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毎日新聞12月17日
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031217k0000e030035000c.html
フセイン拘束:
「戦争捕虜」と同等の待遇 米国防長官
【ワシントン和田浩明】ラムズフェルド米国防長官は16日の記者会見で、フセイン・イラク元大統領の処遇について「戦争捕虜としての保護を与えられているが、現段階では法的に戦争捕虜だというわけではない」と説明した。「戦争捕虜」ではないとしつつ、実態としてはそれと同等の待遇を与えている、との見解を示したもの。捕虜の保護を規定するジュネーブ条約に基づき国際赤十字がフセイン元大統領への接見を求めていることや、拘束下の元大統領の映像公開が同条約違反だとの指摘を受け、身柄の位置づけを玉虫色にしているものとみられる。
また、同長官は元大統領の尋問の担当を米中央情報局(CIA)のテネット長官に依頼したと明らかにし、尋問者や質問内容の決定、供述内容の管理をCIAが行うと説明した。拘束したのは駐留米軍だが、CIAがイラクでの大量破壊兵器調査や、国際テロ組織「アルカイダ」とフセイン政権の関係の情報収集を主導していたことを考慮した決定といえる。
同長官は、フセイン元大統領の映像公開の意図について、元大統領の復帰がありえないことを物理的に証明し、抵抗勢力による攻撃をけん制して被害を減らそうとしたと説明。「ジュネーブ条約に抵触するとは考えられない」と語った。
また、法的に戦争捕虜とは見なさないとの立場については「(法的身分の決定は)大統領や、大統領が指名する人々の意見が反映されるべき事柄だ」と述べ、米政府関連機関で構成する委員会が決定することになるとの見通しを示した。
このほか、フセイン元大統領が弁護士を選任できるかどうかについて同長官は「法律家が検討する問題だ」としながら、「最終的には裁判が行われるはずで、そうなれば通常の手続きが取られるだろう」と述べた。
◎ことば=ジュネーブ条約
武力紛争時の陸上、海上での傷病兵、捕虜、文民の保護について定めた国際条約。四つの条約(1949年)と二つの追加議定書(77年)からなる。捕虜に関する条約では、どのような時も捕虜や抑留者を人間らしく扱い、命と尊厳、個人的権利と信念を尊重し、拷問や体罰、残虐で品位を汚す扱いを禁じている。また、侮辱や公衆の好奇心から保護しなければならないと規定している。今年12月時点で、四つの条約には191カ国が署名、イラクも56年に署名している。
[毎日新聞12月17日] ( 2003-12-17-11:20 )