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スペイン人たちは1939年から1976年までの期間をepoca de dicdadura つまり「独裁の時代」と呼びます。独裁政治がどれほど人間の心に大きな傷と恨みを残してしまうか、彼らは身にしみて知っています。与党国民党(フランコ政権を支えたファランヘ党のなれの果て、もちろん当時の綱領は廃止されている)にとってすら、表立ってフランコを賞賛することははばかられます。
特にバルセロナを首都とするカタルーニャやバスクなどでは、独裁時代には民族言語の使用と教育を禁止され独自文化を禁圧され、いまだに多くの人々の心には癒せない傷が残っており、カタルーニャでは、ジョアン・マニエル・セラット、リュイス・リャック、マリア・デル・マルボネットなど、フランコ時代に逮捕覚悟でカタルーニャ語の歌を歌った歌手たちのコンサートは、今でも老若男女の観衆で満員の盛況が続いています。当然ですが政府与党の国民党は惨めなくらいに少数派で、先日行われたカタルーニャ州議会選挙では137議席中15議席です。(15議席も取れたことには驚きますが。)また、先日幹部がフランスで逮捕され、おそらく壊滅的になったといわれるバスク民族主義者のテロ組織ETAは、ある意味で独裁政治の悪影響が延々と続いている証拠なのでしょう。(私がバルセロナに来てから7年ほどですが、この間にバルセロナとその近郊で4回ほどの爆破テロや2回の銃殺事件で4名ほどの人が亡くなりました。)
独裁者フセインの拘束は、多くのイラク国民にとっては本来なら喜ぶべきことなのでしょう。しかし、独裁者の後にはもっと邪悪でもっと破壊的な力が、しかも外国からやってきています。彼らはイラク人同士の間により多くの憎しみと悲しみを作り、その富を思うがままに吸い上げようとたくらみ、さらにこれをきっかけに、新たな「世界秩序」を構築するために世界を流動化させよう、とたくらんでいるかに見えます。
以下の最近の私の報告もご参照ください。
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/873.html
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/580.html
最後に、昔話を一つ。これは私にとってもまたぎきで、ひょっとしたら原典とは多少違っているかも知れませんが。
昔、ギリシャのシラクサの国に悪逆無道な王様がいました。あるときその王様は、国内での自分の評判が気になって、平民の格好をして街を歩き人々の噂話に耳をすませていました。とある神殿のそばに来たときです。一人の老女が涙を流しながら王様の長寿を熱心に神に祈っているではありませんか。感激した王様は、「ばあさん、あんたはなぜ王に長生きしてほしいのかね。」と尋ねました。すると老女はこのように答えました。「私が子供のときからずっと、王様が代わるたびに以前よりも悪いヤツが王様になってきました。そして今の王様が今までで最悪の暴君です。しかしこの王様が死ねば、それよりももっとひどい王様が現れるに違いないでしょう。ですからせめて私が生きている間は今の王様に死んでほしくないのです。」