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フセイン氏拘束:ルポ いとこの供述,決め手に?
【バグダッド福島良典】フセイン元大統領が米軍によって発見されたイラク北部ティクリート近郊のアッドール村では、拘束発表から一夜明けた15日、米軍がものものしく警戒に当たっていた。住民の間では元大統領の潜伏期間や米軍への情報提供者の名をめぐり、さまざまな情報が錯そう。元大統領の支持派が多い地区だけに、「我々はフセイン元大統領を愛す。米兵を殺したい」などと怒りの言葉が飛び交っていた。
毎日新聞のイラク人助手が現地で取材した。それによると、拘束場所のチグリス川に面した農家の敷地近くには、米軍ヘリ3機が着陸、米兵が現場を包囲し、周囲を監視していた。報道陣約15人も詰め掛けていた。
隠れ場所としていた敷地の一角は、元大統領が毎年のように地元の式典で、川を泳いで渡っていた所の近く。近隣住民の話では、土地の持ち主のナーマクさんと息子3人は式典の際に元大統領と親しくなったという。
元大統領がいつから潜伏していたかについては住民の間で「1週間前に来た」から「バグダッドが陥落した今年4月9日以来、時折、隠れ場所として使っていた」まで諸説が入り乱れていた。
近所の学生、サファ・ハシムさん(18)によると、13日午後8時ごろ、友人と爆発音を聞きつけ駆けつけると、ナーマクさんの息子カイスさん宅の正門が爆破されていたという。米軍は当初、元大統領を捜しあぐねていたが、近くで地下につながる穴蔵を見つけ、「『投降するか、さもなくば殺す』と脅した」(ハシムさん)という。
穴蔵はナーマクさんが旧政権の崩壊を受け、4月9日以降に自分で掘ったらしい。元大統領でなく、行方を追われていた自分の兄弟をかくまうためだったとされる。
支配政党バース党幹部だったことを理由に教職を追われたアブドラ・ラザク・アブドラさん(45)の話では、米軍は元大統領のいとこのアドナン・イブラヒム・アル・ハッサン氏を最近、拘束しており、彼の供述が元大統領の拘束につながった可能性が高いという。
近所に住む学生、アハメド・ヌーリ・ラマダンさん(18)は肌身離さず持ち歩いている元大統領の写真を見せ、「サダム(フセイン元大統領)はイラク国民の王冠のようなものだ」とたたえた。また、「米軍は平和な家庭を攻撃している。悪いイラク人が米国に協力している」と怒りをあらわにした。
主婦のワスフ・アミンさん(70)は「サダムはイラクの英雄だ。拘束は悲しく、憤っている」と語った。傍らで少年たちが「サダムはアラブの誇りだ」と口々に叫んでいた。
[毎日新聞12月16日] ( 2003-12-16-15:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031216k0000e030074000c.html