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抄録全訳してみました。
http://www.asyura2.com/0311/war43/msg/439.html
投稿者 無駄一 日時 2003 年 11 月 26 日 23:31:40:wa0XuxovvJoOg

(回答先: 「ランセット」論文の英文抄録がありました。 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 11 月 26 日 20:17:22)

拙訳ですが、なるべく原文に忠実に訳してみました。

C.アンウィン 他 「ペルシア湾岸戦争に従軍した英国軍人の健康について」
ランセット 1999年1月16日号;353巻:169-178ページ

この英国の研究は湾岸戦争に従事した者、同時期に湾岸地域に配置されなかった者、
及びボスニア紛争に従事した者の3者を比較した軍人に関する調査である。

それぞれの群から約4248人の軍人を無作為に抽出し、調査を行った。
回答率はそれぞれ70%、 62%、63%であった。
湾岸群では全ての症状及び体調不良に関して他の群よりも高い頻度を示した。
3群全てにおいて高率に訴えのあった5つの症状は、寝覚めの悪さ、イライラ感、
頭痛、倦怠感、及び睡眠障害であった。
3群全てにおいて高率に訴えのあった5つの体調不良は、腰痛、花粉症、皮膚炎、
副鼻腔炎、及び偏頭痛であった。
全ての体調不良の中で湾岸戦争への従軍と最も相関していたのは自己申告による
慢性疲労症候群であったが、これは3群全てにおいて余り高い頻度では無かった。

3群全ての軍人において、従軍階級に関わらず、健康不良であるという認識を
事実上全ての潜在的危険因子やそれへの暴露に関連づけて考えていた。
化学兵器に暴露されたと信じていることは最も健康不良であるという認識に
関連づけられていた。

さらに複数回のワクチン接種と健康不良を関連づけて考えるものもあり、
特にワクチンの副作用を経験したことを思い出したものに著明であった。

症状のパターンは3群全てに共通しており、特有の「湾岸戦争症候群」
は存在しない事が示唆された。

ただし、この結果は質問用紙に対する本人の回答に基づいたものであり、
診断に医学的問診、あるいは診察を必要とする異常については捕捉されていない。
身体的診察を行っていないことによりこのような症状の頻度が増加している理由を
説明し得る身体的異常を見逃している可能性は否定出来ない。

著者等は今後更に、症状のある復員軍人群と対照群に対する詳細な身体的、神経生理学的、
神経心理学的診察を含む研究を進める予定である。

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