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情報収集衛星打ち上げ失敗とイラク駐在外交官殺害に共通して現れた日本政府の病的現実無視
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/769.html
投稿者 【公安情報ESPIO!転載】 日時 2003 年 11 月 30 日 20:18:15:Q8KaVjqN7Bcn.

●(((((((((((((((((((((( ESPIO! ))))))))))))))))))))))●
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■“日本がやろうとすれば一年でできる”  Vol.252 11/30/03
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1.大失敗
 情報収集衛星(IGS)の打ち上げは、H2Aロケットの不具合
により、見るも無惨な失敗に終わった。地上からの指令信号で衛星
もろとも爆破されてしまった。
 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031129-00000111-yom-soci
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031130-00000062-mai-soci
 
 技術的な解説は松浦晋也氏が詳しい。

 http://www.sacj.org/openbbs/

 つまり、SRB−Aという固体ロケットブースターがうまく切り
離されなかったのである。
 宇宙開発委員会や宇宙開発事業団(当時)のサイトを「SRB−
A」で検索してみると、「分離システムの信頼性向上ということが
専門家会合でも指摘」されたり、「長期的にはロバスト(robust=
頑丈な、確実な)なシステムを採用する検討を続けること」が提言
されたものの、地上試験や打ち上げの結果、「問題なし」と判断さ
れた経緯が窺える。
 ではなぜ今回、問題が生じたのか。あるいは過去、本当に問題が
なかったのか、実に気になるところだ。

<参考>SRB−A
■平成10年11月17日 宇宙開発事業団
 http://www.nasda.go.jp/press/1998/11/srba_981117_j.html
 SRB-A 分離試験は、本日の試験をもって、予定したデータをすべ
て取得し、良好に試験を終了しました。

■2001/06/19 第23回宇宙開発委員会議事録
 http://www.google.co.jp/search?q=cache:lEgaimYYheUJ:www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/minutes/gijiroku/01/23.htm+SRB-A%E3%80%80%E5%88%86%E9%9B%A2+site:www.mext.go.jp&hl=ja&ie=UTF-8
 構造系の開発試験ですが、構造系はすべて実際の機体をつくりま
して強度試験を実施しております。その一例が段間部強度試験。そ
れから、構造系で重要な課題は、1段機体に設置されている固体ロ
ケットブースタをつなげておくところで、こちらに分離試験の様子
の図がありますが、この部分の写真がここでございますが、切断す
る際、火薬で切断するわけですが、衝撃が機体の中に入り、この内
部にある各機器に作用いたしますが、従前は、この機体構造の伝達
関数を求めて、また火薬の作動の衝撃を求めて、その両者を解析的
につないでおりましたが、この開発強化の中で、それを直接両方組
み立てた状態で確認するという試験を行っております。こういうふ
うにして、従前解析で行っていたものを試験でも実施するというこ
とを、この開発強化の中で実施いたしました。

■2001/07/27 宇宙開発委員会計画・評価部会(第7回)議事録
 http://www.google.co.jp/search?q=cache:rdtm5TiOmrEJ:www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/minutes/gijiroku/02/07.htm+SRB-A%E3%80%80%E5%88%86%E9%9B%A2+site:www.mext.go.jp&hl=ja&ie=UTF-8
 SRB−Aに関しては、分離システムの信頼性向上ということが
専門家会合でも指摘されておりまして、新たに増強型ということに
なるフェーズでは、この方向の努力もしたい。

■2001/10/11 宇宙開発委員会 安全部会(第3回)議事録
 http://www.google.co.jp/search?q=cache:OLwXKABxydwJ:www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/minutes/gijiroku/04/03.htm+SRB-A%E3%80%80%E5%88%86%E9%9B%A2+site:www.mext.go.jp&hl=ja&ie=UTF-8
 このSRB−Aの性能予測値が初期の見積もりと違っていた。

