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【ワシントン=菱沼隆雄】ブッシュ米大統領は25日、在外米軍の再編問題で声明を出し、同盟国や友好国との本格的な交渉を開始すると発表した。
「ならず者国家」や「テロ」など21世紀型の脅威に対応するのが狙いで、在日・在韓米軍、在欧米軍など冷戦時代の大規模駐留は大幅削減の方向で検討されるほか、同盟国や友好国に対してイラクやアフガニスタンなど「域外」への部隊派遣要請を強めることになる。
声明によると、再編協議は来月、北大西洋条約機構(NATO)の国防相会議、外相会議でそれぞれ米側から欧州の同盟国に詳細な説明が行われる。さらにこの後、米政府の高官チームが日本を含むアジア各国首都を訪問し、本格的な協議に着手する。
大統領声明は、具体的な再編規模について触れていないが、「適切な(米軍の)能力を適切な場所に配置するよう万全を期す」とし、米政府内での調整段階から同盟・友好国との交渉に入ると明言した。
ラムズフェルド国防長官は同日の記者会見で、再編完了期間について「4年から6年」と述べた。
この問題に関して、米政府高官は、今後の友好国との交渉基盤となる考え方について、〈1〉不確実性への対応〈2〉同盟国の役割拡大と新たな協力関係の構築〈3〉緊急展開能力を高める〈4〉兵員数ではなく戦闘能力を基本とする〈5〉(アジアや欧州など)特定の地域防衛にとらわれない――などをあげた。
とくに同盟国の役割の拡大に関連しては、「(地域の)安全保障に貢献するという伝統的な考えに加え、これまで考慮されてこなかった同盟国や友好国の部隊の域外派遣」なども検討の対象になると説明した。大統領声明では、具体的な派遣地域は明らかにされていないが、「対テロ戦争」の最前線になっているイラクやアフガニスタンへの派遣が当面の課題になる見通しだ。
ブッシュ大統領がこの時期に米軍再編に向け、同盟国との本格交渉入りを表明した背景には、イラクやアフガニスタンでの治安回復に見通しが立っていないことがある。同盟国の役割拡大や域外派遣により、米軍の負担軽減を狙っているが、対テロ戦が「見えない敵」との戦いであることに加え、米国と同盟国との間には「テロの脅威」について認識に開きがあり、交渉が難航する可能性もある。
米軍の再編については、駐独米軍のポーランドなど東欧諸国への移転や、在韓米軍の再編などについて協議が行われている。米国は、冷戦終結後も在外米軍の大幅削減を避け、東アジアと欧州でそれぞれ「10万人体制」を維持してきた。
◆在外米軍=米軍が前方抑止のため、欧州や北東アジア、東アジア沿岸部、中東・南西アジアなど約120か国に配置している駐留軍。このうち、在日米軍は約4万人、在韓米軍は3万7000人。欧州駐留軍は、ドイツ6万9000人、イタリア1万人、英国9000人など。
(2003/11/26/13:45 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031126id04.htm