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http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031202k0000m030035000c.html
【ソウル澤田克己】韓国の尹永寛（ユンヨングァン）外交通商相は１日、イラク北部ティクリートで韓国人２人が殺害された事件に関して会見し、「暴力と殺傷に屈服することはない。イラクに対する人道的支援、救護および再建・復旧の努力を続けていく」という声明を発表。イラクに追加派兵するという政府方針には「影響を与えない」と強調した。
ただ、韓国ではかねて、進歩的な市民団体や国会議員の間で、追加派兵に反対する世論が強かった。韓国人で初の犠牲者を出したことに世論は大きな衝撃を受けており、若手議員の一部が超党派で「追加派兵を全面的に再検討すべきだ」という声明を発表するなど、派兵慎重論が勢いを増している。
尹外交通商相も会見で、追加派兵するという原則は動かないとしつつ、派兵部隊の規模や形式、時期の決定では「このような事件も考慮することになる」と言明した。韓国政府は、追加派兵を撤回した場合、米韓同盟が危うくなりかねず、テロに屈したという批判を浴びることになるが、同時に、世論も無視できないと苦悩しているようだ。
一方、聯合ニュースによると、韓国政府内には国防省を中心に、「追加派兵部隊の安全を確保するために戦闘要員の比率を高めるべきだ」という声も出ているという。今後、政府内でも、派兵慎重論の強いとされる青瓦台（大統領官邸）と保守的な考えの強い国防省などの間の摩擦が大きくなる可能性が高い。
韓国は現在、工兵部隊など計４６０人を派兵。米国の要請に応じて追加派兵を決めたが、工兵など非戦闘要員主体の３０００人規模を希望する韓国側と、治安維持を主任務とする大規模部隊の派遣を求める米国側の調整が難航している。
［毎日新聞１２月１日］ ( 2003-12-01-19:14 )
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