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Re: ↑↓本文無し。大統領選挙出馬候補への牽制として今回の発表のタイミングもありか。
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1122.html
投稿者 百川 日時 2003 年 12 月 15 日 23:55:42:tVEVJHiXtYXy2

(回答先: 先程のTBS緊急報道内では民家の(何処?)穴の中に隠れて居た所を捕まえ、抵抗も見せず協力的との米報道。 投稿者 百川 日時 2003 年 12 月 14 日 23:00:09)


※今から3年前の記事。ちょっと思うところありで記録。

◎米大統領選挙結果への日本の反響


平成12年12月25日

 開票をめぐる混乱が続いていた米大統領選は12月13日、対立候補の民主党ゴア氏が敗北を認めたことで、共和党ブッシュ氏の当選が確定した。新聞各紙にみる日本の大統領選関係の反響の主なものは次の通りである。

 〔混乱について〕日本人にとって、米大統領選挙のごたごたは大きな驚きだった。猿谷要東京女子大名誉教授は「惨憺たる凡戦」と酷評した。しかし、同氏は一方で「最後の最後まで情報が公開」された点で、「ボス数人が密室で談合し、首相を決めた国(日本)とは大違い。さすが米国だと感心した」との見解を表明した。近藤剛伊藤忠商事常任顧問の「米国の民主主義のいい面を見せてくれた」という発言は、知米派の受け止め方を代表しているようだ。一方で、伊藤隆敏大蔵相副財務官は投票用紙の不統一などの問題点を指摘した上で、「米国民も『しまった』と思っているのではないか」とし、米民主主義を美化する論調にクギを刺した。ゴア氏が総得票数でブッシュ氏を上回ったことで、ブッシュ次期大統領の正当性を疑問視する議論に対しては、槙原稔三菱商事会長が「挙国一致で新しい大統領を支持していくはずだ」と否定。猪口孝東大教授は、歴史に残る接戦となったこと、上下両院の勢力が伯仲していることを理由に「ブッシュ氏は今後の政策実行にあたり、党派色を出しにくい状況」と指摘、「かなり弱い大統領になる」と予測する。逆に中西輝政京大教授は、当初はともかく「ブッシュ政権は遅かれ早かれ非常に力強いイニシアチブを発揮するだろう」とみている。
 〔対日外交について〕多くの知日派が起用される見通しのブッシュ次期政権に対しては、官民を問わず歓迎する関係者が多い。ただ、選挙をめぐる混乱で、対日戦略の確立が遅れ、思わぬ余波があり得ると懸念するとの懸念も一部で指摘された。ブッシュ政権の外交政策について、外交評論家の岡本行夫氏は「経済最優先だったクリントン政権に比べ、ブッシュ次期政権は安全保障を経済と並ぶ重要課題に据える」との見解だが、「東アジアでの軍事戦略そのものに大きな変化はない」とみている。ただ、対中、対北朝鮮外交の変化は予想され、それが対日外交にも微妙に影響するという。
 多くの識者は、日米関係を重視するアーミテージ元国防次官補が中心となって、 10月中旬にまとめた提言「日米、成熟したパートナーシップに向けて」に言及している。この提言は、沖縄駐留の海兵隊の規模縮小、訓練場所の移転、集団的自衛権の容認、国連平和維持活動(PKO)参加5原則の撤廃などを求めている。同氏が政権入りする可能性は高い。斉藤邦彦前駐米大使は「日本重視の政権はありがたいが、それは同時に日本へのより大きな期待ということになる」と、楽観論を戒めている。
 〔通商政策について〕クリントン政権前半のように、個別分野で露骨な対日圧力を加えてくる可能性は小さいと言う見方が大勢。ただ、日米貿易不均衡が増大しているのも事実で、日米摩擦が再燃しないための前提は、米経済が軟着陸することにあるという点で、政府・民間関係者の認識は一致している。
 近藤氏は、米経済の軟着陸を可能にする唯一の方法は、日本の内需拡大だとした上で「(ブッシュ政権の)対日経済政策の基本は、構造改革実現を求めることだ」と予測する。今井敬経団連会長も「構造改革を進めなければ摩擦は再燃する」と発言している。また、槙原氏は、世界貿易機関(WTO)立ち上げについて、労組に縛られる民主党政権に比べ、柔軟な対応が可能になるのではないか、との期待感を示している。

