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『独裁者』の口 のぞけば米の暗部が…(東京新聞)
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投稿者 えっくす 日時 2003 年 12 月 19 日 15:46:28:NkRlU8kX8B.A6


『独裁者』の口 のぞけば米の暗部が…

 「取引したい」。米軍に身柄拘束された際、フセイン元大統領が吐いた言葉とされる。発言の真偽はともかく、米国の側にも「独裁者」に握られた「弱み」がある。イラン・イラク戦争時代、フセイン政権を軍事支援し「テロ支援国家」の下地をつくったのはほかならぬ米国だ。法廷でばらされては困る過去の暗部もあるだろう。公の場でどう裁くというのか−。

■「政治家暗殺へ CIAが雇う」

 「サダムは、彼に反対する人々にとって好ましくないことを話すだろう」

 「(フセイン氏が)公平で自由な裁判が受けられるか、疑問がある」

 そう強調したのはイランのハタミ大統領だ。イスラム革命後のイランと敵対した米国は、「敵の敵」であるイラクに軍資金や武器供与を続けた。蜜月時代があったからこそ知り得た米国の「闇の工作」を、ブッシュ政権は暴かれたくないだろうという指摘だ。

 フセイン氏に証言されると米国が困る情報とは、具体的にどのような内容なのか。米国の国際戦略に詳しいニューヨーク州・バード大のジョエル・コベル教授は「サダムがまだどんな力も持っていない二十代のころ、イラクの政治家の暗殺のために米中央情報局(CIA)が雇ったのがサダムだとされている」と指摘する。

 放送大学助教授の高橋和夫氏もこう解説する。

 「一九五九年、イラクのカセム将軍暗殺に失敗しカイロに亡命したフセイン氏にCIAが将来、手先として使おうと接触していた可能性が高い。米国の高官の中には過去、企業経営者としてフセイン氏に多額のわいろを提供していた人物も多い。裁判証言で実名が出されるのを嫌がるだろう」

 中東経済研究所主任研究員の立花亨氏は「イ・イ戦争中、米国は軍事衛星情報をイラクに流した。使用された毒ガスの材料も提供していた疑惑もある」。

 昨年九月には、レーガン政権下の八〇年代に、米国がボツリヌス菌や炭疽(たんそ)菌などのサンプルを直接イラクに提供したことが、米議会に提出された資料で明らかになっている。これが「汚い兵器」と呼ばれる化学兵器開発につながったとみられている。

■クルド人虐殺で議会は制裁否決

 中東調査会客員研究員の大野元裕氏は「八八年に、イラクの化学兵器によるクルド人虐殺事件が発覚した時、米議会は対イラク制裁を否決。農業借款を再開する便宜も図った。それを後ろで支えたのがラムズフェルド米国防長官ら。化学兵器などの裏事情を暴露されたくなかったのだろう」。

 八四年に米国はイラクをテロ支援国リストから外しハイテク技術の輸出制限を緩和。これで大量破壊兵器の開発を可能にするスーパーコンピューターなどを輸入できるようになった。

 国際政治学者の浜田和幸氏は「米国が困るのは、大量破壊兵器に関してしゃべられることだ」と断じる。

 「イラクがどういう生物化学兵器を持っているかを米国は熟知している。もともと材料を米国が売ったのだから。カーター以降の歴代政権内部での石油利権も表ざたにしてほしくない話だ。八三年に中東特使としてフセインと会談したラムズフェルド国防長官は(米石油関連サービス大手の)ハリバートンの代理人としてパイプラインの建設に関する交渉をしたともされている」と指摘する。

 だが、「フセイン拘束」に酔う米メディアは、米国とイラクの「過去」に触れようとはしない。

 明治学院大の川上和久教授(メディア論)は「米国はフセイン逮捕以降、情報を巧妙にコントロールしていて、不都合な情報を排除している。その広報戦略はほぼ百パーセント成功している」と説明する。

 「国防総省は、フセインを生きて捕らえた場合と死んだ場合との広報について綿密な計画を立てていた。直後にフセインの映像を流したのも計画に基づいている。フセインの二人の息子が死亡した際に、イラクでは『死んでいない』といううわさが流れたので、確実に本物を捕らえたことを印象づけるために、直ちにビデオを流している」

 そんな中で川上教授が注目しているのが、フセイン元大統領拘束直後に「(大量破壊兵器を)持っていない」という供述が米誌などにリークされた点だ。

 「米国民が喜んでいるどさくさにまぎれて、大量破壊兵器については、この供述ですべて終わりにする戦略ではないか」と話した。

 現在、元大統領はCIAなどが取り調べているが、前出の浜田氏は「フセインと裏取引を行っている節がある」と話す。

 「米政権にとって、公開の裁判でフセインが『米国に言われて…』『米国のために…』などと過去の密約などをしゃべることは避けたい。死刑にしない代わりに、口止めをすることは十分ありえる」と説明する。

 さらに浜田氏は「フセインの精神状態が不安定で、つじつまの合わない話をしているとの情報もある」と指摘した上で、こう推測する。「供述内容がどこまで本当か分からないが、裏取引とともに、どんな証言も精神に異常をきたした末の“妄言”とみなされてしまえば実質的な口封じになる。精神鑑定をして『裁判には耐えられない』とすることもありうる」

■イランは強硬に事実解明を要求

 だが、米国は、何らかの国際的な法廷の場で、独裁者を裁くことを約束している。裁判の前に、米国とフセイン氏が何らかの「司法取引」をするのも現実には容易ではないと、前出の大野氏は分析する。「司法取引でフセイン氏が死刑を免れた場合、独裁体制で苦しめられたイラク国民が納得するのか。そのあたりのイラク人感情に配慮し、処刑する可能性が高い」

 立花氏も同様の見解だ。「米国も大量破壊兵器の証拠が出てくる可能性をほぼあきらめている。そもそも取引が成立する条件がない」と予想する。「イラク人に手を下させてフセイン氏を処刑する可能性が高い。法廷は形式上の“茶番”で、米国の強い影響下で行われる。フセイン氏を殉教者にさせないためには、それしか手段がない」

 ただ、フセイン氏の口を封じたまま、葬り去るのも難しい。高橋氏は言う。

 「米国としては、フセイン氏に余計なことをしゃべられるより、イラク人の手で早く処刑してもらいたいだろう。しかし、国際世論が許さない。その代表がイランのハタミ大統領で、過去の事実を明らかにすることを強硬に求めている」

■フセイン元大統領拘束以降の発言

 (米誌などから)

 「撃つな。私はサダム・フセインだ。イラクの大統領だ」「取引したいのだが…」(拘束時、米兵に)

 「彼らはみな泥棒かイランのスパイだったからだ」(面会したイラク統治評議会メンバーの「なぜ大勢の人々を虐殺した」との質問に)

 「(大量破壊兵器は)持っていない。もちろんない。米国がわが国と戦争するために夢想したのではないか」「(国連査察官を施設内に入れなかったのは)大統領施設内に彼らを入れ、プライバシーを侵害されたくなかった」

 「(取調官に「元気か」と問われ)私は悲しい。わが国民はとらわれの身にあるからだ」「(水を飲むように勧めると)私が水を飲めば、トイレに行かなければならなくなる。国民がとらわれの身にあるとき、どうして私がトイレなど使うことができようか」(いずれも1回目の尋問調書)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20031219/mng_____tokuho__000.shtml

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