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北アイルランド 混乱状態に逆戻り
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20031130/mng_____kok_____001.shtml
【ロンドン=沢田敬介】英・北アイルランド自治議会選挙で、カトリック勢力との包括和平合意を根本から見直すと主張してきたプロテスタント強硬派の民主統一党(DUP)が第一党に躍進したのを受け、英政府は週末を挟んで主要政党関係者と接触、和平の枠組み維持と、昨年十月以来停止している自治の復活を目指す考えだ。しかしDUPのペイズリー党首はこれを拒否する姿勢を明確にしており、政治的混乱を打開する道筋は当分、開けそうもない。
DUPは、英国統治から離脱してアイルランドへの併合を求めるカトリック勢力、特に過激派のアイルランド共和軍(IRA)の政治組織シン・フェイン党に強烈な不信感を抱いている。
一九九八年の包括和平は少数のカトリック系住民との権力分担を実現した点で画期的だったが、DUPは「IRAやシン・フェイン党に譲歩し、権限を与え過ぎた」と批判。テロを重ねたIRAの武装解除が合意から五年を経た今も完全に実現していないと訴えてきた。
一方、シン・フェイン党は選挙前を六議席上回る二十四議席を獲得。アダムズ党首は、包括和平を支持し、和解のための協議を望んでいるが、ペイズリーDUP党首は二十八日「シン・フェイン党との対話はしない。話し合いを持った党員は除名する」と明言した。
自治再開には、両党が権力分担で合意した上での正副首相の選出が前提となる。ただ、DUPが和平内容の再交渉を求めているのに対し、英政府は部分的な見直しには応じても「基本部分については応じられない」との立場。選挙後初の議会開会まで六週間の猶予があるとはいえ、今のところ接点は見いだせない。
ブレア英首相は二〇〇五年にも予想される次期総選挙までに、駐留させている英軍を一万二千人から五千人に削減すると表明してきた。DUPの躍進が、暴力による紛争再発につながるとの見方は少ないが、混乱が長期化すれば、ブレア首相に深刻な打撃となってのしかかるのは間違いない。