■2001/10/22 第38回宇宙開発委員会議事録
 http://www.google.co.jp/search?q=cache:GxS0i3H1qx8J:www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/minutes/gijiroku/01/38.htm+SRB-A+site:www.mext.go.jp&hl=ja&ie=UTF-8
 SRB−A分離システムでありますが、分離システムは正常に機
能いたしました。結合部材歪みデータから飛翔時の挙動が明らかに
できたことは特に高く評価できると思います。後継機においても同
様のデータを蓄積することを進言いたします。また、長期的にはロ
バストなシステムを採用する検討を続けることを希望いたします。
それから、SRB−A分離時に発生する機体の擾乱の影響に関して
は、今回は特段の問題はなかったと思いますが、引き続き飛翔デー
タへの注意を払うことを希望いたします。

2.基幹ロケット
 今回の失敗はIGS云々というよりも、国の「基幹ロケット」で
あり「輸送手段の中核」であるH2Aの失敗であるだけに、打撃は
甚大である。

 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/reports/021101a.htm

 仮にIGSが4機体制になったとしても、はたして北朝鮮の軍事
施設を十分に監視したりできるのか、甚だ疑問であることは従前指
摘したとおりであるところ、

 http://www.emaga.com/bn/?2003080031252018019414.xp010617

偵察衛星の保有・運用には国威の発揚といった象徴的意味合いもあ
るから、ロケットの打ち上げすらできなかったという事実が内外に
もたらす心理的効果は大きいのだ。簡単に言えば、「見くびられる
」ということである。

<参考>IGS打ち上げ失敗が「日本の宇宙産業にとって深刻なダ
メージ」を与えたことについて報じる新華社配信記事
 http://www.people.com.cn/GB/guoji/1029/2218509.html

<参考>本年9月17日付けの中国日報配信記事
 http://www.people.com.cn/GB/junshi/1077/2093389.html
 9月8日付けの米国"Defense News"を引用する形で「2、3年以
内に衛星画像システムと重層的なミサイル防衛システムが完備され
、今世紀中に日本版GPSがこれらの軍事システムを強化する」と
いった防衛庁職員の将来展望が記されている。

 それ以上に、たとえば気象衛星ひまわりの後継機打ち上げが大幅
に遅れることによって、我々の生活も目に見える形で影響を受ける。

 http://www.c-crews.co.jp/gnext_express/news/back/0304/030428_19.html

<参考>「宇宙開発計画」に見る衛星等打ち上げ予定
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/keikaku/021001.htm
 平成15年度に情報収集衛星を打ち上げることを目標に、平成1
6年度に陸域観測技術衛星(ALOS)及び技術試験衛星8型(E
TS−8)をそれぞれ打ち上げることを目標に、平成17年度に月
周回衛星(SELENE)及び宇宙ステーション補給システム(H
TV)技術実証機をそれぞれ打ち上げることを目標に、H−2Aロ
ケットの開発を行う。また、平成15年度に運輸多目的衛星新1号
機を打ち上げるとともに上段の再々着火実験を実施することを目標
に、H−2Aロケットの開発を行う。
なお、平成17年度に打ち上げることを目標に、H−2Aロケッ
ト増強型試験機の開発を行う。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)はH2Aなどの大型ロケット
と衛星を手がけてきた宇宙開発事業団、太陽系探査などのための衛
星と小型ロケットを開発してきた宇宙科学研究所、航空機開発に取
り組む航空宇宙技術研究所の3機関が統合、10月1日に発足した
独立行政法人である。

<参考>JAXA発足に関心を払う国家情報院(韓国)
 http://www.nis.go.kr/servlet/remote.FlowView/4144409731582192282003542297/031001_diamond.htm

 しかし、JAXAは発足早々、みどり2(ADEOS−2)等の
運用異常に直面するなど、厳しい試練を受けている。

 http://www.jaxa.jp/press/2003/10/20031025_midori2_j.html
 http://www.jaxa.jp/press/2003/10/20031027_midori2_j.html

<参考>ADEOSの異常
■ADEOS−1異常との類似性についての指摘
 http://www.satobs.org/seesat/Oct-2003/0303.html
■ADEOS−2レーダー・イメージについての指摘
 http://www.satobs.org/seesat/Nov-2003/0004.html

