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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031121/eve_____sya_____003.shtml
自衛隊派遣候補地 イラク・サマワ
劣化ウラン弾汚染の恐れ
元米軍医が分析
「イラクに派遣される自衛隊にもウラン汚染が及ぶ危険性がある」と語るドゥラコビッチ博士=東京都千代田区の参院議員会館で
自衛隊のイラク派遣の時期が注目される中、核医学の第一人者の米国人で、元米軍医(大佐)のアサフ・ドゥラコビッチ博士(63)が初来日し、本紙のインタビューに対し「自衛隊派遣候補地のイラク南部のサマワ周辺も、米英軍がイラク戦争で使用した劣化ウラン弾による高濃度の放射能汚染が予測される」と語った。また、「自衛隊派遣は、日本のどのような利益につながるのか。日本が得られるものは何もない。イラクの復興は、破壊した米英国の責任でなされるべきだ」と指摘した。
(聞き手=社会部・佐藤直子)
「戦車の装甲を焼き切るために、砲弾のコーティングに使われた劣化ウランは、爆発の際、粉じんとなって大気中に飛散する。これを吸入することで体内被ばくが起きる。サマワでもウラン汚染が予測され、被ばくの危険性は否めない」と博士は言う。
博士が所長を務める独立系の民間団体「ウラニウム医療研究センター(UMRC)」では最近、イラク戦争で激しい爆撃を受けた南部のバスラ近郊の村の九歳の少年の手術を行ったところ、全身に高濃度の放射能汚染が確認された。
また、三週間ほど前にはセンターの研究チームがイラクを訪れ、バグダッド、バスラ、カルバラなどイラク国内十五カ所で、住民の尿や遺体の組織、土、水、大気など百以上のサンプルを採取した、という。現在までに分析された放射能は、比較対象としたカナダ・トロントの水や空気の数千倍に達するものもあったという。十五カ所の中にはサマワも含まれており、サマワの汚染も確認されたが「十分に分析されたものではないので、数値はまだ公表したくない」と語った。
劣化ウラン弾は貫通力が高く、安価なことから湾岸戦争後も、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争などでも北大西洋条約機構(NATO)軍が使用したとされる。イラク戦争でも英国国防省が使用を認め、米中央軍も三十一万一千発余を使用したと発表している。
米政府は、劣化ウランの人体への影響を否定しているが、その理由について博士は「米軍も英国軍も、環境や人体に壊滅的な影響を与えた罪を負いたくはないし、補償問題を恐れているからだ」と批判。「湾岸戦争(一九九一年)までは生物、化学、核兵器の時代だった。だが、それ以後、放射能兵器による戦争の時代に入った。生命を無差別に殺傷する大量破壊兵器を語るとき、私たちは放射能兵器についても言及せざるを得なくなった」と述べた。
博士はかつて、大佐の地位にある医師として米軍に所属していた。だが、湾岸戦争後、多くの帰還兵や退役軍人に発症した原因不明のさまざまな疾患が「湾岸戦争症候群」として社会問題化したとき、治療研究に当たり、元兵士らの体内に高いレベルでの被ばくが起きていることを確認。「対戦車砲に使用された劣化ウランの微粒子を吸ったことが原因で、重い肝臓疾患や機能不全が生じている」と結論づけた。
こうした研究によって政府から「政治的な圧力がかけられるようになり、軍医を解職された」という。博士は「イラク戦争時の『衝撃と畏怖(いふ)』作戦に参加した兵士の中にも、『湾岸戦争症候群』のような症状が起きている、という情報を得た」とも語った。