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『アラブ親日』はもう壊れている 日本人外交官2人殺害【東京新聞】糞米盲従小泉ポチ犬売国奴はよくもやりまくってくれたものだ
糞米盲従小泉ポチ犬売国奴は、アラブの親日感情をズタズタにし、唾棄したのだ。
マドリードで開かれたイラク復興支援国会議で、別れのあいさつを交わす川口外相とパウエル米国務長官=AP(2003-10-24)
http://www.asahi.com/international/update/1024/012.html
日本、50億ドル(約5500億円)支援を正式表明 イラク復興支援国会議
以下東京新聞(12月1日朝刊、「こちら特報部」より)
Web版ではなく、新聞紙版の方にあった見出しを追加。また、デスクメモもWeb版になかったのを追加しておきました。
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特報
『アラブ親日』はもう壊れている 日本人外交官2人殺害【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20031201/mng_____tokuho__000.shtml
イラク北部ティクリットで日本人外交官二人が殺害された。狙いは不明
だが、今月十八日のバグダッドの日本大使館銃撃事件が示すように、アラ
ブ世界で「日の丸」が初めて“標的”になったことは間違いない。親日感
情が強かったはずのアラブ世界で、二人に向けられた銃弾の意味は−。
30年来の友人も非難『信頼という資産が…』
■対米追従『これほど卑屈な国とは』
「日本の外交官がアラブの地で“戦死″されたことは誠に残念だ。それ
もアラブの敵対者として」−。「親米」を掲げる湾岸のある国から政府派
遣で来日中のアラブ人留学生は、こう言葉少なに語った。
アラブ世界で親日感情が崩れたというのが、日本のアラブ関係者の間で
は共通した認識だ。
日本アラブ協会理事の最首公司氏は七月、ロンドンでの会合で、サウジ
・メディア界の有力者サラハディーン氏の言葉に衝撃を受けたとして、こ
う話す。
「彼とは三十年来の付き合い。親日家でこれまで七回ほど訪日をしてい
る。その彼がイラク戦争での日本の対応について『これほど日本が卑屈な
国とは思わなかった』と漏らした。彼から日本を非難する言葉を聞いたの
は初めてでした」
■「独自の発展に尊敬の気持ち」
東京大学名誉教授の板垣雄三氏(中東現代史)も「日本はイスラム社会
から信頼という資産を急速に失ってしまった。今回の事態は、起こるべく
して起こったのだと思う」と話す。
板垣氏は、アラブの庶民は欧米社会と日本は違うという感情を持ってい
ると話す。「国内のイスラム教徒に対し、抑圧的な体制をとっていた帝政
ロシアを負かした国として日露戦争の印象はいまだに強い。また、彼らは
日本といえば、まず広島、長崎の原爆と思う。
■米の原爆投下『困難への共感あったが』
『米国は、非人道的な武器でたくさんの日本人を殺した。自分たちも欧
米の帝国主義の支配を受けてきた』と、ともに困難を分かちあったという
共感がある」「その後の経済発展も、ただの欧米化、西欧化ではなく、日
本の伝統を生かした独自の発展をしており『自分たちが学ぶことはたくさ
んある』という尊敬の気持ちがあったと思う」
さらに、板垣氏はこう続ける。「中東戦争の下でも、日本の企業がスエ
ズ運河の拡張工事に身をていして協力した。欧米に先んじて、PLO(パ
レスチナ解放機構)のアラファト議長を迎え入れた。独自の立場を追求し
ていた中東政策について、ごく一般の庶民の口から絶えず出てくる。アラ
ブ社会での一般庶民の日本についての知識の方が、日本のアラブ社会につ
いての知識よりはるかに多い」
■欧米と一線画し地道に外交努力
最首氏によると、オイルショックで揺れた一九七〇年代初頭から、日本