3.IGSの運用実態も不明
 そして、実を言えば、内閣衛星情報センターの極端な秘密主義に
より、そもそも先に打ち上げられたIGSでさえ、

 http://www.emaga.com/bn/?2003040014459023015028.xp010617

本当に機能しているかどうか我々に知るすべはないのだ。
 導入にあたって、本来“多目的”であったはずの情報収集衛星は
、いつの間にか「北朝鮮の軍事施設などを監視する」などという形
容詞とともに報道されるようになり、あたかも軍事目的専用の如き
様相を呈している。その目的自体の如何はさておくとしても、費用
対効果はまったくもって定かでない(なんせIGSの分解能は商業
衛星以下なのだから)。
 むしろIGSに引っ張られる形で、他の宇宙開発予算が圧迫され
る事態が危惧されている。
 人員も予算も格段に違うわけだから、

 http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu16/siryo4-1.pdf
 (6頁)

むしろ打ち上げに失敗しないほうが奇跡的なくらいではあるが、こ
のままでは中国はおろか、韓国やブラジルにも及ばないことになり
そうだ。
 これが我が国の宇宙開発技術の現状なのである。

4.“日本がやろうとすれば一年でできる”
 H2Aの失敗は、先月15日、中国が有人宇宙船「神舟5号」の
打ち上げに成功したことと際立ったコントラストを見せている。

 http://www.spacedaily.com/dragonspace.html

 この点について、軍事評論家の江畑謙介氏は次のように論評して
いる。

<参考>江畑氏の論評
■2003.10.16 共同通信 
「一党独裁下の中国の宇宙開発には一貫性、継続性があり、日本が
見習うべき点も多い。無人飛行の成功から今回の有人飛行成功まで
、米国や旧ソ連(ロシア)に比べるとはるかに遅いペースだったが
着実に進んでおり、一定の期限内に成果を示さないと予算がつかな
い日本の研究者からすると非常に理想的だ。今後の(各国の)安全
保障は、偵察・通信衛星を含め宇宙をいかに利用できるかが大きな
ポイントとなる。気象や災害の予測など納得できる目標を掲げ、日
本でも宇宙開発に対する国民の認識を高める必要がある」

■2003.10.16 読売新聞朝刊
 「まず、国の威信を高める。第二に、この実績によって中国国内
で宇宙航空開発に予算が付きやすくなり、すそ野が広がる。三番目
に、人間を宇宙に送ることでシステムへの信頼性を示した。中国は
八〇年代以降、商業用人工衛星打ち上げ市場への参入に努めてきた
。有人と無人とでは外国の顧客へのアピール度が違う。米国、フラ
ンス、ロシア、中国という選択肢の中で、値段が安い上、信頼性が
高いなら、『中国に打ち上げてもらおう』ということになる」
 「これが即、軍事的に大きな意味を持つことはないが、大型ロケ
ット開発に弾みが付き、本格的な偵察衛星を打ち上げる能力が形成
されることにつながるだろう」
 「有人飛行は、宇宙開発のあらゆる分野において、象徴的意味を
持つ。資金だけでなく、人材も集めやすくなる。日本では、何も目
標がないため、無駄だと言われ、どんどん資金が削られている。中
国は次は月へ人を送ると言っている。こういうことは国民に受ける」
 「現在の日本には、国民、納税者が納得できる目標がない。米国
の後じんを拝して、気象や偵察衛星を打ち上げるだけでは、国民に
は納得されない。一九五七年に旧ソ連が世界で初めて人工衛星を打
ち上げた時に、米国が感じた『スプートニク・ショック』と同程度
の衝撃を持って、日本は受け止めてもいい。これを機に、根本的に
日本の宇宙戦略を問い直すべきだ。日本では、宇宙開発の大義に実
利も必要だろう。例えば、地震予知や精度の高い天気予報に結びつ
けることも考えられる。宇宙利用が、国民にどのような利益になる
のか、具体的に提示していくことが必要だ。」