◆日本重視路線の内容に関心−新聞論調
 ブッシュ氏の当選が確定したのを受け、各紙(12月15日付)は社説を掲げた。朝日は「ブッシュ氏は獲得した選挙人数ではゴア氏を4人上回ったが、全国の得票数ではゴア氏に及ばない。建国以来の間接選挙制度が現代に適合するものかどうか、米国民は改めて考えた方が良いのではないか」と、米選挙制度に疑問を投げ掛けた。
 読売は「フロリダのしこりをひきずって感情的な党派対立を深める事態は、避けなければならない。国際社会での米国の指導力低下につながり、世界の混迷を招く恐れがある」とし、ブッシュ氏の手腕に期待を表明した。毎日は「現政権のアジア外交は一貫性を欠き、日本が振り回されることが多かった。新政権には、まず一貫した対日政策と不断の対話と協調を注文しておきたい」とした上で「日本でも長期戦略と展望に立って対話できる指導者が求められている」と結んだ。
 日経は「得票総数はゴア氏が上回ったが、選挙は一定のルールで戦われるゲームであり、米国が連邦国家である以上、結果を結果として受け止める以外ない」との立場を表明。ブッシュ氏の課題として?@党派対立の克服?A米国経済の運営?B米中関係の運営—を指摘し、対日関係については「新政権は、日本をよく知り、日本を重視する政権であるがゆえに、対応が難しい政権になる」との見方を示した。東京も「次期政権の中核スタッフが打ち出す『日米同盟』重視路線は(中略)多様で厳しい要請が伴うとみるべきだ」と論じた。産経は「ブッシュ政権にはチェイニー元国防長官のほか、国務長官と目されているパウエル元統合参謀本部議長など父親の人脈が多い。ブッシュ・ジュニアがこうした人脈を巧みに生かせるかどうかも関心のあるところだ」と述べた。
(了)
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※1年前の記事から
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ブッシュ共和党 両院支配の波紋http://www.mainichi.co.jp/eye/states/2002/rensai/hamon/01.html
“戦時人気”で牙城確立
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 ◇大統領選を見据え、体面構わぬ遊説も奏功

 米中間選挙は共和党の「上下両院支配」という新たな政治地図を描き出した。外交や内政などさまざまな分野で、ブッシュ政権が保守色を強めるのは必至の情勢だ。米国はどこに向かうのか。審判の背景を追いながら検証する。【ワシントン河野俊史】

 「ブッシュ大統領と共和党は今晩、歴史をつくった」。6日未明のホワイトハウスで、フライシャー大統領報道官は誇らしげに言った。開票が進み、共和党の上下両院支配が確定的になった直後のことだ。

 この夜、ブッシュ大統領は共和党指導者らとホワイトハウスの居住区でテレビ中継を見守り、当選を決めた候補者らに30本以上のお祝い電話をかけまくった。中間選挙で政権与党が議席を増やすこと自体がまれなのに、上院の勢力逆転という念願までかなった。とりわけ、実弟のブッシュ・フロリダ州知事の再選に「大統領は大層ご満悦」(同報道官)という。

 投票日直前の5日間、ブッシュ大統領は15州の17都市で、ノンストップの「駆け込み」遊説を展開した。上院選や知事選の激戦区だけでなく、下院選の候補の応援にも顔を出す異例のキャンペーンだった。安全保障問題に限らず、教育や医療など身近なテーマにも踏み込み、先々で「○○候補のおかげで、この州の学校予算として△△億ドルが連邦から認められた」と繰り返した。利益誘導型の決まり文句の演説はワシントン・ポスト紙から「クッキー・カッター」(クッキーの抜き型)と皮肉られたほどだ。

 ホワイトハウスには当初、「本来の国家的課題への取り組みに支障をきたす」として選挙応援に慎重な意見が強かったという。しかし、大統領の決断の背景には、体面はどうあれ上下両院の共和党の議席を一つでも確実にすることで、今後2年間の議会対策を優位に進め、04年の大統領選への布石を打つ明白な意思が見えた。イラクや北朝鮮をめぐる当面の懸案への対応だけでなく、“戦時人気”にあやかって「保守の牙城」を一気に確立しようというもくろみだ。

 象徴的なのが連邦裁判官の人事。任命には上院の承認が必要だが、これまでは民主党に1議席差で主導権を握られていたため、保守色の強い裁判官を思惑通りに配置することができなかった。一方で、サンフランシスコの連邦判事が先週、クジラに危害が及ぶ恐れがあることを理由に米海軍の新型ソナー(海中音波探知装置)の使用を差し止める決定を出したり、6月には連邦高裁が小中学校で慣例化している星条旗への「忠誠の誓い」に違憲判決を下すなど、ブッシュ政権はリベラルな裁判官の動向に神経をとがらせてきた。共和党が上院を制すれば、「保守の価値観」を植え付けることが可能なわけだ。

 さらに、テロ対策を統括する新組織「国土安全保障省」の創設や減税、エネルギーがらみの問題でも主導権を握れる。中間選挙の結果は、そのシナリオを現実のものにした。父親のブッシュ元大統領の例をあげるまでもなく、戦時人気はいずれ沈静化する。その経験を知るからこそ、大統領は「テロとの戦争」という追い風を最大限生かし、巧妙に足元固めを図った。

 世論調査機関「ピュー・リサーチセンター」によると、今回の中間選挙を「ブッシュ大統領の信任投票」と位置付けている有権者は共和党支持者で54%に上った。一方で民主党支持者の56%が「大統領は関係ない」と回答。ブッシュ政権が保守的価値観を強めれば強めるほど、そこに「逆バネ」も働く。新たな確執の芽がくすぶり始めている。

(毎日新聞2002年11月7日東京朝刊から)
内政次第で強硬路線に
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 ◇「身勝手外交」の拍車懸念

