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昨日の朝日の夕刊に、
「粛正と弾圧の20年…相次ぐ戦争 国民疲弊」
という記事が出ていました。
だから「サダム・フセインをやっつけたのは、いいことだったのだ」
と言いたいのだと思います。
こうした考え方は、決して日米の政権やメディアだけでなく、
多くの人々の共通認識になっていると思います。
まさにそのとおりなのかもしれません。
しかし、これは「目クソが鼻クソを嗤う」ようなものです。
というのも、フセイン政権下のイラク国民は、戦争で苦しみ、
暮らしでも犠牲が多かったわけですが、
それはそのまま、アメリカにも言うことができるからです。
『戦争中毒』という本は、その事実を詳しく伝えています。
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=26
その中から、ほんの一部だけ抜粋してみます。
………………………………………………………………………………………………
●第５章「軍国主義の高い代償」
2002年会計年度軍事予算…3465億ドル
この巨大な軍備を維持していくのは高くつく。
1948年以降、アメリカはその軍事力を築きあげるために、
15兆ドル以上を費やしてきた。
この出費が、国民に重い負担となってのしかかってくる。
世界最強の軍を作り上げるために、
１世帯平均、年間4000ドル近い額を「税金」として支払っていることになる。
（いまはこれに、さらに拍車がかかっていますねぇ）
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=127
そして、社会福祉事業などの予算は、どんどん減らされている。
・橋や道路や上下水道はボロボロ。
・バス料金の値上がり、本数も大幅減。
・学校は荒れ、定員オーバー、識字率の低下。
・4300万人が保険に加入できす、数百万人が不十分な保険にしか入ってない。
・公立病院が次々と閉鎖。
・妊婦の５分の１は、妊娠中の定期検診サービスを受けられず、
先進国のなかで幼児死亡率が一番高い（日本の２倍）。
・アメリカでは貧困や飢えのために、50分に１人の割で子供が死亡。
・家賃の値上がりや賃金低下によって、数百万の家族が立ち退きを迫られ、
数百万人がホームレスになるはめになっている。
・数百万人が薬物中毒やアルコール中毒に冒され、家族崩壊、地域荒廃が起きている。
軍事費のおかげで税金は高くなり、巣赤い福祉は貧弱になるばかりだが、
それだけではない。たとえば…、
核兵器を作るためにアメリカではかつてないほどの環境破壊が引き起こされている。
この数十年の間、エネルギー省関連の100カ所以上の核兵器製造施設が
放射性汚染物質を大気中に吐き出し、河川の流れ込み、土壌や地下水を汚染してきた。
もちろん施設で働く人々や、近くに住む人々をも、
致命的な放射能汚染にさらしている。
こうした放射能汚染物質を取り除くには、
2万5000人の労働者が30年以上かかると政府は算定しており、
その費用は3000億ドル以上がかかるという。
もちろんそのためのお金のは、結局国民の税金だ。
核兵器の実験は、アメリカ南西部や南太平洋の広大な地域に、
致死性のプルトニウムをまき散らした。
その実験に参加した45万8000人のアメリカ兵の多くが、
いまガンで死にかけている。
アメリカでは、ほとんどの人が軍国主義のために高いつけを払わされているが、
そのなかでも最も高い犠牲を押し付けられているのが、
海外の戦争に派遣された何百万人もの兵士たちだ。
1950年の朝鮮戦争以来、外国の戦争で10万人以上のアメリカ兵が死んでいる。
そのうえ、何十万人もの兵士たちが負傷し、
その多くは回復不可能な身体障害者になっている。
湾岸戦争に従軍した人の多くが、「湾岸戦争症候群」に苦しんでいる。
生き残った兵士たちの脳裏からは、戦争の悪夢がずっと離れない。
50万人にのぼるベトナム戦争の帰還兵たちは、戦争の恐ろしい記憶に悩まされ、
トラウマ的なストレス症に見舞われている。
戦争が終わってから自殺したベトナム帰還兵の数は、
ベトナム戦争で死亡したアメリカ兵の数より多いのだ。
「いまも毎年、兵役中の軍人が何百人と自殺しています」
●参考↓
兵士たちよ、人間らしさを手放すな
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=129
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=133
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=185
http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=248
最大の不公平は、戦争を始めた人が、戦場に立ったり、
戦死することは決してないということだ。
そして、その一方で、戦争から巨大な利益を上げている者たちもいる。
10万社を越える企業が、国防総省というエサ場で、エサをあさる。
しかしその巨額のお金のほとんどは、ほんの一握りの企業に流れて行く。
（ロッキード、ボーイング、ゼネラルダイナミックス、レイセオン、
ユナイテッドテクノロジー、テキシトロン、グラマン、レイセオンetc.）
これらの企業を所有する一族は、国防総省の散在のおかげで大いに儲かっている。
だから当然、ワシントンの友人や恩人たちに分け前を差し出す。
………………………………………………………………………………………………
目クソ（ブッシュ）が鼻クソ（サダム）を嗤うとは、このことです。
イラクの国民だけでなく、アメリカの国民（兵士含む）も
「国家の戦争」でひどい犠牲を払ってきています。
これまでの日本には、幸いにもこうした戦争被害はあまりなく、
むしろ朝鮮戦争やベトナム戦争に便乗して経済的な利益を得てきましたが、
いよいよ「イラク派遣」が始まるこれからの時代は、
日本にもアメリカ事情とほぼ同じようなことが起こってくるでしょう。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。