は欧米とは一線を画した官民一体の外交努力を注いだという。
「アラブと付き合うにはイスラムへの理解と尊重が不可欠。半官団体同
士による聖典コーランの紹介など世間ではあまり知られていないが、そう
した地味な活動が信頼を築いてきた」
親日感情に陰りが出たきっかけは、九一年の湾岸戦争だったという。
板垣氏は「パレスチナ人をテロリストとして見るという、イスラエル側
の立場に立った物の見方をするようになった。中東の人のみならず、アジ
アの人も首をひねっている。さらに9・11以降の中東施策、とくに米国
のアフガニスタン、イラク攻撃を支持したことは、日本に対する感情に決
定的な変化をもたらした。日本は欧米とは違うと思っていたのに裏切られ
たという感覚から、日本が憎いというよりは、信頼を寄せた自分たちが腹
立たしいという気持ちで、日本への見方を変えたのではないか」。
■使い果たした『友好の貯金』
九〇年の湾岸危機の際、イラク大使を務めた片倉邦雄・大東文化大学教
授は「湾岸危機では、二百数十人の人質をとられることにはなったが、医
療、土木、石油関係での国づくり、人づくりで友好の貯金があったと思う」
と振り返る。
「今回の事件は、CPA(連合軍暫定当局)の枠内で自衛隊を出すとい
うことへの反発が明らかな輪郭で出てきたということだと思う。テロにや
られたということで済ますことはできない。大衆に根ざした抵抗運動にな
ってきている。ティクリットに警護なしで行くというのは、素足で地雷原
に行ったようなものだ。リスクを身をていして証明することになってしま
った」
■「政府に殺されたようなものだ」
イスラム教徒でアラブでの留学歴も長い同志社大学の中田考教授(イス
ラム法)は「亡くなった方は気の毒だ。政府に殺されたようなもの」と言
い切る。
中田教授は、アラブの親日感情は実は幻想の部分も多いと指摘した上で、
こうした幻想も湾岸戦争で消えかかり、イラク戦争でマイナスにすら入っ
たという。中田教授は「対米関係の維持のため、対アラブ関係が犠牲にな
るという論理は分からなくはない」と話す。
「ただ、そうであっても現状の本質は米国という大テロリストとイス
ラム過激派という小テロリストの戦い。それに対して、日本が一方の側に
はっきり加勢するのは危険だ」とみる。
■『現状では占領の加担』『仲介役を期待している』
「政府はイラク復興というがイラク人にとっては占領への加担。これは
大使館業務をイラク戦争後に復活させた経緯からも弁明できない。復興支
援ではなくおわび行脚の姿勢で取り組むべき。政府がそういえないなら、
民間の非政府団体と手分けして二重姿勢で取り組むべきです。ずるいとい
われても外交にはそれくらいのしたたかさが必要だ」
最首氏も「アラブの政府と民衆の二重構造を理解せねば」と訴える。
「対米関係で武力行使を避けたり、援助を得るためにアラブ諸国の政府は
建前を言う。しかし、政治家も民衆も本音は違う。本音レベルでの日本へ
の期待は、米国の暴走へのブレーキ役とパレスチナ問題での公正な仲介者
の立場だ。そこを日本政府は分かっていない」
板垣氏は「今回のような事件は今後も起こり得る。『状況を見極めて』
などというような話ではない。この先待っている事態を覚悟すべきだ」と
言い切る。
片倉氏も「日本人初の犠牲は重いものがある」として、復興支援の見直
しが必要と訴える。
「川口外相は『死を無駄にしてはいけない』と、自衛隊派遣の方針を変
えていないが、もう少し潮流がどちらに向いているかを分析するべきだ。
国連の何らかの関与を復活し、イラク市民に主権を戻さなければ草の根の
反感はおさまらない。その後のPKO(国連平和維持活動)ならば大義名
分が立つが、今のまま出て行くのであれば自衛隊は標的になりうる」
デスクメモ
イラクで放映が始まったドラマ「おしん」は、自衛隊派遣先とされるサマ
ワでも話題という。「おしん」のメッセージは「忍耐と辛抱」の後には成
功があるというものだが、方向性を誤ったまま突き進めばハッピーエンド
はない。(透)