 ブッシュ政権にはもともと「ユニラテラリズム(一方的外交、単独行動主義)」と表現される身勝手で強引な傾向があった。中間選挙で政権与党の共和党が上下両院の主導権を握り、この傾向がもっと強まるのではないか——そんな懸念が国際社会に広がっている。実際はどうなのか。

 「大勝利だった。大統領は品位を保つのが最上と考えて、きょうは公式の発言はしない」

 投開票から一夜明けた6日。フライシャー大統領報道官はそう説明してから記者団の質問を受けた。質疑の大半は内政問題だった。

 1月から多数派になる上院共和党のロット院内総務も同日、記者会見した。こちらはさらに国内志向で、選挙結果の国際的な評価を問われ、「国際的にどう受け止められるかという理由で、オレゴン州やコロラド州の票が動いたとは思わない」と率直に話した。

 唯一の超大国(米国)の外交も、当然内政の事情に左右される。例えば地球温暖化防止を目指す京都議定書からの離脱が、国内産業の利益を背景としていたのは明白だ。国際的に評判の悪い「身勝手外交」の裏には必ずこの種の利害や政治的配慮がある。

 イラク問題にも政権のさまざまな思惑が絡む。ブッシュ大統領は選挙遊説では必ずフセイン・イラク政権を非難し、立ち向かう決意を強調した。これが結果的に共和党の得票増加につながったことを、民主党も認めている。

 ただ、選挙に勝ったからといって、イラク攻撃の可能性が飛躍的に高まったというわけではない。「やりやすくなったのは事実」(外交筋)としても、余裕が生じたことで強硬手段以外の選択肢が広がった面もある。

 結局、懸念されるのは「必要な時にチェック・アンド・バランス(行き過ぎを抑制し均衡をとる働き)が利かなくなる」(ダシュル民主党上院院内総務)という事態だ。特に内政上の事情で戦争に走り出しそうな時、野党のブレーキがかからないのは危険だと言える。

 現実の米外交は多角的かつ重層的だ。5日には大統領がイスラム世界のラマダン(断食月)に向けたメッセージを発表。6日の国務省の会見では、バウチャー報道官がイラクや北朝鮮の問題から、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に米国が復帰する手続きに至るまで、幅広い質問に答えた。

 ただ、現実のホワイトハウスや議会は、時に単純な内政事情を主軸に動く。危険はそこにある。【ワシントン中島哲夫】

(毎日新聞2002年11月8日東京朝刊から)
“用心深い”楽観論
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 ◇「雇用」で再選戦略に陰

 「米経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)は良好だが、私は現状に満足していない。雇用創出に向け、成長ペースを一層加速させなければ」——。ブッシュ大統領は7日の会見でも、中間選挙期間中と同様、景気見通しに“用心深い楽観論”を繰り返した。

 景気の先行き懸念が高まる中での選挙戦。ブッシュ政権と共和党が考えたのが「民主党の経済失政批判をかわしつつ、景気回復への有権者の期待をつなぎとめる」(外交筋)という苦肉の策だ。対テロ戦やイラクへの強硬姿勢を前面に出す「愛国戦略」との組み合わせは、アキレスけんだった経済問題という争点をぼかし、勝利に貢献した。

 だが、景気の実態は、用心深い楽観論では語れないほど厳しさを増している。これまで「米景気は緩やかな回復過程」(グリーンスパン議長)との見方を示してきた米連邦準備制度理事会(FRB)は6日、11カ月ぶりに追加利下げに踏み切った。市場の予想を上回る0・5%の利下げは、「中間選挙の政治的圧力から解放され、率直な景気認識を打ち出した」(米系証券)ようにも映る。

 今秋に入って景気先行き懸念が加速したのは、10月の米失業率が5・7%に上昇し、雇用情勢に再び悪化の兆しが出た上、同月の米消費者信頼感指数が9年ぶりの低水準に急落するなど消費者心理の悪化が顕著になったためだ。

 市場では、「個人消費腰折れ→企業業績の一層の低迷→個人の所得・雇用環境の一段の悪化」をたどる最悪の「ダブルディップ(景気の底割れ)」シナリオを逃れたとしても、90年代初めに似た回復実感の乏しい「ジョブレス・リカバリー(雇用なき回復)」(米国野村総合研究所)に陥る可能性が指摘されている。

 「ジョブレス・リカバリー」の政治的リスクの大きさは、湾岸戦争の勝利で国民の9割から支持を受けながら、92年の大統領選で再選に失敗した父、ブッシュ元大統領の例で実証済み。中間選挙に勝ったとはいえ、2年後の大統領選で父同様に雇用問題を厳しく問われるのは必至だ。

 大統領は年明け早々に新たな経済対策を打ち出す方針だが、財政が急速に悪化する中、制約は大きい。対テロ戦費の増加などで02年度の財政赤字は約1600億ドル(19兆4000億円)に急増。イラク攻撃に踏み切れば、「1000億〜2000億ドルの臨時支出」が加わることも想定される。勝利の喜びを抑える大統領の姿には、再選戦略を描き切れないもどかしさも垣間見える。【ワシントン竹川正記】

(毎日新聞2002年11月10日東京朝刊から)

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