとの共同作戦だけは最初から願い下げだし。でもCIAの上層部は知っていたんでしょうな
イツハク・ハレルヤ顧問:
むろんホワイトハウスには事前に連絡はしてあったからな。ただ、いつ、どこでやるかは話してない。これはWTCのオペレーションと同じさ。あの時も9月11日にニューヨーク近辺でやるってこと以外は話してなかったんだが、今回は時間さえ話してなかった。むろん米軍の下っ端は何も知らされてなかったわけだ。
ベニヤミン・カバコフ非合法工作部長:
それで奴らもウチがあの2人を殺った後大混乱したわけですな。
イツハク・ハレルヤ顧問:
後は米軍の問題で、ウチの問題じゃない。米軍が殺ったっていう噂が広まるのも困りもんだが、例によって大手メディアはウチの秘密顧問のルパート当たりが、当の日本も含めてカバーしてるから心配ないよ。それに今回はちょっと手の込んだ芝居も打ったしね。
ベニヤミン・カバコフ非合法工作部長:
例の映像ですな。
イツハク・ハレルヤ顧問:
あの外交官の血まみれの死に顔を、あたかもアングラメディアが勝手に流したかのように見せかけて流したんだな、これが。おまけに日本の外務省に抗議声明を出させて話を大きくして、逆にこの映像の大宣伝をするっていう戦略だったんだが、見事に大当たりさ。政府があれだけ抗議するってことは相当残酷な映像に違いないってことで、怖いもの見たさで一杯の大衆が飛びつかないわけないよな。結果として「我が国の外交官がこんな目に遭わされて黙っていられるか」っていう世論を盛り上げるのに絶好の材料を提供してくれたわけだ。
ベニヤミン・カバコフ非合法工作部長:
インターネットを逆手に取ったプロパガンダですな。これも例の広告代理店のアイデアですか。
イツハク・ハレルヤ顧問:
ま、大きな声じゃ言えないが、そうだ。
ベニヤミン・カバコフ非合法工作部長:
日本人も真面目に車やテレビを作るのは得意でも、こういう謀略には全く弱い国民ですからな。
イツハク・ハレルヤ顧問:
第一次大戦の昔から戦争挑発の時は必ず使う手なんだが、大衆は歴史の本なんか読まないからな。いつの時代もいいカモなんだよ。日本も終戦後60年たって、第二次大戦の記憶をfirst-handでもっている世代はどんどん消え去りつつあるからね。そろそろ良いチャンスなのさ。それに戦略も戦術も超一流のエキスパートを揃えたウチの系列広告代理店にかかったら、どこの国民だろうがイチコロだよ。何しろ大衆心理操作のプロが諜報機関と結託して作戦に当たるんだからな。無敵さ。
(最近の事件にヒントをとったフィクションです。: 週間戦争屋編集部)