現在地 HOME > 掲示板 > 戦争43 > 985.html ★阿修羅♪ |
|
http://www.asahi.com/national/update/1202/005.html
イラクの日本人外交官殺害事件を受け、現地の日本人外交官らの警備態勢がこのままでいいか、問い直されている。外務省は警備対策官や防弾車の数を増やすなど警備強化に乗り出した。しかし「重武装の車列は逆に目立つ」との見方もある。「正解」のない戦地での安全管理。同省幹部はジレンマに陥る。
同省警備対策室によると、奥克彦在英大使館参事官(45)らが乗っていた車両は、ピストルなどの軽火器で襲撃された場合、高速度で逃げ去ることを目的に改造された「軽防弾車」。防弾チョッキなどに使われる特殊な繊維と樹脂の複合材で運転席や助手席が補強されているだけで、機動性に重点がおかれているという。
カラシニコフなどの強力な軍用銃にはあまり効果がないといい、同省では鋼板などでさらに車体を強化し、手榴弾(しゅりゅうだん)を踏んでも耐えられる「本防弾車」の台数を増やすことにしている。
しかし、武装した警備を伴う車列は「より危険」という見方もある。現地で活動する日本の非政府組織(NGO)の間では「わざとぼろぼろの車を使う」のが慣例。「いかにも外交官や金持ちが乗りそうな車ほど、狙われやすい」という声もある。
2人はなぜ武装した警備員を同伴しなかったのか。同省によると、大使館では、移動の際の警備員の同伴を勧めていた。しかし奥参事官が出入りしていた暫定占領当局(CPA)は建物内への警備員の同伴を認めておらず、「身軽に動こうと考えたのではないか」という幹部もいる。
欧米などバグダッドに公館を構える各国の大半は、自国の軍隊や警察官を多数派遣し、警備にあたらせている。日本の場合、地元の警備会社に頼っているのが実情だ。
外務省の警備対策の担当者は「スパイや犯罪組織に入られないよう警備担当を雇うのもひと苦労」と嘆いている。
十分な武装化か、目立たない行動術か。
イラクへの派遣に向け準備が進む防衛庁でも見方は割れる。陸自の幹部は「何で護衛をつけなかったのか疑問はあるが、状況によっては目立たないほうがいいということもあり得る。どんな情報をもとに、どう判断するかによる」と話す。
2人はイラク国内の事情を最もよく知る日本人といえるため、十分な考えあっての判断だっただろうという見方だ。
今、陸自は派遣に備え、車列で移動する時の対策を検討している。車列には装甲車を配し、装甲のない車両にも防弾板を取り付ける方針だ。
陸自幹部は「自動小銃の弾をはじき返せるような防弾板は普通の四輪駆動車には重すぎる。速度が出なくなるうえ、小回りも利かなくなり、いざという時に逃げられなくなるおそれもある」と指摘。結局はその場その場の現場判断しかない、というのが実態だ。 (12/02 00:59)