 そこでいやが上にも思い出されるのが石原慎太郎都知事の次のよ
うな発言である。

<参考>石原発言
「中国人、無知だから喜ぶ」 石原都知事、有人宇宙船巡り発言/
鹿児島
2003.11.02 読売新聞朝刊 
石原慎太郎東京都知事は一日、鹿児島県指宿市内のホテルで演説
し、中国が先月、有人宇宙船の打ち上げに成功したことに触れ、「
中国人は無知だから『アイヤー』と喜んでいるだけ」などと発言し
た。
石原都知事はこの日、衆院選候補者の応援のため同県を訪れた。
演説の際、日本道路公団など特殊法人の予算の使い方を批判する中
でロケット開発に話が飛び、有人宇宙船の打ち上げを指して「あん
なものは時代遅れ。日本がやろうとすれば一年でできる」と述べた。
(以下略)

 しかし結果は、人間どころか人工衛星すら打ち上げられなかった
のだ。
 石原氏は圧倒的マジョリティの支持を受けているわけだから、上
のような見解は日本人多数の感想なのだと受け取っていいだろう。
「安全保障」はまず現実世界をありのままに認識することから始ま
るように思うのだが、都知事の傲慢な態度がその対極に位置してい
ることだけは間違いない。
 こんな調子ではますます先行きは暗そうである。

<付記>
 とうとうイラクで日本人外交官が殺された。
 取り急ぎ言及しておくと、ちょっと驚いたのがこの記事である。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031130-00000041-kyodo-soci
 
 もし、本当に「陸幕のある幹部」が「強盗目的なのか。日本の外
務省職員と知っていて殺害目的で襲ったのか」と情報の少なさにい
ら立っているのだとしたら、この期に及んでも信じがたい極楽トン
ボ振りではないか!
 アルジャジーラの最近の報道状況を見ても、
 
 http://english.aljazeera.net/NR/exeres/E01AEE95-E138-4B83-86DC-CDFCC40C7BB0.htm
 http://english.aljazeera.net/NR/exeres/B72809E1-24CF-4873-83FD-04E9B543FB81.htm

殺害の背景に政治的意図があることは容易に窺える。外務省職員だ
からこそ殺されたのである。
 スペインについては、なんと情報機関CNI(国家情報センター
)の職員までもが殺されている。

 http://www.cni.es/castellano/
 http://www.elmundo.es/elmundo/2003/11/29/espana/1070120413.html
 http://www.abc.es/Nacional/noticia.asp?id=223508&dia=hoy

 日本政府は相変わらず「テロには屈しない」というスローガンを
繰り返しているが、

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031130-00003005-mai-pol
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031130-00000206-jij-pol

肝心の岡本首相補佐官は急遽イラク訪問を取りやめてしまい、

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031130-00000195-jij-pol

言葉とは裏腹の情けない実態を露呈している。
 たしかに岡本補佐官は邦人がテロの対象になり得ることを率直に
認めてはいたものの、日本大使館の対応については、結論として、
「ここで撤退すればテロリストの思惑にはまることになる」「イラ
ク安定のため活動を続けるべきだ」などと述べていたのであった。

 http://www.google.co.jp/search?q=cache:Tf7xaiXLsBcJ:news.fs.biglobe.ne.jp/politics/ym20031106it05.html+%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E8%A1%8C%E5%A4%AB%E3%80%80%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%80%80%E3%83%86%E3%83%AD&hl=ja&ie=UTF-8

 実際に現地を目にしてその恐怖を体感している立場は十分に窺い
知れるとはいえ、テロリストの思惑にはまっているのは、他ならぬ
岡本補佐官自身ではないか!
 本当に覚悟がないのなら、勇ましい言葉など口にすべきでない。
 今月は84名の米兵が殺害された。

 http://cryptome.org/mil-dead-iqw.htm

 これはもはや内戦である。

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情報発信者:野田敬生(hironari noda)

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